VWのコンパクトハッチバック、ポロ。名前の由来は、馬術競技のポロからとも「東方見聞録」のマルコ・ポーロに因んだとも言われている。Motor-FanTECHの会員の方々にも多くのオーナーがいる。そのオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、いや電費、不満、よいところをみてみよう。
先代モデル(5代目6R型)2009ー2018年
初代ポロが登場したのは、1975年。VWのボトムラインを支えるモデルとして開発された。
2代目(1981ー1994年)から、日本導入(1984年)された。
本格的に人気を集めるようになったのは3代目(1994ー2001年)からだろう。VWのA03プラットフォームを使ったコンパクトハッチバックだった。3代目モデルのボディサイズは全長×全幅×全高:3715mm×1660mm×1435mm ホイールベース:2410mmと非常にコンパクトだった。
4代目(2001ー2009年)はPQ24プラットフォーム。5代目(2009ー2018年)はPQ25プラットフォームを採用した。いま日本の街中で走り回っているポロの多くは、この5代目(6R型)だろう。
今回のアンケートもこの5代目がモデルが多かった。
Blue GT「コンパクトなPoloが好きな人は中古でも買う価値は有り」
排気量:1400cc トランスミッション:DCT
平均燃費:14.2km/ℓ
長所:Bセグメントとは思えない剛性から来る安心感。ACCを使用したハイウェイ巡航で20km/ℓに迫る好燃費とパワーの両立。
短所:Golfと似て非なるシートは長時間乗車で少し疲れが出る。リヤシートの居住性があまり良くない。
評価
外観:★★★★★ GT系の外観はバランスが良い、ローダウンサスと17インチホイール、バンパー形状が良い
室内:★★★☆☆ ダッシュパネルがハード樹脂だったり、デザインはGolfと似ているが質感がかなり劣る
走行性能:★★★★★ Bセグメント5ナンバーボディに150psターボ直噴エンジンは必要充分、足回りも良いが、リヤのリジッドサスが暴れる傾向が少しある
燃費性能:★★★★★ 高速で20km弱走るので何も文句はない
装備:★★★☆☆ 日本仕様のナビは帯に短し襷に長し、スマートフォンのCarplayに対応したモノに載せ替えたくても高くつく。また車両設定が出来ないのは大きな問題。
満足度:★★★★☆ 総合的には満足
このクルマの購入を検討している人にひと言
「もう旧型になってしまいましたが、コンパクトなPoloが好きな人は中古でも買う価値は有ります。ただ、リヤシートはチャイルドシートを着けるには狭くて大変ですよ」
2010年式TSI High Line「ダ・シルバによる美しいデザイン」
排気量:1200cc トランスミッション:DCT
平均燃費:16km/ℓ(高速道路と一般道が半々)
長所:7速DSGによる効率の良いドライバビリティ。剛性の高いボディ。高燃費。
短所:シートヒーターがオプションでもなかった。ACCが設定されていなかった 。
評価
外観:★★★★★ ダ・シルバによる美しいデザイン
室内:★★★★☆ やや狭さを感じる
走行性能:★★★★★ 遮音性に難あり
燃費性能:★★★★★ 特に問題ない
装備:★★★☆☆ 現在のレベルから見ると物足りない
満足度:★★★★★ コストパフォーマンスは良い
このクルマの購入を検討している人にひと言
「新型ポロは横幅、重量が増しているが、リヤブレーキはコストの関係でドラムにスペックダウンしている」
2015年式 GTI「1台で何役でもできる小さいけれどオールラウンダーです」
排気量:1800cc トランスミッション:MT
平均燃費:13.6km/ℓ(一般道・高速5割ずつ)
長所:渋滞から遠出までこなせるフレキシビリティに富むエンジン。走りと実用性のバランスの良さ。パフォーマンスの割にスマートな見た目。
短所:標準モデルにあるADASの類がまったく装備されない。路面の凸凹を正直に伝えがち。純正ナビの突然の再起動。
評価
外観:★★★★☆ スポーツ系だけど盛り過ぎないところがいい
室内:★★★★☆ 伝統のタータンチェックが素敵
走行性能:★★★★☆ クラッチが軽くてどんな場面でも苦労しない
燃費性能:★★★★☆ 楽しく走れてこれくらいなら文句なし
装備:★★☆☆☆ ADASはおろかキーレスがないのはこの時代にちょっと…
満足度:★★★★☆ 1台の車で何役もできるので充分お得
このクルマの購入を検討している人にひと言
「普段の買い物から楽しみのロングツーリング、オンもオフもこなせます。一芸に秀でたわけではありませんが、動力性能と実用性、洗練性を兼ね備えて1台で何役でもできる小さいけれどオールラウンダーです」
2014年式 Blue GT 「DCTの走り出しは慣れが必要。長く乗りたいクルマ」
排気量:1400cc トランスミッション:DCT
平均燃費:17.5km/ℓ(市街地6割、郊外4割 長距離のドライブでは20km/ℓを超えます)
長所:コンパクトで軽量なのでキビキビ走る、しかも低燃費。剛性感が強く、街乗りでもハンドリングが楽しい。インテリアデザインがシンプルで使いやすい。
短所:DCTの走り出しは慣れが必要。6年が経過しているため新型に比べてアナログ感が強い。回生ブレーキは、効き始めのタッチが変わる時がある。
評価
外観:★★★★☆ 新型に比べてシャープさに欠けるが、塊り感がある
室内:★★★★☆ コンパクトカーの割にスイッチ類の質感も良く、配色も気に入ってます
走行性能:★★★★☆ 走りも燃費も満足している
燃費性能:★★★★★ ポロにゴルフ・ハイライン(当時)のエンジン。気筒休止も不具合なく期待以上の燃費
装備:★☆☆☆☆ さすがに6年前の装備は現代便利装備と言えるものはほとんどありません
満足度:★★★★★ コスパ高いです。今月7万km超えましたが、これからも長く乗れるようメンテしていきたい。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「モデルチェンジ後の現行型については詳しくないですが、車種についてのコンセプトをしっかり守っているメーカーだと思うので、自分のイメージに合えば買って損はないクルマだと思います。私の場合は子育てを卒業して通勤や妻と2人でのドライブがメインなので、この大きさがちょうど良く生活にマッチしています。人も荷物もほどほどにという方にオススメです」
コンフォートライン「運転する人には所有して満足感は高いけど、乗り降りしづらい」
排気量:1200cc トランスミッション:DCT
平均燃費:16.0km/ℓ(長距離で20 市街地で16)
長所:扱いやすいサイズ。低回転でもトルクのあるエンジン。
短所:低速でギクシャクするDCT。太くて高いサイドシルで乗り降りしづらい。ドリンクホルダーが少ない。
評価
外観:★★★★☆
室内:★★★★☆
走行性能:★★★★☆
燃費性能:★★★★☆
装備:★☆☆☆☆
満足度:★★★★☆
このクルマの購入を検討している人にひと言
「運転する人には所有して満足感は高いけど、乗り降りしづらく、体の不自由な人には勧められないので注意」
2016年式 コンフォートライン「運転することがとても楽しく感じるクルマ」
排気量:1200ccターボ トランスミッション:DCT
平均燃費:16.0km/ℓ(近所の買い物5割、郊外へのドライブ5割。郊外で50~100km/hで走れれば20km/ℓ以上にも伸びる。)
長所:5ナンバーサイズの取り回しの良さ 。街乗りや郊外のドライブには十分なトルクの太さ。燃費の良さ。
短所:ドアミラーが小さく視認性が悪いことにより、レーンチェンジの際の死角が大きい。運転席の足元が狭い、ペダルがもう少し右にあると良い。後席のスペースが狭く人が乗るのは厳しい。後席足元には買い物の荷物も置けない。
評価
外観:★★★★★ 国産コンパクトカーにはない、落ち着いた品のあるデザインだと思う。
室内:★★☆☆☆ 旧モデル(5ナンバーサイズ)のため、やはり狭さは感じる。グローブボックスの容量が小さく収納力が低い。
走行性能:★★★★★ パワーも十分なわりに静粛性も高く、充分満足。
燃費性能:★★★★☆ 市街地はそこそこだが、高速走行時の伸びが良い。
装備:★★★★☆ カーナビの操作性はいまひとつだが、おおむね満足。
満足度:★★★★★ 国産車とほとんど変わらない価格で充分な性能・乗り心地。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「運転することがとても楽しく感じるクルマだと思います。初めて輸入車で少し不安はありましたが、買って大正解だったと満足しています。現行の3ナンバーサイズだと少し大きいと感じるかた、後席に人を乗せることがほとんどないかたは、旧モデル末期のこのモデルはとても満足度が高いでしょう。まだ程度の良い中古車がたくさん出回っていると思いますので」
2017年 Cross Polo「クルマと対話しながら運転する方にはお勧めです」
排気量:1200cc トランスミッション:DCT
平均燃費:10km/ℓから200km/ℓ(街中チョイ乗りから高速で100km/h巡航の値です。)
長所:正確なハンドリング、ダイレクトな感触のミッション、そこそこのパワーで運転していて楽しい。小さな車だが、頑丈そうなドアの取付部等、シッカリした車体の作りで安心感がある。クルーズコントロールの追従性能は優秀。車速設定も実用上問題ない。
短所:購入した当初サスが硬く、ロードノイズが喧しく困惑した。 路面が良い所では、吸い付くような滑らかな乗り味ですが、粒が粗い路面はやはり喧しい。エンジンは良く回り、音も結構良い音しますがもう少しパワーがあれば嬉しい。
評価
外観:★★★★☆ オーソドックスだがバランスの良いデザイン。
室内:★★★★☆ シート、ハンドルナの赤ステッチがカッコ良い。後席の足元が少しきゅうくつq。
走行性能:★★★★☆ ハンドリングは素晴らしい。路面によるロードノイズはちょっと。
燃費性能:★★★☆☆ こんなもんでしょう。
装備:★★★★☆ ACCは全車速対応、電動パーキングでないので長くは止まっていれません。
満足度:★★★★☆ 走って楽しいのが一番です。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「快適装備、室内の質感フィニッシュ、エンジンルーム内の電装系コードの仕上げ等日本車の方が良い所も多いですが、自動車としての基本的な部分が優れている所が気に入っています。先進的な所とアナログ的な所が同居していてクルマと対話しながら運転する方にはお勧めです」
総合評価:先進装備などに不満はあるが、そのほかの性能への満足度は高い
総合の満足度が4.4と高かったにもかかわらず装備の満足度が2.6だったのは、2009年デビューの先代ゆえ。カーナビの操作性などにやや不満があるようだった。それに対して走行性能に対する満足度は4.4と高い。「ハイパワーでスポーツカーのような」走行性能というわけではなく、「正確なハンドリング」「運転が楽しい」などVWに求める性能がきちんとポロに備わっていることへの評価だった。
ユーザーの平均評価
外観:4.4
室内:3.6
走行性能:4.4
燃費性能:4.3
装備:2.6
満足度:4.4