ここのところ、プジョー(とシトロエン、DS)が好調だ。出すモデルはどれもヒットしているし、実際の評判もいい。そこに加わるのが新型208である。日本でも大人気となった初代207(1998年〜)を上回るヒットの予感がする。さて、その208の主要グレード2台を試乗した。アリュールとGT Lineである。
新型プジョー208ってどんなクルマ?
プジョーのBセグメントのハッチバック、208がモデルチェンジを受けた。新型208は、PSAのB/Cセグメント用プラットフォームであるCMPをベースにしている。CMP (Common Modular Platform)はDS3 CROSSBACKから採用が始まったPSAの新しいプラットフォームである。
PSAのプラットフォームは、308以上(SUV3008やシトロエン・グランドC4スペースツアラー、DS7 CROSSBACKなど)の「EMP2」と新型208が使うCMPのふたつということになる。
ちなみに、このCMPはパワートレーンを含むプラットフォームで車輌の製造原価の40%を占める。ボディスタイルを問わず下記のものを含むという。
・アンダーボディ
・サスペンションシステム
・パワートレーン
・基本的な電装システム一式
さて、そのCMPの新型208には、3つのグレードがある。
208スタイル:239万9000円(受注生産)
208アリュール:259万9000円
208GT Line:293万円
である。
208スタイルが受注生産というところから見ても、事実上のベースグレードがアリュール、トップグレードがGT Lineと考えていいだろう。パワートレーンはスペックも含めて同じだ。つまり、1.2ℓ直3DOHCターボ(100ps/205Nm)+アイシン・エィ・ダブリュ製8速ATである。
新型208アリュールと208GT Lineに続けて試乗することができたので、レポートしたい。
新型プジョー208アリュールに乗ってみる
208、とてもいい。1.2ℓ直3ターボは、3気筒のネガを感じずに気持ちよく回る。とはいえ、8速ATと組み合わせているから、100km/h巡航では8速に入らない。110km/hでようやく8速に入る。100km/h巡航時のエンジン回転数は7速で2200rpmくらいだった(パドルを引いて手動でシフトアップすれば8速に入れることはできる)。
最新のプジョーのデザイン手法に則ったインテリアは、例の「i-Cockpit」(今回は3D i-Cockpit)を採用する。これが「合う」か「合わないか」が208を選ぶか選べないか、を決める最も大きな要素だと思う。
「D形」というよりも横楕円、あるいはF1マシン用と見まごうステアリングホイール、その上から覗き込むメータークラスターに違和感を覚えないなら208は「アリ」だ。アリというより、とてもいい選択になると思う。乗り心地はいいし、かっこもいい。シートの出来もいい。
新型プジョー208 GT Lineに乗ってみる
アリュールの後に乗ったのは、GT Lineだった。
乗り出して100mもしないうちに、「あれ、こっちのほうがいい」と感じた。乗り心地がどうこうというより(センサーが鈍いということもある)、全体が「シャキッと」しているのだ、GT Lineの方が。
アリュールとGT Lineの価格差は33万1000円。
装備の差は
(GT Lineは)
サイドソナー
ヘッドライトがフルLED
インテリジェントハイビーム
アクティブブラインドスポットモニター
スポーティフロントグリル
サイドミラーがブラック
シャイニーブラックホイールアーチ
クロームエキゾーストエンド
アンテナがショートタイプに
シートがダイナミックタイプのアルカンターラ/テップレザーシートに(アリュールはコンフォートタイプのファブリック/テップレザーシート)
アルミペダル
となる。
タイヤは
アリュールがミシュラン・プライマシー4 タイヤサイズ:195/55R16
GT-Lineがミシュラン・プライマシー4 タイヤサイズ:205/45R17
になる。アリュールの方が乗り心地がマイルドかといえば、そうでもない。どちらも乗り心地は悪くないが、前述したとおりGT Lineの方がビシッとした乗り味だ。
GT Lineは400kmほど走って(高速、郊外路、市街地)14.0km/ℓだった。燃費自体はアリュールもGT Lineも変わらない。
価格差はそれなりにあるからアリュールを選んでも後悔することなないだろうが、筆者が208を選ぶとしたらGT Lineを選ぶ。細かい装備を含めてGT Lineの方が充実している(ブラインドスポットディテクション/インテリジェントハイビームはアリュールは装備しない)こともあるが、やはり、GT Lineのあのシャキッと感は魅力だ。
とはいえ、これまた個人的な感想を言えば、やっぱりi-Cockpitへの違和感はなくならない。こればかりは、個人の嗜好だからなんとも言えないが、i-Cockpitが問題なく馴染む人には、新型208は有力なBセグハッチバックになる。
プジョー208 Allure
全長×全幅×全高:4095mm×1745mm×1445mm
ホイールベース:2540mm
車重:1160kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式/Rトーションビーム式
駆動方式:FF
エンジン
形式:直列3気筒DOHCターボ
型式:EB2 PureTech
排気量:1199cc
ボア×ストローク:75.0mm×90.5 mm
圧縮比:10.5
最高出力:100ps(74kW)/5500pm
最大トルク:205Nm/1750rpm
燃料供給:DI
燃料:無鉛プレミアム
燃料タンク:44ℓ
燃費:WLTCモード 17.0km/ℓ
市街地モード13.0km/ℓ
郊外モード:17.3km/ℓ
高速道路:19.3km/ℓ
トランスミッション:8速AT
車両本体価格:259万9000円
試乗車はオプション込み288万3430円(ナビゲーションシステム23万6500円/ETC2.0 4万4550円/フロアマット1万2430円)
プジョー208 GT Line
全長×全幅×全高:4095mm×1745mm×1465mm
ホイールベース:2540mm
車重:1170kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式/Rトーションビーム式
駆動方式:FF
エンジン
形式:直列3気筒DOHCターボ
型式:EB2 PureTech
排気量:1199cc
ボア×ストローク:75.0mm×90.5 mm
圧縮比:10.5
最高出力:100ps(74kW)/5500pm
最大トルク:205Nm/1750rpm
燃料供給:DI
燃料:無鉛プレミアム
燃料タンク:44ℓ
燃費:WLTCモード 17.0km/ℓ
市街地モード13.0km/ℓ
郊外モード:17.3km/ℓ
高速道路:19.3km/ℓ
トランスミッション:8速AT
車両本体価格:293万円
試乗車はオプション込み338万4550円(ナビゲーションシステム23万6500円/ETC2.0 4万4550円/パールホワイト塗装7万1500円)