“泊まれる立ち飲み”って？ 屋台カルチャーの発信地・福岡ならでは新発想

はじめに

カフェやバーなどを設けたプラスアルファの魅力を持つゲストハウスが増えるなか、立ち飲みスペースを設けたホステルが福岡にオープンしました。屋台文化のある福岡ならではの“立ち飲み”を通してコミュニケーションが楽しめるゲストハウスを紹介します。

文／秋武宏美

ありそうでなかった!? ホステル×立ち飲みのコラボ

2017年6月に福岡・大手門にオープンした「STAND BY ME（スタンドバイミー）」は、1Fが立ち飲み居酒屋、2･3Fが宿泊施設となったホステルです。宿泊スペースは、男女共用・女性専用ドミトリー、気兼ねなく会話を楽しめるコンパクトドミトリー、プライベートが保たれたトイレ付きの個室などさまざまなタイプの客室が揃い、1泊3,780円～とリーズナブル。各階の共有スペースには地元に所縁のあるクリエイターやアーティストの作品も展示されています。1Fで飲んで、そのまま2・3Fへ宿泊……なんてことが可能なんです。
3Fの男女共用ドミトリー
1Fの立ち飲みカウンター

立ち飲みで新しい出会いを楽しもう

「フレンドリーな立ち飲みスペースを持った“おせっかいホステル”」をコンセプトとする同店では、地元民も旅行者も初めて会った者同士が楽しくやりとりできる、ちょっとおせっかいな仕掛けを用意。そのひとつが立ち飲み居酒屋で木札を使ったシステムです。入口で木札（4枚1,000円）を購入し、おつまみやドリンクなどのメニューはすべて木札と交換。使い切れなかった木札は「おごっちゃーよ」と言って、隣の方や旅の若者へ渡すなどコミュニケーションのきっかけにしてくれればとのこと。

また、誰かと交流したい時、ゆっくり1人で飲みたい時など、その時の気持ちを伝える「おせっかいコースター」もぜひ活用を。「KANPAI!!」と書かれた表面は「1人にしないで」を意味し、「I LOVE SAKE!!」と書かれた裏面は「1人で飲みたい」という気分を表わします。もしコースターを表面にしている人を見かけたら、気軽に声をかけてみては。

多彩なメニューから福岡の魅力を発信

さて、メニューにも実はユニークな工夫がされています。福岡に所縁のある人物や店の名前をネーミングしたコラボメニューや、人気店のレシピを再現したものなど約30品を提供。メニューボードには「博多水炊きとり田の柚子胡椒ポテサラ」「ニ〇加屋長介で大人気の雲仙ハムカツ」など、福岡でおなじみの店名がズラリ。「福岡のいい場所、どこですか？」という質問におせっかいに応えるべく考えられたメニューです。ぜひ、明日の旅のプランに役立ててみませんか？

さらに「よなよなエール」などの生ビール、ハイボールやワインなどドリンクも充実しています。写真は、木札4枚（1,000円）で注文できるメニューの一例。基本1杯または1品に木札1枚（250円）という驚きの安さ！ 8月からは待望の昼飲み営業が始まり、昼間から“ちょい飲み”を楽しむこともできます。

唐揚げ食べ放題のランチにも注目！

ホステルと立ち飲みが融合した同店は、食事のみ、宿泊のみの利用もOK。なかでも、ランチタイムの「唐揚げ定食」（木札3枚・750円）が評判です。福岡の人気店「海鮮丼 日の出」のレシピで作られた唐揚げが、個数制限なしでオーダー可能！ 注文時に好きな数だけ注文することができ、なかには20個以上オーダーする強者もいるとか。お残しは厳禁、持ち帰り不可なのであしからず。

ゲストハウスとして旅をサポートするほか、“立ち飲み”という人と人をつなぐ場も提供している同店。立ち飲みから生まれる交流や情報交換が、福岡での滞在をもっと楽しく有意義なものにしてくれそうです。


◆STAND BY ME（スタンドバイミー）
住所：福岡県福岡市中央区大手門1-3-22
時間：朝食7:00～10:00、ちょい飲み11:30～17:00（ランチ～15:00）、立ち飲み17:00～24:00
電話番号：092-791-1974