はじめに
1日を通して外食の頻度が高い台湾ですが、コロナ禍を経て自炊する機会が増えた家庭も多く、健康的な食への意識も高まりを見せています。高級輸入食材を扱うスーパー「美福食集」は、素材にこだわる食通たちで今日も大賑わい。有名レストラン「吾家可歸餐酒館」の小建シェフがその魅力をレポートします。
母体は食肉輸入のパイオニア。良質な肉を求めるなら、迷わずここへ。
一般的なスーパーとは一線を画す「美福食集」は、食肉輸入の草分けであるメイフル・グループが手がける輸入食材店。10年前のオープン以来、最高級の生鮮食品を販売しています。場所は台北中心地の東に位置する内湖。クラシカルでゴージャスな外観の建物の1階には、「美福食集」の売り場のほかに、ヌードルショップ「美福熟成21牛肉麺」、2階には有名な西洋レストラン「Fresh & Aged」があります。広々としたレイアウトの売り場は、あれこれ見て回るのに快適。特筆すべきは、台湾唯一の、とある店内施設です。

台湾唯一の設備に驚嘆。シェフの眼差しの先にあるのは…?
「スーパー内に本格的な牛肉熟成室が設置されているなんて…すごい!」。そう驚くのは、有名レストラン激戦地の東区にあるビストロ「吾家可歸餐酒館」で4年余り厨房を仕切ってきた小建シェフ。料理人のキャリア10数年のイタリアンのシェフが入店早々に衝撃を受けたのは、温度と湿度をコントロールする熟成室が店内にあることでした。

高級レストラン&ホテル御用達のハイレベルなお肉がズラリ。
メイフル・グループは、日本の神戸肉のゴールドライセンスを初めて獲得したメーカーで、日本神戸肉流通推進協会の指定登録店。それゆえ、台湾の人々は、神戸、宮崎、飛騨牛などのA5級和牛を出国せずとも味わうことができます。また、オーストリアのウエストホルム和牛牧場のプレミアム和牛は、最高品種の牛のなかでも、バランス良くサシの入った最高の部位を厳選して提供。また、アメリカ牛の有名ブランド「SRF極黒和牛」の牧場から直送されてくる肉は、日本の昔ながらの飼育法で、天然穀物を与え、一般的なアメリカ牛の飼育期間の約4倍となる20か月かけて育てたもの。ホルモン剤や赤身を増やすクレンブテロールは、一切使用していません。牛肉本来の香り、黒毛和牛ならではの柔らかくジューシーな肉質が特徴で、バターナイフで易々と切れることから“バターナイフ・ビーフ”と呼ばれているそう。豚肉で有名ブランドといえば、スペインのイベリコ豚。トップブランドのブラスケスは、オークの実を食べさせて育てていて、産出量が少ない希少肉。サシがまんべんなく入り、脂身も程よく、香り良い肉質で、高級レストランやホテル御用達のイベリコ豚もここにあります。

肉類以外の食材&調味料も高品質。他にはない品揃え。


人気ビストロのシェフが素材の持ち味を活かした簡単レシピをレクチャー!


イベリコ豚の骨付きロースは、季節感あるキノコのソースで。
牛肉が食べられない人には、スペイン特級イベリコ豚の“フレンチ風ロースステーキ”をおすすめ。シェフが選んだのは、豚の背の中心にある骨付きロース。程良い脂身があり、形も扱いやすく、ステーキやグリル料理に向いているそう。まず、肉に岩塩と胡椒を振り、しばらくおいて下味がついたら焼いていきます。火が通ったら肉を取り出し、マッシュルーム、しいたけ、ポルチーニ茸を各少々と生クリームを入れて炒めます。そこへ肉を戻し、弱火でソースをなじませたら出来上がり。生野菜を添えると、よりさっぱりといただけます。スペインイベリコ豚は、筋切りせずとも柔らかく、それでいて身はしっかりとしていて歯応えがあり、甘みも十分。シンプルなレシピでおいしくいただけます。おわりに
小建シェフは「美福食集」を訪れたことで、新メニュー開発へのインスピレーションをたくさん得た様子。そして彼は、皆さんにも一度見て回ることを推奨。驚きの味わいと出合い、料理の無限の楽しみを体験できることを願っています。◆美福食集
台北内湖門市
住所:台湾台北市内湖區民善街128號
電話:+886-2-2794-6889