スノーボード女子日本代表の岩渕麗楽(バートン)が、北京五輪後の新シーズンを幸先良く滑り出している。スイスのクールで10月に行われたワールドカップ(W杯)ビッグエアの今季開幕戦で優勝し、「結果も内容も納得できる大会になった」。カナダ・エドモントンで開催された12月の第2戦でも3位に入った。 北京五輪以来の大会出場となったW杯開幕戦。1回目にバックサイドダブルコーク1080(縦2回転、横3回転)を決めて全選手を通じ最高得点を出すなど、2位以下に大差を付けて通算8勝目を挙げた。「夏にニュージーランドで練習したことが大会でうまく出せた」と手応えを語った。 「あの挑戦をしたことによって、結構吹っ切れた部分がある」。そう振り返ったのが北京五輪のビッグエア。左手甲の骨折を押して出場し、メダルを懸けた3回目で後方に3度宙返りする最高難度のトリプルアンダーフリップを繰り出した。惜しくも着地に失敗して2大会連続の4位にとどまったが、失意の岩渕に各国選手が駆け寄って果敢な姿勢をたたえたシーンは名場面の一つになった。「結果はついてこなかったけど、周りの人に少しでも影響を与えることができたのはすごくうれしく思う」。競技への新たな意欲を生む契機になったと言う。 14日で21歳になったばかり。「目先の結果にはとらわれず、糧になるような試合運びをしていけたら。精度の高い滑りを目標に頑張りたい」。地に足を着けて五輪翌シーズンを過ごしている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボードのワールドカップ(W杯)ビッグエア今季開幕戦、女子の岩渕麗楽=10月22日、スイス・クール(EPA時事) 〔写真説明〕北京冬季五輪スノーボード女子ビッグエア決勝3回目の演技後、各国の選手から称賛される岩渕麗楽(中央)。女子初となる最高難度のトリプルアンダーフリップ(後ろ方向に3回宙返り)に挑戦するも失敗した=2月15日、北京