日産自動車が大多喜町（千葉県）と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結。災害による停電時は「日産リーフ」を無償貸与

3月23日、日産自動車ならびに千葉日産自動車、日産プリンス千葉販売、日産サティオ千葉は、大多喜町（千葉県夷隅郡）と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。

日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては全国で92件目。EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては121件目の取り組み

この協定の内容は、大多喜町が『電気自動車（EV）の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、町が指定する避難所等において、日産の販売会社である千葉日産自動車および日産プリンス千葉、日産サティオ千葉より貸与される電気自動車「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、町民の安全確保に努める』というもの。




大多喜町では未曾有の災害をもたらした東日本大震災や、令和元年に発生した房総半島台風により県内に受けた甚大な被害などの経験を教訓に、地域防災力の向上に努めている。また、養老渓谷や麻綿原高原などの緑と水などの豊かな自然を守るため、環境保全活動にも積極的だ。その他、観光・地域活性化を目的に、超小型電気自動車「日産ニューモビリティコンセプト」を2台導入しており、環境に優しいゼロ・エミッションのモビリティとして町内の観光等に活用している。




一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。




また、令和元年房総半島台風による長期停電時に、日産自動車は約50台の「日産リーフ」を千葉県内の自治体に提供。高齢者福祉施設や保育園での扇風機や冷蔵庫などの電力源として活用してもらっている。

このような活動支援を含む、日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、大多喜町が推進する環境・防災対策と、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。

【協定の概要】


・大多喜町で災害を起因とする停電が発生した際、町が指定する避難所に、千葉日産自動車、日産プリンス千葉、日産サティオ千葉の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。


・大多喜町、日産自動車、千葉日産自動車、日産プリンス千葉、日産サティオ千葉の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、町民の生命および身体の安全を守る。


・大多喜町および日産自動車、千葉日産自動車、日産プリンス千葉、日産サティオ千葉は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、町のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を町民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。

災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

大多喜町では、公用車として「日産リーフ」を導入しており、その他、EVから電気を取り出す可搬型給電器や充電器の設置など、EV普及に向けた取り組みを進めている。また、今後もさらなるEV普及・促進の取り組みを推進し、環境・防災力向上に努めていく。




日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション（排出ガスゼロ）」「ゼロ・フェイタリティ（交通事故による死亡・重傷者数ゼロ）」に取り組んでいる。また、政府の推進する「2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、2030年代早期より、主要市場で投入する新型車をすべて電気自動車などの電動車両とすることを目指し、電動化と生産技術革新を推進しながら、新たな目標に向けて取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車（EV）というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。




今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」の活動に基づくもので、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で92件目となる。また、電気自動車を活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動全体の取り組みとしては121件目を数える。




大多喜町と日産自動車はこの協定締結を機に、今後も環境および防災対策を強化し、電気自動車を活用した環境に優しく災害に強いまちづくりを推進していく。そして電気自動車の普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現に向けて、さらに連携を強化していく構えだ。