はじめに
「リモート会議」や「オンライン飲み会」といった新たな交流の仕方とともに急速に普及しているオンラインイベント。スマホで気軽に体験できるものから、専用のツールを用いて参加者と交流するディープなものまで内容は多種多彩。その代表的なものを段階別にご紹介。自分のネットレベルや興味に合ったものを見つけて参加してみましょう。
Text:江口和孝
オンライン=イベント参加の選択肢のひとつに
ひと言でオンラインイベントといってもその内容やジャンルはさまざま。「オンラインイベント」と検索するだけで、ネット上には星の数ほどのオンラインイベントがヒットします。ツールもイベントの数も増えた今、リアルイベントとは異なる体験のひとつとして、今後も定着することが考えられます。実際に目で見て聞いて、出会えて、自分の手で触れて体験できることに越したことはありませんが、オンラインにはオンラインならではの手軽さや、メリットがたくさん。それぞれの特徴とともに、おすすめのイベントをご紹介します。
初級編:YouTube、Instagramなどのライブ配信
最も身近で間口が広く、参加しやすいのが、YouTubeやInstagramを使った無料のライブ配信です。近年では、芸能人や有名人が続々と公式チャンネルやアカウントを開設し、ライブ配信も随時行っています。その内容も深夜のまったりトークをはじめ、ゲーム実況、フィットネス・ヨガのレッスンなどさまざまです。
コミュニケーションは主にチャット機能で配信者に向けてメッセージを送ります。画面越しからコメントに反応してくれるかも!? 外出自粛が求められる今だからこそ、家にいながら全国各地の観光スポットや祭りが楽しめるライブ中継などもあります。
【1】主な特徴
・基本無料
・スマホでも参加可能
・主な交流方法はチャットで、音声によるやり取りもないので、Webカメラやマイクは必要なし
【2】おすすめイベント
・アラサー健康ちゃんねる
https://www.youtube.com/channel/UCw7HTQv0F4CB9zGRhqosYsg
登録者数が100万人を超える人気チャンネル。竹脇まりなさんによる、マンションでもできる痩せるダンスを中心に動画を配信。芸能人にもファンが多く、ポルノグラフィティとのコラボ動画も話題に。生配信ライブ「まり友会」も随時開催している。
・オンライン愛染まつり
https://www.aizenmatsuri.osaka/
期間:2020年6月30日(火)、7月1日(水)、7月2日(木) 10:00~17:00
天神祭、住吉夏祭りと並んで大阪三大夏祭りのひとつと言われる「愛染まつり」。3日間に渡る夏祭りをライブ配信するのは史上初。秘仏・愛染明王や大日大勝金剛尊のご開帳をはじめ、護摩祈祷、だんじり囃子 瀧踊りなどが楽しめる。
中級編:有料のライブ配信
無料ライブ配信でもオンラインの楽しさを感じることはできますが、それでも全体のごく一部。慣れてきたら、今度は有料イベントに参加してみましょう。主なジャンルは音楽ライブ、演劇、舞台、ワークショップ、セミナーなどがあります。
料金はイベントによってワンコインから数千円と幅広く、有料なだけあって充実した内容やバリューが期待できます。まだWebカメラやマイクを使ったコミュニケーションが不安なら、マイクのみや全く使わずにチャットだけで参加できるイベントも。
イベントによってはZoomなどのオンラインコミニュケーションツールを使いますが、既存の動画配信サービスやストリーミングサービスを使って視聴するものもあります。
【1】主な特徴
・基本的に有料
・Webカメラやマイクがなくても楽しめる
・しっかりと作り込んだ内容のものが楽しめる
・スマホでも参加可能だがパソコン推奨
・Zoomなどのツールを使うことがあるので、ある程度の知識が必要
【2】おすすめイベント
・サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin’ ~皆さん、ありがとうございます!!~」
https://2020live625.southernallstars.jp/
開催日:2020年6月25日(木) 20:00~
価格:3,600円(税込)
※各配信メディアにてチケット発売中
音楽の聖地・横浜アリーナから無観客の特別ライブを国民的バンド・サザンオールスターズが開催。8つのライブ配信メディアにて一斉同時配信を予定。
・まいまい京都
https://www.maimai-kyoto.jp/
価格:2,000円~
Zoom、Vimeoなどを使って参加できる、京都各地を巡るオンラインミニツアー。ガイドは京都の地元住民が行うのでディープな京都探訪を楽しむことができる。
上級編:Webカメラなどを使った双方向型イベント
初級・中級を経てオンラインに慣れてきたら、いよいよWebカメラ、マイクを活用したイベントに挑戦してみましょう。
双方向を活用したイベントは話題のオンライン飲み会をはじめ、「人狼ゲーム」や謎解きなどが楽しめるエンターテインメント、趣味や学びを深めるセミナーやレッスン、旅行気分で遠くの土地を巡るオンラインツアーなどがあります。
画面を通じて行う見知らぬ人との双方向型コミュニケーションは、最初は緊張するかもしれませんが、オンラインイベントの醍醐味でもあります。
【1】主な特徴
・基本的に有料
・パソコン推奨
・Zoomなどのツールを使うことがあるので、ある程度使い方の知識が必要
・双方向性を重視した内容なのでWebカメラ、マイクなどが必須(顔を出さずに参加できるものもあり)
・しっかりと作り込んだ内容のものが楽しめる
【2】おすすめイベント
・あうたび
https://autabi.com/
価格:ツアー内容による
「人に会うこと」をテーマに多彩なオンラインツアーを揃えています。ツアー参加費は無料ですが、現地の生産者や観光地の支援として、特産品の詰め合わせを数千円~1万円程度購入してもらうことで参加可能。各回50人程度でZoomを使ってスポットを巡り、現地の人と触れ合える。
・LINXASオンライントレーニング
https://online.linxas.jp/#strengh
価格:6,600円~
自宅にいながら、パーソナルトレーニングが受けられるオンラインフィットネスサービス。パーソナルトレーニングに加えて動画自主トレ、栄養サポートも行い、3カ月間のコースを通じて、ダイエットや姿勢改善、健康増進など理想の身体作りが目指せる。トレーニングツールがなくても入会特典としてトレーニングツールが自宅に送られるのが嬉しいポイント。
オンラインイベントをより楽しむために
自粛生活によって自宅で楽しめるサービスが求められるようになったことで急速に広まったオンラインイベント。初級から上級まで、それぞれにメリットがあるのと同時に、ツールを使いこなす知識や、オンラインならではのコミニュケーションスキルも必要になってきます。
たとえば無料で気軽に視聴できるYouTubeのライブ配信は、アーカイブなどを利用すれば、いつでも好きなときに利用できますが、一方通行ゆえに、自分が求める内容にぴったりの配信を見つける能力が求められます。
上級編にあるような双方向型のイベントの場合、表情、話し方、チャットと音声の使い分けなど、意外と繊細なコミュニケーションが必要です。特にWebカメラやマイクを使う場合は画面の向こうに他人がいることを十分に意識して、下記のようなことに気を付けてみてください。
・部屋の内装や身なりを整える
・自分が話すとき以外はマイクをミュートにする
・一人で利用するときは、スピーカー付きイヤホンやヘッドセットがベター
・話すときはゆっくり、はっきりと
・Webカメラを使うときは表情が分かりやすいよう明るい場所で。逆光はNG
・画角は肩が見える程度に。表情が読めなくなるので離れすぎたり近づきすぎたりしない
・声での相槌ができないぶん、頷く、などのリアクションはオーバーに
とはいえ、まだまだ運営側も初めての試みとしているところがほとんどです。「こうすると聞き取りやすいですよ」「質問があればチャットに残しておくといいですよ」など、オンライン上で教え合うこともしばしば。遠く離れている人、オフラインでは出会えなかったであろうイベントや人と接点を持つことができるのもオンラインの魅力のひとつです。堅苦しく考えずに、まずは積極的に参加してみてください。