東京/成田〜アブダビ線のエティハド航空EY871便に搭乗したのでレポート。
チェックインカウンターは成田空港第1ターミナルで一番遠い「J」カウンター。この日の乗客は少ないながらも多く並んでいたので、インターネットチェックインは必須。エティハド・ゲストの上級会員は優先レーンで案内されていたので、待ち時間は少ない。この日もエティハド航空は定刻の午後9時20分から10分早発で案内。機材は昼過ぎに到着して折り返すので、大抵はカタール航空とともに、早発組の常連となっている。エアベルリンなどのエティハドエアウェイズ・パートナーズの各社と全日空(ANA)との共同運航(コードシェア)便で、チェックイン業務はANAグループで行っている。
機材はエアバスA340-600型機と大型の機材。エコノミークラスは「2-4-2」配列となっている。この日はほとんどが外国人の利用で、出発時刻の30分ほど前というかなり早い段階で搭乗が完了していた。
エティハド・ゲストの上級会員は提携するANAラウンジの利用が可能。エティハドエアウェイズパートナーのエア・ベルリン上級会員は提携ラウンジの利用はできないとのことだったので、近くで仕事をしながらギリギリまで過ごす。この時間になるとフライトも少ないので、電源を確保するのも楽で助かる。
筆者はオンラインチェックインの段階でガラガラだとわかっていたので、真ん中の4席部分を選択していた。チェックインカウンターでは、「今日は乗客が少ないのでブロックしておきます。」と言われ、快適なフライトが保証された。長距離線の夜行便だと、4席ゲットができるか、できないかでその後の疲れ方が違う。
機内食のメニュー、中東の航空会社ならお馴染みのエコノミークラスのアメニティキットはヘッドフォンと同梱されて配布される。ヘッドフォンは重厚なしっかりとしたものだった。筆者はBOSE製のノイズキャンセリングイヤホンを使っているので使わなかったので音質までは不明。
アブダビ以遠の昼行便ではヘッドフォンだけだったので、夜行便でのみアメニティキットが配布されているようだ。「Sleep tight(ぐっすり寝て)」と書かれた巾着袋に、歯ブラシ、靴下、アイマスク、耳栓の4点が入っている。アイマスクは「Do not disturb(起こさないで)」「Wake up to eat(食事の時起こして)」が表と裏に書かれており、必要に応じて使い分けができる。筆者はアイマスクを使っていなかったので朝食時に起こされた。
枕は真ん中から首にフィットするように裂けるタイプだった。筆者は4席分の枕をまとめたあと、好みの高さにして使った。中身は思いの外にスカスカなので、3つ分合わせてちょうどいいくらい。
機内食は和食と洋食の2種類。離陸後すぐと着陸の2時間〜1時間半ほど前の2回配布される。エコノミークラス最前方から配布しており、最後尾は結構待つことになるので、早く寝たいという場合は前方に着席すると良さそう。いずれも東京/成田発はティーエフケーが製造しているようで、全てハラール対応しているほか、ベジタリアン向けのオススメもメニューに記載してあった。
ちなみに1食目は和食は鰆の揚げ物、洋食はペンネパスタ、チキンサルーナのメイン3種類から選択。筆者は和食をチョイスしたが、日本積み込みということで味付けがとても良く、完食した。揚げ物には餡がかかっており、時間が経ってしまった揚げ物のベチャッとした脂っこい感じがないのも良かった。
1食目の和食が期待を裏切る(といっても、エコノミークラスの機内食に期待はしていないのだが)美味しさだったので、2食目も和食を選択。シーフード入り玉子粥ということで、自分がお粥嫌いということを寝ぼけていたのか忘れて注文。
中華丼程度の柔らかさでお粥嫌いでも難なく食べられたのは良かったのだが、豆腐の味噌汁のお湯は「後で持ってくる」と言ったきり、持ってくることはなかった。機体後方の人は全員、どうして良いかわからないまま、誰も何も言わず、固形のままそっと蓋を閉じて返すというシュールな光景が繰り広げられていた。
ところで、特筆すべきはソフトドリンクの品揃え。コーヒーや紅茶のみという航空会社は多いものの、エティハド航空ではドリップコーヒー、ディカフェネイテッドコーヒー(カフェインレスコーヒー)、カプチーノ、ホットチョコレート、ディルマ社の紅茶各種(イングリッシュ・ブレックファースト、緑茶、レモン&ライム、カモミール)を取り揃えている。ちなみにホットチョコレートはミロだった。インスタントながらも選択肢が多いのはうれしい。もちろん、赤白ワインや日本酒、ウォッカ、ウイスキーなども無料で提供している。
機内エンターテインメントシステム「E-BOX」は、日本語のエンターテイメントは極端に少ないのであまり期待しないほうがいい。「E-BOX」にあったBON JOVIをエンドレスで聞きながら寝ることに徹した。復路は予めアブダビ国際空港でGooglePlayに映画をダウンロードして楽しむことにした。非日系の1日2便しか日本に飛んでいない航空会社に日本語のエンターテイメントを増やせというのも酷な話。何事も安いのだから文句を言ってはいけない。格安航空会社(LCC)を利用する際もそうだが、乗客側が順応する能力も必要だと思う。
ところで、日本語の番組はあるにはあった。しかし、なぜその番組を数少ない放映番組に選んでしまったのかは謎だ。特に「ガッチャンコ・ジャーニー 北海道編/タイーバンコク」というのが全く意味わからなかったが、HBC北海道放送のバラエティ番組「ガッチャンコ・ジャーニー」のタイ編だった。日本からわざわざアブダビ経由でタイに行く人なんて、まずいないはずだ。
シートポケットにはお決まりの通称ゲロ袋、免税品の冊子、安全のしおりなどが入っていた。特筆すべきものはなく、日本語のものは当然はない。
機内ではTモバイルのWi-Fiが有料で利用できた。夜行便で仕事の連絡もないだろうし、必要なものは事前にダウンロードしてきたので使わずに過ごした。
東シナ海、上海、中国大陸、ダッカの南、ムンバイの北を経由するルートだった。所々蛇行していたが、時折強い揺れがあったため、回避したのだと思う。
中東系航空会社御三家の中でも最も安いエティハド航空、恐ろしく安い運賃の航空会社未定乗継便は大抵エティハド航空であることが多く、最初から見込んで予約するのも手。筆者は予約画面の税金欄から推測して予約している。激安運賃でもほとんど予約クラスで、全日空(ANA)のマイレージも50%付くのは長距離線だけに嬉しい。ところで、ちゃんとマイル付いたのかって?、アブダビ以遠がまだ付かず、事後登録申請をしたところ「ご搭乗が確認できません」ということ…。
中東経由は時間があってお金がない旅行者にとってはベストな選択肢だろう。筆者は閑散期の平日、つまりガラガラ便を選んで予約するに限るな、と思った次第である。
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