はじめに
近年、キッズ向けの設備を充実させたホテルが増加中の台湾。国内需要を呼び起こすべく改装に至ったホテルが多いなか、新規オープン組はイチから企画できるアドバンテージを活かした大胆な設計、キッズ目線の空間づくりが魅力です。正真正銘のファミリーホテルを謳う、宜蘭・羅東の「雀客童媽吉親子旅館 MAGI Kids」は、その好例。設計からインテリアデザインまで、キッズファーストの発想のもとで造られていて、大人は安心、子どもたちは大喜びの休日が過ごせます。ファミリー層必見のホテルの登場です。
ひときわ目を引く外観は、宜蘭を象徴するモチーフを大胆にデザイン。
台湾鉄路の羅東火車站からほど近く、駅に降り立った時には、そのメルヘンチックな外観を遠目に確認できる「雀客童媽吉親子旅館」。全体の設計に参与したのは、フランスでデザインを学んだ李立夫氏。宜蘭地方で発展した林業の歴史、その舞台である太平山、蒸気機関車、羅東森林園区などからインスピレーションを得て造られたそう。なかでも特徴的なのは、2階部分の外壁に建物を囲むように走るレトロな機関車。カラフルなツリーハウスを積み重ねたような造形のインパクトも絶大です。このホテルは2021年9月に誕生し、今年の初めに、有名ホテルグループ・雀客CHECK innが管理を引き継ぎました。
コンセプチュアルなファミリーホテルで、忘れがたい思い出づくりを。
ブランドの理念は「互動interactive・歡樂joy・愛love」。0〜8歳児のいるファミリーのために企画されていて、ホテル名の「童媽吉」は、「童(子)」と「媽(母親)」で親子関係を表現。さらに、友好的な関係や親友を意味する「麻吉」と同音である「媽」と「吉」を組み合わせてネーミングされたそう。バカンスで訪れた子どもと父母たちが、ここで甘く温かな、忘れがたい親子の時間を過ごしてほしいという思いが込められています。
館内では、MAGIちゃんとMIちゃんがキッズの心に寄り添います。
おとぎ話の家のようなホテル、そこで滞在のお供をしてくれるのは、クマのキャラクター・MAGIちゃん&MIちゃんのファミリー。館内のいたるところで愛らしい姿を見せてくれます。5〜10階までは、エレベーターの扉が開くと同時に歓声を上がるキュートなイラストが。エレベーターホールのイラストは、各階ごとに異なっていて、MAGIちゃん&MIちゃんたちが羅東夜市、蘭陽博物館、宜蘭童玩節、伝統芸能センター、竹林車站、清水地熱谷といった人気観光地を案内してくれる趣向。SNS用の撮影にぴったりです。
優しい色調でまとめ、落ち着いた雰囲気の客室。心身が休まる環境です。
客室は、5タイプ全43室。童趣客房、童遊客房、童夢樹屋のスタンダードタイプ、童享套房、童媽吉家族套房のスイートルームがあり、広さは12坪以上、最大で37坪。いずれも家族4人が宿泊できるファミリー仕様で、ゆったりとした時間を過ごせます。温かみのある木目調の家具に、アースグリーンを効かせた爽やかなインテリアも好評です。
また、全室ともバルコニーつきで羅東エリアの景色が眺められるのも高得点。一部の客室からは、龜山島を拝むことも。悠然としたリゾート気分に浸れることでしょう。
抗アレルギー素材を取り入れるなど、安全面への配慮もいろいろ。
キッズを迎えるための配慮や工夫は至るところに。例えば、壁に使われるペンキは、無害かつエコロジーな製品を、カーペットはイギリスの抗アレルギー協会の認証を得ているFlotex社のハイブリッド床材を採用しています。すべてのキャビネットにはアーチ型の装飾があり、ベッドガードが必要な場合は事前に予約すれば準備してもらえます。ベッド周りは、五つ星ホテル御用達の高級商用寝具メーカー「Arcencie安珂絲」のアイテムをチョイス。羽毛製品は、IDFL国際羽毛検査機関の認証を得ています。
バスルームは、全室とも入浴しやすい埋め込み式のバスタブと温水洗浄便座を完備。童夢樹屋以上のランクの客室には、子ども用トイレ、お肌に優しいイタリアのALLEGRINIの地中海オリーブオイルシリーズのバスアメニティを用意。さらには、子ども用バススツール、バスローブ、歯ブラシやココアドリンクなど、快適なバスタイムのためのアイテムが多数。哺乳瓶消毒器などのベビー用品は、安心品質の製品を事前予約で借りることができます。
朝の栄養補給は、抜け感が心地よい館内レストランで。
宿泊するゲストは、翌朝には1階のレストラン「MAGI補給站」での朝食ビュッフェまたはセットメニューがいただけます。シェフが厳選した新鮮食材を使って作られる西洋&中華、各国料理の数々…手作り&出来立ての美味しさを存分に味わってください。
キッズ大興奮! プレイスペースには、50台の電動自動車がスタンバイ。
何より特筆すべきは、「MAGI放電区」と名付けられた2〜3階にあるプレイスペース。350坪もの広さを誇る室内遊戯施設で、遊具類はすべてドイツの認証機関TÜVの認証を受けたものを導入。圧巻なのは、ズラリと並べられた50台の電動自動車。さまざまな車種からお気に入りの一台を選んだら、120メートルの円形レーンを駆け抜けましょう。
二階建て相当の高さから滑り降りる、金属パイプ型の滑り台もスリリング。他にも、インタラクティブ・ブロジェクションでMAGIちゃん&MIちゃんと楽しめるボールプール、トランポリン、ツリーハウスなど、パパ&ママも一緒になって楽しめる施設が多数。
0〜2歳のベビー&キッズには、ハイハイ可能なプレイスペースを確保。ここでおままごとや積み木遊びをして楽しめます。また、12歳以上のキッズには、Switch、テーブルサッカー、エアホッケーなどが遊べるゲームコーナーを用意。その他、DIYクラス、スタンプラリー、季節のイベントなどの開催も。嬉しいことに、宿泊するゲストは、チェックイン前の13時30分から荷物を預けて「MAGI放電区」の利用が可能。また、11時のチェックアウト後は12時まで滞在できます。
おわりに
宜蘭は雨が多い地域ではありますが、心配は無用。「MAGI放電区」は、羅東エリア唯一の室内遊戯場であり、その設備はここで1日過ごせるほど。もちろん、天気が良い日は、付近にある林業園区、運動公園、文化工場などに繰り出すのも。夕方以降は、羅東夜市の散策がおすすめです。家族連れの宜蘭旅行は「雀客童媽吉親子旅館」を拠点にすれば、エキサイティングな親子の休日が過ごせること間違いなしです。
◆雀客童媽吉親子旅館 MAGI Kids
住所:宜蘭縣羅東鎮安平路16號
電話:+886-3-956-2788