「タイプR(TypeR)といえば、走りに特化したホンダのスポーツモデルに冠されるモデル名。そのタイプRシリーズは初代NSX、インテグラに続いて、シビックにも登場した。Motor-FanTECHの会員の方々にも多くのオーナーがいる。そのオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、不満、よいところをみてみよう。
今回は、6名のオーナーが回答を寄せてくれた。
連綿と続く走りのDNA 現行タイプRは5代目
初代シビックタイプRがデビューしたのは、1997年。以来、現行(5代目)まで連綿と引き継がれてきたのは「走りのDNA」。強力なエンジンとしっかりした脚周り、前輪駆動(FF)で運動性能の限界を常に引き上げてきた人気モデルである。
モデルライフと搭載エンジンは次の通りだ。
初代EK9型(1997-2001年)
B16B型1.6ℓ直4DOHC VTEC自然吸気エンジン
2代目EP型(2001-2005年)
K20A型2.0ℓ直4DOHC VTEC自然吸気エンジン
3代目FD2型(2007-2010年)
K20A型2.0ℓ直4DOHC VTEC自然吸気エンジン
4代目(FK2型)2015-2016年
K20C型2.0ℓ直4DOHCターボエンジン
5代目(FK8型)2017年〜
K20C型2.0ℓ直4DOHCターボエンジン
じつは、今回は「シビック」のオーナーアンケートを行なったのだが、回答者はすべて「タイプR」のオーナーだった。それぞれが、タイプRに惚れ込んでいる様子がよくわかるレポートが集まった。
2018年式 タイプR(FK8)「通勤から遠出、ほぼマルチに使用することができます」
排気量:2000cc トランスミッション:MT
平均燃費:11.4km/ℓ(通勤にも問題なく使用出来ます)
長所:エンジン性能。特に中間加速の良さは最高。コンフォートモードにした際の乗り心地。積載能力が予想以上に凄かった。
短所:タイヤサイズが大きい事。交換する事を考えるとちょっと恐ろしい。タイヤのパンクが気になります。ボディとバンパーの色が若干違うような気がします。
評価
外観:★★★★★ エアロが派手ですが、今では慣れました。これぞタイプRです。
室内:★★★★☆ 内装にもう少しソフトパッド系が使用されていれば良かった。
走行性能:★★★★★ 良く曲がると思います。
燃費性能:★★★★★ 郊外で普通通り60km程度走行し、16.8km/ℓ記録した事もあります。
装備:★★☆☆☆ 純正ナビが小さすぎます。
満足度:★★★★★ 通勤から遠出、ほぼマルチに使用することができます。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「純粋な内燃機関のみを使用した最後となるタイプR。想像以上に出来が良く、期待に応えてくれるクルマだと思います。また誰が運転しても楽しむことができます。ただし高速道路では自制心が必要となりますが」
2018年式TypeR「大きくなった分、存在感と安定感はあります」
排気量:2000cc トランスミッション:MT
平均燃費:9.5km/ℓ(通勤が7割3割がちょっとしたお出かけ。高速を使って通勤していた時は、15Km/ℓ位)
長所:高速での安定感は、さすが。
短所:ハイオクで、この燃料タンクでは、ちょっと心配。
評価
外観:★★★★☆ いかつい感じが好き。大き目の羽根も好き
室内:★★★☆☆ ちょっと価格的には、安っぽい感じ。
走行性能:★★★★☆ 常にパワーは、持て余してます。
燃費性能:★★★☆☆ 想定内だったけど、もう少し良ければ。
装備:★★★☆☆ でかナビが主流なのに、貧弱。
満足度:★★★☆☆
このクルマの購入を検討している人にひと言
「コンパクトにきびきびとした走りは、苦手かな。大きくなった分、存在感と安定感はあります。Nurembergは、日本にありませんから」
2010/無限RR「本気のタイプRの最後のNA車なので、RRに限らずRも買って損はないと思います」
排気量:2000cc トランスミッション:MT
平均燃費:9.0km/ℓ(街中2割、サーキット1割、サーキットまでの移動7割)
長所:どこからでもついてくるNAエンジン。目立つ。(目立ちすぎる?)リセールが良すぎる。
短所:弱すぎるホンダの赤。小回りが利かなすぎる。使うための6速なので100キロでも3000回転。
評価
外観:★★★★☆ ☆-1は塗装品質
室内:★★★☆☆ Aピラーが邪魔すぎて右コーナーの先が一切見えない。
走行性能:★★★★★ ただしドライ路面に限る。(雨の日は乗ってはいけません)
燃費性能:★★★★☆ 正直気にしてないです。
装備:★☆☆☆☆ 電スロとABSしかないです。
満足度:★★★★★ 評価つけちゃうと不満あるように見えるけど、手放す気はないです。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「本気のタイプRの最後のNA車なので、RRに限らずRも買って損はないと思います。損得抜きにしても、エンジンが踏め!って言ってくる車はもう出ないと思うので、悩んでるなら早く手にしたほうがいいと思います。RRに関しては、年式が年式なので、色褪せしてる個体も多いので、全塗装するつもりでいたほうがいいかもしれません。」
2010年式タイプR「高回転まで綺麗に吹け上がるK20Aエンジンは快感のひと言に尽きる」
排気量:2000cc トランスミッション:MT
平均燃費:8.0km/ℓ(街乗り100%。高速でおとなしく走れば12~14km/ℓはいきます。)
長所:F20Cと比較した際に低速トルクが圧倒的に優位であり街乗りが乗りやすい。高回転まで綺麗に吹け上がるK20Aエンジンは快感のひと言に尽きる。ノーマルでもサーキット走行に充分な脚周り。中途半端な車高調いれるより全然速いです。
短所:クラッチペダルの異音。踏み込んだ際にキコキコうるさいし不快。
評価
外観:★★★★☆ 基本的には不満はないが歩行者保護対応で丸く、膨れ上がったボンネットが微妙。もっとワイドアンドローにしてほしかった。
室内:★★★☆☆ 可もなく不可もなく。個人的には不満もなし。
走行性能:★★★★★ 動力性能はピカ一。人によってはダンパーの硬さが許容できないかも。
燃費性能:★★★★★ これだけぶん回して楽しいNAエンジンにしては優秀だと思う。
装備:★★★★★ むしろついていないことに対する評価点。この類の車種には必要なし。
満足度:★★★★★ このスペックで新車本体価格300万以下は今では不可能な価格。大満足。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「もう今後絶対現れない高回転NAスポーツエンジンを積んだ最後の本物のタイプRです。将来的に価格も上昇していくと思います。後悔する前に一度でいいから乗ってみてください」
2007年式 タイプR「走行性能は素晴らしいですが色々諦める必要があります。一度試乗を」
排気量:1997cc トランスミッション:MT
平均燃費:11.8km/ℓ(地方の郊外の移動がほとんど)
長所:8000回転超までスムーズかつパワフルなエンジン。カチッと決まり変速が楽しくなる6MT。よく見るとキャブフォワードを進めた個性的なデザイン。
短所:サーキット走行しか考えていない硬い脚周り。内装のきしみ音が酷い。
評価
外観:★★★★☆ 最近のクルマと比べてデコレーションが少なくてシンプル。
室内:★★★☆☆ 安っぽいが物入れが多く実用的
走行性能:★★★★★ 快適性の低さを補って余りある走行性能の高さ
燃費性能:★★★☆☆ 元気に走ってもリーズナブル
装備:★★☆☆☆ 古い車なんで・・・
満足度:★★★★★ 今では絶対250万では買えない‼️
このクルマの購入を検討している人にひと言
「走行性能は素晴らしいですが快適性など色々諦める必要があります。一度試乗したほうが良いでしょう」
2000年式タイプRX「カッコいい、速い、載るを兼ね備えていて、楽しいだけでなく、実用性もあり」
排気量:1600cc トランスミッション:MT
平均燃費:12.0km/ℓ(基本は通勤車。たまにサーキットを走行)
長所:エンジンが最高です。高回転まで回りVTECで高回転カムに切り替わったときの音は最高です。最後の5ナンバーなこともあり、小さいことが素晴らしい。荷物が載る。実用車がベースなこともあり、大量に荷物が詰めます。
短所:純正部品がなくなりつつある。
評価
外観:★★★★★ リヤテールゲートの角度がサイコーです。
室内:★★★☆☆ 室内はThe大衆車なので微妙です。
走行性能:★★★★☆ 動力性能はピカイチです。コースによっては大排気量車をカモれます。
燃費性能:★★★★☆ スポーツカーとしては、そこそこだと思います。
装備:★★★☆☆ 2000年代なので、電子制御系がほぼついていません。サーキット走行にはうってつけです。
満足度:★★★★★ カッコいい、速い、載るが兼ね備えていて、楽しいだけでなく、実用性もありお勧めです。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「バルブ時代に設計され、かなり豪勢な設計がされていますので、経年劣化でやれたりする部分はありますが、とても良いクルマです。特にエンジンは格別で、VTEC好きにはたまらないです。現代のクルマと比べると軽量ですし、そこそこの剛性もあります。社外パーツもたくさん出回っていますし、弄るのにももってこいです。にもかかわらず、人や荷物も載るので、普段使いも快適ですし、サーキットもそのまま行けてしまいます。なにより、カッコイイです!!」