こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。 今回は気になる原油相場についてレポートします。

まず需給について、『昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計では、米原油在庫が490万バレル減少しましたが、それに対してガソリンと灯油の在庫が合計で840万バレルも増加したことは注目でしょう』とレポートで伝えています。この原油在庫の減少と生産減で供給が減ったことから原油相場は強い値動きとなっています。

しかし、『暖房用燃料需要がピークを迎えているこの時期に』ガソリンと灯油が増加しているのはどういうことなのでしょうか。レポートでは、『原油在庫が減少傾向を強めながら、ガソリン在庫や灯油在庫が増加傾向を強めているのは、製油所稼働率の上昇が原因です。』と紐解いています。

加えて、『いくら原油在庫が8週連続で減少しても、ここまでガソリン在庫と灯油在庫が急増していては、原油価格の下落も時間の問題と見ております。例年通りであれば、エネルギーの不需要期のピークである2月には、製油所稼働率が85%付近まで低下することになり、これから2カ月間ほど米原油在庫の増加傾向が強まりそうです』と分析しています。

また、今後の値動きについては、『NY原油は、5カ月連続の上昇となり、3年ぶりの高値水準まで上昇しました。しかもNY原油におけるファンドの買い越し枚数が、2カ月ほど前から過去最高を更新し続けております。ここまでファンドの買い越し枚数が膨れ上がると、何かのきっかけ次第で、ファンドの手仕舞い売りが加速することになります』とファンドの動向に注目。『価格的な高値警戒に加え、ファンドポジションによる高値警戒を強める必要があります。あとは、米国株が調整安でも入れると、リスクオフの流れを嫌気して原油価格が下落に転じる可能性もあります』と注意を促しています。11日のアジア時間で原油先物は約3年ぶり高値圏を維持していますが、継続するかは注視した方が良さそうです。

上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の1月11日付「原油市場」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 3年ぶり高値圏の原油市場に高値警戒、ファンドの動向から注意が必要か サンワード貿易の松永氏(三井智映子)