■NY株式:ダウ87ドル安、トランプ大統領の発言を嫌気

23日の米国株式相場は下落。ダウ平均は87.80ドル安の21812.09、ナスダックは19.07ポイント安の6278.41で取引を終了した。トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設に関する予算確保ができなければ、政府機関の閉鎖も辞さないと言及し、政権運営への懸念から売りが先行。北米自由貿易協定(NAFTA)破棄の可能性を示唆したことも嫌気され、終日軟調推移となった。しかし、週末に開催される金融・経済シンポジウムの講演内容を見極めたいとの思惑から下値は限られた。セクター別では、不動産やエネルギーが上昇する一方で運輸やメディアが下落した。

ホームセンターのロウズ(LOW)は決算内容が予想に届かず、下落。同業のホーム・デポ(HD)も売られた。化粧品メーカーのコティ(COTY)は決算内容が嫌気され、軟調推移。一方で、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)は決算内容が好感され、上昇。自動車大手のフィアット・クライスラー(FCAU)は高級車ブランド「マゼラッティ」「アルファロメオ」及び部品部門のスピンオフ検討が報じられ、堅調推移となった。

PCメーカーのHPインク(HPQ)はマーケット終了後に5-7月期決算を発表、一株利益、売上高ともに予想を上振れた。しかし、通期の利益見通しが予想を僅かに下回り、株価は下落した。


Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米政府機関閉鎖への懸念でドル売り強まる

23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円22銭から108円92銭まで下落し、109円03銭で引けた。7月米新築住宅販売件数と8月米製造業PMI速報値が予想を下回ったこと、トランプ大統領の「メキシコとの国境の壁建設費用を獲得するためなら政府閉鎖も辞さない」とする発言を受けた米国の政府機関閉鎖の脅威がくすぶりドル売りが優勢となった。

ユーロ・ドルは、1.1787ドルから1.1823ドルまで上昇し1.1806ドルで引けた。良好な指標で、欧州中央銀行(ECB)によるテーパリング観測が根強くユーロ買い・ドル売りが再燃。ユーロ・円は、128円63銭から129円04銭まで上昇した。ポンド・ドルは、1.2812ドルから1.2780ドルまで下落。英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡って企業が投資に慎重になっているとの一部調査レポートが売り材料となったようだ。ドル・スイスは、0.9672フランから0.9642フランへ下落した。


■NY原油:NY原油先物は続伸、米原油在庫は8週連続で減少

NY原油先物9月限は続伸(NYMEX原油10月限終値:48.41 ↑0.58ドル)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+0.58ドルの48.41ドルで取引を終えた。米エネルギー情報局が23日公表した週間在庫統計で原油在庫は8週間連続で減少し、ガソリン在庫も減少したことが買い材料となった。原油在庫の減少幅は市場予想をやや下回ったものの、需給改善につながる要因とみなされたようだ。ただ、23日の米国株は下落したことから、原油先物の上げ幅は取引終了前にやや縮小した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  23.76ドル -0.07ドル(-0.29%)
モルガン・スタンレー(MS) 45.80ドル +0.23ドル(+0.50%)
ゴールドマン・サックス(GS)222.74ドル -0.84ドル(-0.38%)
インテル(INTC)      34.66ドル +0.01ドル(+0.03%)
アップル(AAPL)      159.98ドル +0.20ドル(+0.13%)
アルファベット(GOOG)   927.0ドル +2.31ドル(+0.25%)
フェイスブック(FB)    168.71ドル -0.93ドル(-0.55%)
キャタピラー(CAT)     114.75ドル -1.07ドル(-0.92%)
アルコア(AA)       41.06ドル +1.29ドル(+3.24%)
ウォルマート(WMT)     79.96ドル -0.06ドル(-0.07%)
スプリント(S)       8.29ドル +0.07ドル(+0.85%)





<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の米国市場ダイジェスト:ダウ87ドル安、トランプ大統領の発言を嫌気