三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表執行役CEO:加藤 隆雄、以下三菱自動車)はクロスオーバーSUV『アウトランダー』をフルモデルチェンジし、本年4月より米国、カナダ、プエルトリコで発売すると発表した。
『アウトランダー』は、グローバルに展開するクロスオーバーSUVでこれまで累計約260万台が販売されてきた。北米では2002年に三菱自動車初のクロスオーバーSUVとして投入し、SUVとしての実用性と機動力、そして環境性能と経済性で3世代にわたって好評を博してきた。
4世代目となる今回の新型『アウトランダー』は、以下の3点を特長として全方位で大きく進化させている。
三菱自動車 CEO 加藤隆雄氏コメント
「新型『アウトランダー』は「威風堂々」を商品コンセプトとし、スタイリング、走行性能、上質感を大幅に進化させ、行動範囲を広げたい、さまざまなことに挑戦したいというお客様の想いに応える頼もしいSUVに仕上げました。この新型『アウトランダー』の投入により、まずは北米市場の販売を活性化させ、グローバルでの成長軌道に繋げていきたいと思います」
力強く存在感のあるスタイリング
デザインコンセプトに「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」を掲げ、ドライバーが自信をもって新しい一歩を踏み出せる力強さや頼もしさを全身で表現している。パッケージから大きく見直し、フロントからリヤへと伸びる水平基調で力強くスタンスの良いプロポーションや、張りのある豊かな面とエッジの効いたシャープなキャラクターラインのコントラスト、大径20インチタイヤとワイドボディを強調する張り出したフェンダーにより、堂々とした佇まい、そして存在感と安定感を実現している。
フロントでは、力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現した「ダイナミックシールド」を次世代化し、SUVとしての力強さをいちだんと高めた。デイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状として上部に配置し、対向車や歩行者からの被視認性を向上。また、ヘッドライトはその下のバンパーサイドに配置することで、より路面を明るく照らすとともにワイドボディを強調している。
リヤでは、一つの面から切り出したようなシャープな六角形のテールゲートは、タイヤを背負った『パジェロ』伝統のリヤスタイルからインスピレーションを受けた個性的で洗練された造形で、上部は安定感、下部はSUVらしい機動性の高さを表現している。また、水平基調のTシェイプテールランプはワイドなイメージで安定感を更に強調している。
ボディカラーでは、三菱自動車独自の高輝度塗装であるダイヤモンドシリーズとして、レッドダイヤモンド、ホワイトダイヤモンドに続く第3弾となるブラックダイヤモンドを新たに設定。3コートの特別なカラーで、ガラスを使った密度の高い光る層を追加することで、光の当たらないところでは漆黒、光が当たると力強い輝きを放つ。これらにベーシックな6色を加えた全9色のボディカラー展開としている。
安心・安全な走行性能
新開発プラットフォームの採用により、衝突安全性を大幅に高め、高次元の操縦安定性を実現した。キャビン周りには三菱自動車初のホットスタンプ式超高張力鋼板を採用し、変形の少ない高耐力キャビン構造としながら軽量化を実現している。また、エンジンルーム及びキャビン周りには連続した環状構造を採用し、従来車よりボディの曲げ、及びねじり剛性を大幅に向上した。マルチリンク式のサスペンション、及びデュアルピニオン式の電動パワーステアリングの採用などにより、上質な乗り心地でありながら、リニアでダイレクト感のある操縦性を実現。直進安定性はもちろんコーナリング時のトレース性も大きく向上し、運転する楽しさを提供する。
2.5ℓガソリンエンジンを新開発し、従来車に対して最高出力で約8.9%、燃料消費率(WLTCモード)で約2.6%向上した。低中回転域はトルクフルで力強く高回転域ではなだらかで扱いやすいため、街乗りからスポーツドライブまで幅広く対応する。トランスミッションは8速スポーツモードCVTを搭載した。加速時は多段A/Tのようなメリハリのある変速を行うステップシフト制御を採用し、アクセルを強く踏み込んだときは力強く俊敏な加速フィーリングが得られる。クルージング時にはCVTの特長を活かした静かで滑らかな走りを実現した。
4WD車では前後トルク配分を行うセンターカップリングのデバイスに、電動モーターによる油圧クラッチを取り入れた電子制御4WDを採用した。停車中から前輪と後輪を強く拘束できるため、走り出しの瞬間から後輪駆動力が発生し、4WDらしい力強さを体感できる。特に凍結路面での坂道発進といったシビアコンディションで、より威力を発揮する。
4WD車では、さらに進化した車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載した。ブレーキ制御「ブレーキAYC」を後輪にも採用することで、前後輪の分散制御に発展させている。ハンドル角、ヨーレイト、駆動トルク、ブレーキ圧、車輪速などをセンサーで検知し、ドライバーの操作と車両の状態を常に正確に把握。旋回時には「ブレーキAYC」が前後左右輪の駆動力/制動力差を最適化することで、タイヤのグリップ能力をさらに引き出し、ドライバーの意のままの操縦性を実現している。また、2WD車にも前後輪の分散制御に発展させた「ブレーキAYC」を取り入れ、「ASC」「ABS」と統合制御し、さまざまな路面で走行安定性を実現した。
様々な運転スタイルと走行シーンに最適化された車両運動特性を選べるドライブモードを採用した。4WD車には6モード、2WD車には5モードを設定。フロアコンソール上のモードセレクターにより、道路の状態で選べるドライブモード、運転スタイルで選べる「ECO」が選択できる。ドライブモードでは、通常使用するモード「NORMAL」、舗装路でスポーティに走れる「TARMAC」、未舗装路で高いトラクション性能と安定性を発揮する「GRAVEL」、雪道などの滑りやすい路面に適した「SNOW」、ぬかるんだ道や深雪などで走破性を高める「MUD」を設定した。ドライブモードは4WD車の高い走破性を引き出すことはもちろん、2WD車でも、いざというときのポテンシャルを高めて、運転時の安心感や信頼感を向上させる。モード選択時にはメーター内に走行シーンがイメージできる画像を表示し、直感的にモード選択ができる。
上質な室内空間
インテリアでは、力強い水平基調のインストルメントパネルは、広々としたゆとりある印象を与えながら、車体姿勢の変化をつかみやすくなる機能性を併せ持っている。また上部には触感の良いレザー巻きのソフトパッドを採用、さらにステッチをあしらうことで質感の向上を追求した。ドアパネルには、広い面積にドアインサートを配し、インストルメントパネルやフロアコンソールサイドと同様のソフトパッドを採用し、上質で居心地の良い空間を目指した。
インテリアのカラーバリエーションは、Pグレードにはシックなブラックと開放感あるライトグレーの本革シートを設定。インストルメントパネルとドアトリムも同色とし、アルミニウムの加飾をシフトパネルに採用している。また、サドルタンのアクセントカラーも用意し、シートには上級本革(セミアニリン)を使用したオプションカラーも設定している。Hグレードにはスエード調コンビネーション素材のブラックシートとピアノブラックの内装を、Mグレードにはファブリック素材のブラックとライトグレーのシートとピアノブラックの内装をそれぞれ設定している。
フロントシートは2層ウレタン構造として、座った瞬間の掛け心地の良さと、長時間座っていても疲れにくい快適なシートを実現した。車体を幅方向に拡大し、また1、2列目のシート足元スペースを拡大しているため、ゆとりある居住空間を演出し、快適性を高めている。さらに、シートヒーターや3ZoneAutoエアコン、リアドアガラスサンシェードなどファミリーSUVとして後席でも快適に過ごせる機能をグレード別装備として用意した。
メーターはグレード別に2種類の設定とした。三菱自動車初の全画面のフルカラー液晶(12.3インチサイズ)を搭載したメーター「フルデジタルドライバーディスプレイ」は、鮮明な画像と大画面により、多彩なコンテンツ表示でもすっきりとした見やすさを実現。様々な情報を自由に組み合わせて表示できるカスタマイズ機能も搭載している。もうひとつのハイコントラストメーターは、中央のインフォメーションディスプレイに簡易的な矢印ナビなどの表示が可能で、7インチ液晶を搭載しながらも、アナログ表示による高い視認性の利点を活かしつつ、立体的な文字盤と加飾付き指針により高級感を演出している。
センターディスプレイにはグレード別装備として9インチの大画面を採用したスマートフォン連携ナビゲーションを設定した。内蔵地図と連携したナビゲーション機能で高精度なルート案内をスムーズに提供する。画面下に常時表示されるランチメニューのアイコンをワンタッチするだけで、ナビやオーディオなど様々な機能が簡単にセレクトできる。またAndroidスマートフォンやiPhoneをつなげることで、Android AutoやApple CarPlayのアプリケーション機能を楽しむことができる。最新の交通情報の取得やソフトの更新がオンラインで可能になる機能にも順次対応予定だ。
目線移動が少なく、安全により早く走行情報を認識できるよう、三菱自動車初のウインドシールドタイプの10.8インチヘッドアップディスプレイ[HUD]を搭載し、運転に必要な情報をフルカラーで投写する。このHUDはマニュアルでオンオフが選べ、表示コンテンツのカスタマイズも可能。表示内容は、走行情報や車線逸脱などの各種警報のほか、センターディスプレイと連携したナビ情報やオーディオ楽曲情報などを投写し、これらの情報を複数同時に表示することができる。
スピーカーには、BOSEプレミアムサウンドシステムを採用。10個のスピーカーで構成したサウンドシステムを搭載した。大型ドアウーハーとデュアルサブウーハーを組み合わせることで、迫力ある重低音の再現性に優れ、臨場感のあるクオリティの高いサウンドを実現している。
格納式3列シートを搭載する7人乗りファミリーSUVとして乗車人数や荷物に合わせて多彩なシートアレンジが可能。可倒式のセカンドシートはスライド及びリクライニング機能はもちろん4:2:4分割タイプとし、スキーなどの長物積載時も大人2人がゆったり過ごせる。
フロアコンソールトレイ、フロアコンソールサイドポケット、運転席シートバックポケット、クォータートリムポケットにスマートフォンの収納スペースを設置した。フロアコンソールトレイには、スマートフォンを置くだけで充電できるワイヤレス充電機能(15W)を設定。充電用のUSBポートもType-C/Aの2つをフロアコンソール前面と背面にそれぞれ装備した。
先進安全機能
高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイ・パイロット)」を搭載。レーダークルーズコントロールシステム[ACC]とレーンキープアシスト[LKA]を統合した制御で、 車間距離と車線中央をキープしながらの走行をサポート。さらにナビリンク機能搭載車は、速度標識を読み取って設定速度を自動で切り換えたり、ナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に自動で調整したりすることが可能だ。また高速道路では、渋滞時でも停車後約30秒以内なら自動発進でき、走行中の煩わしい設定操作を低減する。
運転席にフロントセンターエアバッグ、セカンドシートにサイドエアバッグを全車標準設定し、計11個のエアバッグを装備した。フロントセンターエアバッグは、側面衝突時に運転席と助手席の間で展開し、乗員同士の衝突を防止する。
カーライフをもっと快適に、安心してドライブを楽しむためのカーサポートシステムとして、「三菱コネクト」を搭載。ドライバーの安全を守るために、事故や故障時にボタンひとつでコールセンターへの救助依頼が可能で、エアバッグが展開した場合は自動的に通報する。さらに、車両の盗難警報や盗難にあった車両の位置情報を取得してユーザーに通報するなど、様々なアクシデントに対応している。
また、スマートフォンを使い、車両を駐車した位置を表示させることや、ライトを点滅させて自車位置の確認ができる。リモート操作では、乗車前にエンジンを始動させて空調を作動させておくことで、寒い冬や暑い夏でも快適な室内を準備しておくことや、離れた場所からドアロックの解除ができるなど便利な機能を充実。さらに車両が設定した時間外に運転された場合、設定したスピードの超過や設定エリア外を走行した場合などに通知を受けることができ、家族の運転管理を行うことができる。