メジャー挑戦の心境を話す青柳(撮影・上田博志)

今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦する阪神青柳晃洋投手(30)が5日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で取材に応じた。

「ポスティングは球団の権利。自分のわがままというか、行きたいという気持ちを通してくれた。本当に感謝しかないです」と、同システムの利用を容認してくれた球団に感謝した。

最初にメジャー挑戦への思いを持ったのは21年の東京五輪だという。

「全く通用しなかったのが悔しかった。その後、国際大会も出たいと思っていたけど出られなかった。その後にタイトルを取ったり、ある程度活躍させてもらったくらいから、別の野球があるんだったら経験してみたいとずっと思っていました。話を続けながら、今年に至ったという感じです」と経緯を説明した。

帝京大から15年ドラフト5位で阪神入団。21年は最多勝、最高勝率に輝いた。翌22年も最多勝、最高勝率、最優秀防御率の投手3冠を獲得した。一方でこの2年間は計10勝と思うように活躍できなかった。

「それでも、体の衰えとかはないと思っているので、体が元気なうちに挑戦したい気持ちが強かった。結果がどうなるか分からないけど、しっかりと挑戦したい」と強い意思を示した。

阪神からポスティング移籍が実現すれば井川慶、藤浪晋太郎に次いで3人目。「晋太郎のポテンシャルは日本人の中でもトップクラス。僕はそういう選手ではない。逆に言うと僕みたいな大した選手じゃない選手も(米国に)行って活躍したら、ほかの選手の希望にもなるかなと思う」と話した。

家族は置いて単身渡米する予定だとも明かした。決断に至るまで、夫人にだけ相談したという。米国の大手エージェント会社「WME」との契約も済ませている。

9年間所属した阪神のファンに向けてもメッセージを送った。

「まだ出るかどうか分からないですけど、9年間、大好きなタイガースに対しては、本当に感謝しかないです。僕みたいなへたくそがここまでの投手になれたのは、タイガースという環境があったからだと思う。厳しい言葉もファンの方からもらいましたけど、その何十倍も元気づけられるような言葉や声援があったからこそ、毎週ああやって甲子園の舞台に立つことができた。やっぱり日本一、世界一のファンだと思う。この球団でエースになりきれなかったのは申し訳なく思いますけど、それよりも本当に『ありがとう』と気持ちが一番。活躍することがファンへの恩返しだと思います」

今後、球団が申請手続きを行い、獲得交渉を希望する球団が現れるの待つ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】ポスティングで米挑戦の青柳晃洋「体が元気なうちに」「晋太郎みたいな選手じゃない」