BMW5シリーズは、メルセデス・ベンツEクラス、アウディA6と並んで、ジャーマン・プレミアム上級セダンの代表的モデルだ。3車のなかでも「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWの5シリーズは、走りが自慢だ、Motor-FanTECHの会員の方々にも多くのオーナーがいる。そのオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、不満、よいところをみてみよう。
現行5シリーズは7代目
5シリーズは、BMWの主力セダン/ワゴンである。初代は、1972年に登場。以来、代を重ね、現行G30型は7代目となる。ライバルは一貫してメルセデス・ベンツEクラス、そしてアウディA6である。それぞれセダン/ワゴンボディを持ち、日米欧中という世界の主要マーケットで、「高級セダン」として羨望を集める存在だ。
4代目(E39型)1996-2003年
5代目(E60/E61型) 2003-2010年
6代目(F07/F10/F11型) 2009-2016年
7代目(G30/G31/F90型)2017年〜
となっている。7代目のF90型はM5である。
2018年式523d M-sports「BMWらしさを色濃く残してるのが現行モデル」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:12.8km/ℓ(ほぼ市街地での燃費)
長所:クラスがもたらす絶対的な乗り心地と高級感。ディーゼルの燃費の良さとトルクフルな出足。サイズを感じさせない運転のし易さ。
短所:今や国産の小型車でも標準のSpeed Limited Informationがわざわざ使えなくしてある。ウィンカーによるレーンチェンジアシストも日本では不可。クラス的には3.0ℓディーゼルが欲しいところ。
評価
外観:★★★★☆ 今となっては古さを感じるが、BMWらしいデザイン
室内:★★★★★ とても洗練されていて使い勝手も良い。残念なのは、レザーがダコタレザーなこと。
走行性能:★★★★☆ ハンドリングはBMWらしくファンであるが、多少4輪操舵の癖が感じられる。動力性能ももう少し欲しい。
燃費性能:★★★★★ 燃費は満足。長距離ドライブが燃費を気にせず楽しい。
装備:★★★☆☆ 短所で述べたように、装備を出し惜しみ過ぎである。先進技術は全て標準化すべき。
満足度:★★★★☆ System7への移行の狭間で中途半端になってしまったのが残念ですが、やはり5シリーズはBMWの中核として素晴らしい車です。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「もう直ぐLCIモデルに移行しますが、X3、X4の出来を見てますとお薦め出来ると思います。新しい世代へとBMWは変わっていっていますが、BMWらしさを色濃く残してるのが現行モデルだと思います。きっと長く所有してたいと思えるんじゃないでしょうか」
530i M-sport「パワートレーン系のダイレクト感、特に8ATは非常に秀逸」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:12.0km/ℓ(主に市街走行)
長所:剛性感のある走り。パワートレーン系のダイレクト感、特に8ATは非常に秀逸。2.0ℓターボは低域トルクもあり、充分パワフル。
短所:アイドルストップからの再始動時における振動が大きい。ブレーキダストの多さ。リセールバリューの低さ。
評価
外観:★★★★★ デザイン、質感共に満足しております。ただ、塗装品質はLEXUSに劣るかもしれません
室内:★★★★★ こちらも充分満足ですが、シフトとスイッチ配列が左ハンドル向きな印象
走行性能:★★★★☆ サスがハード気味、また、全開時は少しパワーが物足りない感じですが、それ以外は満足
燃費性能:★★★★★ 12km/ℓぐらい走るので、充分良いと思います
装備:★★★★★ ひと通り標準で揃っており、特に不満はありません
満足度:★★★★☆ 個人的には非常に満足しておりますが、リセールバリューが難点
このクルマの購入を検討している人にひと言
「これまで国産車を乗り継いできて、初めての輸入車ですが、過去の車を振り返っても、総合的には非常に良い車だと思います。一方、リセールバリューは期待できません。私は新車購入しましたが、低走行の中古車を購入するのが良い選択であるのかもしれません」
523d luxury セダン「前後重量バランスの良さから生まれる過渡回頭性の良さ」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:20.0km/ℓ(毎週末の高速道路での移動が8割、一般動の通勤が2割)
長所:前後重量バランスの良さから生まれる過渡回頭性の良さ。レーンキープ機能とACC機能による運転アシスタント。優れたボディデザイン。
短所:ゴーストップ時のエンジンの応答性の悪さ。低速走行時のエンジンの騒音の大きさ。
評価
外観:★★★★★ すばらしい。
室内:★★★★☆ メルセデスやクラウンに比べると質素な感じがする。
走行性能:★★★★☆ 低速走行時のエンジンの追従性には閉口。
燃費性能:★★★★★ すばらしいです。
装備:★★★★☆ 高速道路での白線認識機能は、さらに改善してほしい。
満足度:★★★★☆ コストを考えると5点はつけられないが、満足度は高い。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「昔のディーゼルエンジンと比べたら、すばらしい出来映えと思いますが、ガソリンエンジンと比べてしまうと、低速走行時のドライバビリティはよくない。ただ、走り出せば、トルクも大きく、運転しやすく楽しい、かっこよい車です」
2013年式523d ハイラインパッケージ「前期型は先進装備が少ないので、後期以降がおすすめです」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:15.0km/ℓ(近郊8割、郊外2割)
長所:燃費が良い、特に高速等の一定速度で走る道。ディーゼルのず太いトルク。想像以上の高回転。
短所:前期型なので、ACCがオプションで、ナビも通信機能がなし。EGRのすすが溜まりやすい。4気筒2000ccなので、馬力が低い。
評価
外観:★★★★★☆
室内:★★★★☆
走行性能:★★★★☆ トルクはあるが、馬力が低い
燃費性能:★★★★★
装備:★★★☆☆ F10前期型はほとんど装備なし、又はオプション
満足度:★★★★☆ 先進機能がほとんどないのが残念
このクルマの購入を検討している人にひと言
「F10は、年式によって装備が全く違います。前期型は先進装備が少ないので、後期以降がおすすめです」
2010年式 523i「BMWの6気筒エンジンのフィーリングは最高です」
排気量:2500cc トランスミッション:AT
平均燃費:10.0.km/ℓ(街乗りが大半)
長所:しなやかでかつ、しっかりとしたハンドリングを併せ持つ操縦性。実用性が非常に高いバッケージング。飽きのこないデザインと滑らかなエンジンフィール。
短所:今となっては安全装備が不足している。
評価
外観:★★★★☆
室内:★★★★☆
走行性能:★★★★★
燃費性能:★★★★☆
装備:★★★☆☆
満足度:★★★★★
このクルマの購入を検討している人にひと言
「やはり、BMWの6気筒エンジンのフィーリングは最高です。またハンドリングと乗り心地を高次元で達成している。」
2016年式523d Luxury「3シリーズとは車質完成度はまったく別」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:16.3km/ℓ(通勤30% ゴルフや長距離70%)
長所:高速域でのさらなるトルクフルなパワー。高燃費とハイパワーを両立。思った通のラインを操舵出来る喜び。
短所:車外エンジン音や振動がクラス不適合。椅子の資材や設計完成度が車格に合わず。非常オートブレーキ制御時のショック大。
評価
外観:★★★★☆ 伝統を守りつつ斬新さを維持
室内:★★★☆☆ 内装素材やハンドルの質感は見直し必要
走行性能:★★★★☆ 操舵性能極めて良い、RFタイヤ見直し必須
燃費性能:★★★★★ ほぼトップレベル
装備:★★★★★ ナビ完成度は他社凌駕、ラジオとTVはNG
満足度:★★★★☆ 値段相応の完成度。でも乗り換えは検討
このクルマの購入を検討している人にひと言
「トータルバランスは非常に高い。同じBMWであっても3シリーズとは車質完成度はまったく別ブランド。乗り比べるとすぐにわかる。欧州車はEセグメントで選択すべき」
Mスポーツ「BMW伝統の直6の音及び吹き上がりの気持ち良さ」
排気量:2800cc トランスミッション:AT
平均燃費:5.8km/ℓ(市街地が主)
長所:BMW伝統の直6の音及び吹き上がりの気持ち良さ。同じ車種が比較的少ないこと デザイン。
短所:樹脂、ゴム類の経年劣化が著しい。整備費用がとにかく高い(自分で部品を調達するなどの工夫が必要)。
評価
外観:★★★★★ 新型のデザインが好みではないため今に至ってます。
室内:★★★☆☆ さすがにデザイン的には古さを感じる。またカップホルダーがすぐに壊れてしまうのは有名。
走行性能:★★★★☆ 走っていて楽しい。操作類は総じて重め。
燃費性能:★★★☆☆ 年式、排気量を考慮すれば仕方ないかも。
装備:★★★☆☆ 販売店装着のナビは取り外し、オーディオを充実させている。
満足度:★★★★☆ 価格的に割高になるのは折り込み済みなので。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「地元のディーラーの評判をよくチェックして、場合によっては越境もありかと。当方はそれが一番の不満になってます」