スポーツカーはどんな時もクルマ好きの憧れだ。子どもの頃にいつか乗りたいと誓ったクルマ、テレビで見てかっこいいと思ったクルマ、自分が運転するところを妄想したクルマ、クルマ好きにはそんな思い出がたくさんあるのではないだろうか。今回の「モーターファンおすすめ中古車」では、そんなクルマ好きに贈る200万円以内で買えるおすすめスポーツカーを5選紹介する。
現在のスポーツカーはどれも車両価格が高く、新車ではなかなか簡単に購入できなくなった。だが、中古車となれば別。昔憧れて、いつか自分のものにしたいと思ったモデルも案外200万円以内で安く購入できてしまうのだ。今回はそんな中古価格200万円以内で魅力な、運転が楽しいスポーツカーを5選紹介する。ぜひ自分に合う一台を見つけていただきたい。
トヨタ86(前期型)/スバルBRZ(前期型)日本を代表するピュアスポーツカーと言えばこの2台!
今回紹介するトヨタ86、スバルBRZは、2012年に発売された水平対向エンジンFRレイアウトのスポーツカーだ。トヨタとスバルが共同開発したクルマで、86はドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる“手の内感”や操る楽しさを体感できる、『直感ハンドリングFR』をコンセプトに、BRZは「Pure Handling Delight ー 新しい次元の運転する愉しさ」をコンセプトに開発された。
パワーユニットをフロントミッドシップに搭載。水平対向エンジン・超低重心(重心高460mm)FRパッケージを採用することにより、ほかのスポーツカーとは別次元の走りの楽しさを追求した。また、新開発の水平対向・FA20型は、最高出力200psを発揮する。自然吸気らしく高回転まで気持ちよく吹けあがり、「走りの愉しさ」を充分に感じられるエンジンだ。トランスミッションは6ATと6MTが設定されるが、NA特有の気持ち良い加速を味わいたいなら後者がおすすめだ。
平均中古価格が200万円という予算内に収まるのは前期モデルとなる。86の前期モデルが約200万円、BRZの前期モデルは約178万円だ。平均中古価格はBRZの方が安いが、タマ数は86の方が多いため選択肢の幅は広がる。
たとえば86だと「86 2.0GT 2014年式、走行2万8000kmで車両本体価格178万円」というような中古車がある。
先日新型BRZが発表されたばかり。新型86も近い将来発表されるだろう。エンジンの排気量が2.4ℓに拡大されるなど現行モデルからの変更点は多い。だが、ピュアスポーツカーとしての実力は現行モデルでも充分。中古で200万円以内で手に入るようになった現行モデルも今一度考えて見てはいかがだろうか。
全長×全幅×全高(㎜)=4240×1775×1300
ホイールベース(㎜)=2570
エンジン:2.0ℓ 水平対向4気筒DOHC
駆動:FR
最高出力:200ps(147kW)/7000rpm
最大トルク:20.9kg・m(205Nm)/6400~6600rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1230
新車価格:297万円
※2012年発売当時のスペック
ホンダ・インテグラ タイプR 高回転まで駆け上がるNAエンジンが魅力のじゃじゃ馬FFスポーツカー
ホンダ・インテグラは、「走る・曲がる・止まる」という高い基本性能と洗練されたデザインを誇るエキサイティングクーペとして「シャープ&ソリッド・スタイリング」「エキサイティング・パフォーマンス」「セイフティ&エコロジー」を3つの柱として開発されたスポーツクーペだ。今回紹介するのはそんなインテグラの4代目に設定された高性能バージョン「タイプR」だ。4代目インテグラがデビューしたのは、2001年。エクステリアにはTYPE Rはフロントアンダースポイラー、サイドシルガーニッシュ、リアアンダースカート、テールゲートスポイラーなど専用エアロパーツを標準装備している。インテリアにはレカロ社製フロントバケットシート、MOMO本革巻小径ステアリングを採用。やる気満々の装備が満載だ。
パワートレーンは、高回転時に吸・排気バルブタイミング・リフト量を切り替えるVTECと、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御するVTCを組み合わせた最高出力220ps、最大トルク206Nmの高回転・高出力型2.0ℓ DOHC i-VTECエンジンを搭載。トランスミッションは6MTのみの設定だ。このNAエンジンがとにかく気持ち良い。加速は高回転まで吹け上がるし、低速でもトルクフル。じゃじゃ馬な性格で、快適とはほど遠いが、一度乗るとやみつきになる。さすがにタイプRは…という方には160psのタイプSもあるのでそちらも検討してみてはいかがだろうか。
タイプRの平均中古価格は約180万円。ただし、走行距離が過多なものが多いため、購入の際はしっかり状態をチェックしよう。
たとえば「インテグラ タイプR 2004年式、走行7万7000kmで車両本体価格178万円」というような中古車がある。
じゃじゃ馬なFFスポーツカーを求めるならインテグラ タイプRがおすすめだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4385×1725×1385
ホイールベース(㎜)=2570
エンジン:2.0ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
駆動:FF
最高出力:220ps(162kW)/8000rpm
最大トルク:21.0kg・m(206Nm)/7000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6MT
車重(kg):1180
新車価格:259万円
※2001年発売当時のスペック
先代アウディTTクーペ 軽快な走りと、美しいデザインが魅力
アウディTTクーペは同社を代表するコンパクトスポーツスペシャリティモデルだ。1998年に発表された初代は、前後オーバーハングを切り詰め、大型のオーバーフェンダーを採用するなどコンベンショナルな手法で、スポーティなデザインを表現し、一躍話題を呼んだ(日本発売は1999年)。今回紹介するのは2代目モデル。デザインは初代のイメージを踏襲しながら、現在もアウディのデザインアイデンティティとなっているシングルフレームグリルを新たに採用し、日本でも人気モデルとなった。今回紹介するのは2006年発売の2代目TTだ。
パワートレーンは発売当初は、2.0ℓターボエンジンと3.2ℓNAエンジンを設定。2012年の改良で1.8ℓターボモデルが追加された。3.2ℓNAエンジンは、250psを発生し、NAらしいトルクフルな加速が味わえる。ただおすすめは2.0ℓモデル。2.0ℓターボモデルは最高出力200ps(のちの改良で211psに)を発生し、スペック的にも充分。アクセルを踏み込むと軽やかに加速していく。このメリハリのある軽快な走りがTTの性格に非常に合っている。1.8ℓターボモデル(160ps)でも全く過不足ないが、バランスを考えるならやはり2.0ℓターボモデルだろう。
平均中古価格は約130万円。
たとえば2.0ℓモデルだと「TTクーペ 2.0 2010年式、走行2万7000kmで車両本体価格158万円」というような中古車がある。
軽快な走りと、美しいデザインが魅力なスポーツカーを求めるならこのモデルがおすすめだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4180×1840×1390
ホイールベース(㎜)=2465
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHC16バルブICターボ
駆動:FF
最高出力:200ps(147kW)/5100~6000rpm
最大トルク:28.5kg・m(280Nm)/1800~5000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1340
新車価格:440万円
※2006年発売当時のスペック
プジョーRCZ フランス流の流れるようなデザインとダイレクト感のある気持ち良い走りが楽しめる!
プジョーRCZは、「2+2」コンパクトスポーツクーペでフランス車らしいデザインが魅力だ。エクステリアには、流麗な曲線でデザインが構成されている。ルーフにふたつの「コブ」のような膨らみを持たせた「ダブル バブルルーフ」、素材にアルミニウムを用いたパネルがAピラーからCピラーまでを貫く「アルミナム・アーチ」が、エクステリアの特徴となっている。また、インテリアはスポーツクーペの名に相応しい個性的なデザインと高い品質でまとめられている。生産は、オーストリアのマグナ・シュタイアーのグラーツ工場。
エンジンは、6AT(右ハンドル)仕様には、「EP6CDT型」エンジン(最高出力156ps、最大トルク240Nm)が、6MT(左ハンドル)仕様には、「EP6CDTX」型(200ps、275Nm)が組み合わされる。両者とも1.6ℓターボエンジンだ。BMWとPSAが共同開発したエンジンで、コードネームは「Prince」である。おすすめは6MTモデル。小気味良い操作感が特徴で、0-100km加速で、7.6秒を実現。200psのパワーをダイレクトに操る喜びを存分に味わうことができるとともに、エンジン音も独自にこだわっているのが特徴だ。吸気系に新たに開発した「サウンドシステム」を装着し、ターボの過給圧に応じて共鳴するダイヤフラムを設けることにより、巡航時には静粛性を確保する一方、 加速時には適度にエンジン音を室内に響かせ、気持ちの良いエンジン音を響かせる。
平均中古価格は158万円。
たとえば「RCZ 2011年式、6MT、走行3万8000kmで車両本体価格168万円」というようなところが標準的な中古相場だ。
フランス流の流れるようなデザインとダイレクト感のある気持ち良い走りが魅力なスポーツカーだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4290×1845×1360
ホイールベース(㎜)=2610
エンジン:1.6ℓ 直列4気筒DOHCターボ
駆動:FF
最高出力:200ps(147kW)/5800rpm
最大トルク:24.5kg・m(275Nm)/1700rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6MT
車重(kg):1350
新車価格:423万円
※2010年発売当時のスペック
先々代BMW3シリーズ クーペ FRの安定した走りと高い「駆けぬける歓び」を実現したプレミアムスポーツクーペ
2006年に発表された先々代3シリーズ・クーペは、コンパクトスポーツセダンである3シリーズのクーペ版として開発された。現在は4シリーズへとモデル名が変更されている。実は3シリーズ・クーペは、セダンと共用しているボディ・パネルが一枚もない。そのため、クーペ独自の洗練されたダイナミックかつエレガントなスタイリングが実現された。インテリアは、フロントから連続してリヤ・シート・ベンチまで延びるセンター・コンソールが特徴的だ。ダイナミックかつエレガントなクーペの個性を強調するとともに、クーペのパーソナルな雰囲気をインテリアに演出している。
パワートレーンは豊富で、トップモデルのM3クーペは最高出力420ps、最高トルク400Nmを発生するV8
4.0ℓを搭載する。ただ、走りが楽しいスポーツカーとしては、2.0ℓエンジンを搭載する320iがおすすめだ。最高出力156ps、最大トルク200Nmというスペックは一見物足りないように感じるものの、走り出せば、卓越したハンドリング性能を持ち軽快に、加速する楽しいスポーツカーだということがすぐに感じられる。FRの安定した走りと高い「駆けぬける歓び」を実現したプレミアムスポーツクーペだ。
平均中古価格は110万円。
たとえば、「3シリーズクーペ 320i ハイラインパッケージ 2009年式、6AT、走行3万7000kmで車両本体価128万円」というようなモデルが比較的簡単に見つけることができる。
気持ちの良い走りが楽しいFRスポーツクーペを求めるならこのモデルがおすすめだ。
全長×全幅×全高(㎜)=4580×1780×1395
ホイールベース(㎜)=2760
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHC
駆動:FR
最高出力:156ps(115kW)/6400rpm
最大トルク:20.4kg・m(200N・m)/3600rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1490
新車価格:438万円
※2017年発売当時のスペック
今回は200万円で買えるおすすめスポーツカーを紹介した。200万円以内のスポーツカーといえども、高級感あふれるモデルからじゃじゃ馬な性格のものまでさまざまな種類がある。スポーツカーを探している方は、そんな性格や背景が違うさまざまなモデルを比較して、好みにあった楽しいクルマを選んでいただきたい。