NICT、清原光学、アークエッジ・スペース、ソフトバンクが連携し、2026年に6U衛星でLEO⇄地上の光無線を実証。2027年にはHAPSとLEO間で双方向10Gbps・約2,000kmの検証を目指します。地域接続や災害対応でDXを加速する一手です。 

社会変革を促すユースケースと波及効果

本プロジェクトが目指す光無線によるNTN(非地上系ネットワーク)は、単なる技術実証に留まりません。まず、地上網が未整備の離島・山間部や海域での通信インフラを短期間で構築できる点は、地域のデジタル包摂を大きく前進させます。教育現場では高画質・低遅延の遠隔授業が可能となり、医療分野では高解像度の画像や映像を伴う遠隔診療が現実味を帯びます。災害発生時には、地上網が寸断されてもLEO衛星とHAPSを組み合わせたバックボーンが迅速に通信を復旧させ、救援活動や被害把握のスピードを劇的に高めます。プレスリリースが示す10Gbps級の双方向通信や、6U超小型衛星の活用、最大約2,000kmに及ぶLEO⇄HAPSの通信検証は、こうした社会的ニーズに直接応える技術的裏付けを目指すものです。 

さらに、リアルタイムな地球観測データの即時リレーは環境監視や気候変動対策に寄与します。衛星で取得した高解像度データを遅延なく地上に届けられれば、早期の意思決定や避難判断が可能になります。企業のDX観点でも、海運や農業、インフラ点検といった業務において、常時接続されたNTNを前提とした自動化やAI解析の導入が加速します。今回の連携で役割分担が明確になっている点も重要です。NICTは回線設計と地上局、清原光学は光学機器の開発・製造、アークエッジ・スペースは超小型衛星の設計・運用、ソフトバンクはHAPS統合とNTNと地上網の融合をい、技術実証から社会実装への道筋を描いています。成功すれば、地域活性化や防災、産業DXといった多領域での波及効果が期待されます。 

本実証は、通信インフラの“空間的拡張”を通じて社会課題解決のインフラを再定義する可能性を持ちます。成功すれば、地域のDXや災害対応能力を大きく底上げします。 

詳しくは「株式会社アークエッジ・スペース」の公式ページまで。 
レポート/DXマガジン編集部 

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 NTT×衛星×光無線、最大2,000km双方向通信で地域接続と災害対応を加速