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では、前章の通り、犬が人間のストレス臭が認識できると、具体的にはどのようなことが起きるのでしょうか。
犬にとって初めはその匂いが「ストレス臭」だとは分からないですが、その匂いがするときの飼い主の様子は、きっと観察していると思われます。
その際に、飼い主がネガティブな様子であったりイライラしてあまり犬にとって好ましくない様子だったりしていると、犬は最初に嗅いだストレス臭と、飼い主のそのようなネガティブな様子を結び付けて学習してしまうでしょう。
これは、犬に向けられた様子であろうと、犬に対して向けている者ではない様子であろうと同じことです。
この匂いがするときに飼い主の様子がいつもと違う、飼い主が嫌な顔をしている、ということを覚えてしまうと、犬にとってその匂いが「あまり好ましくないもの」として認識される可能性もあります。
だからといって、実際はストレスを感じているのに感じていないふりをしたところで、その臭いのせいで愛犬にはストレス臭であると判断されてしまうことでしょう。
結果として、愛犬のためにも、飼い主はできる限りストレスをためないように生活することが大切なのです。
研究の結果、犬は人間がストレスを感じているかどうかを匂いで判別することができ、そのストレス状態は犬に伝染していくようだ、ということが分かりました。
また、ストレスをためた人間の行動が、犬に「良くないもの」と学習される可能性も考えられます。
せっかく犬と一緒に生活をするのですから、お互いにストレスをため込むことなく幸せな気分で生活を送れるよう、人間側も気持ちを切り替えていきたいものですね。