BMWのSAVの代表モデルがX3である。SAVとは、「スポーツ・アクティビティ・ビークル」の略で、BMWはSUVという呼び方をしないのだ。Motor-FanTECHの会員の方々にも多くのオーナーがいる。そのオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、不満、良いところを見てみよう。
現行(G01系)2017年~
現行X3はG01系である。2017年に登場。ガソリンは、B48型2.0ℓ直4ターボ、B58型3.0ℓ直6ターボB47型2.0ℓ直4ディーゼルターボ、B57型3.0ℓ直6ディーゼルターボを設定する。
2020年式 M40d「動力性能は申し分なし。3ℓなのに燃費もいい」
排気量:2992cc トランスミッション:AT
平均燃費:13.0km/ℓ(市街地7割、高速3割)
長所:総じてすべてが完璧で素晴らしい。追い越し時の加速感が素晴らしい。コーナーリング時の挙動が安定している。
短所:道路の状況をダイレクトに伝えてくるので乗り心地が悪いと感じる時がある。パーキングアシストが使えない事が多い。ミラーがフェリックグレーのため水滴跡が目立つ。
評価
外観:★★★★★ 3代目になってさらに洗練された
室内:★★★★★ とても使いやすい
走行性能:★★★★★ 動力性能は申し分なし
燃費性能:★★★★★ 3リッターなのに燃費が良い
装備:★★★★★ ありすぎるくらい充実している
満足度:★★★★★ 価格の割に性能や装備共に素晴らしい
このクルマの購入を検討している人にひと言
「流行のSUV、走行性能、力強さ、燃費と燃料代の安さ、装備の充実度を求めているならば、ここまで揃っているクルマは、他にはないかな、所有すると満足度が高いと思います」
2代目(F25系)2011-2017年
2代目(F25系)は、2010年発表。国内では2011年から販売が開始された。エンジンは、2.0ℓ直4DOHCターボ、3.0ℓ直6DOHCターボ、そして後期型では2.0ℓ直4ディーゼルターボが加わった。エンジンは、現行のB型ではなく、一世代までの「N型」を使っていた。トランスミッションはZF製8速ATを採用していた。
2014年式 20d M Sport「故障はないが、維持費にそれなりに費用はかかります」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:12.2km/ℓ(通勤、週末にたまに高速で遠出)
長所:トルク感があって、よく走り、かつ、燃費が良い。目線が高く運転しやすい。自転車など、荷物が積みやすい。
短所:タイヤ代と、ブレーキ(パッド+ローター)交換費用。
評価
外観:★★★★★ いまだに不満は無い
室内:★★★★★ いまだに、不満は無い
走行性能:★★★★★ 必要にして充分
燃費性能:★★★★★ 重いクルマの割に充分だと思います
装備:★★★★★ ACC、ナビは、使いやすいと思います
満足度:★★★★☆ 故障は無いが、維持費にそれなりに費用はかかります。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「動力性能、使い勝手は申し分ないです。重いクルマなので、ランフラットタイヤは必須で、タイヤ選択の余地は低いです。さらに無闇に大きなタイヤにすると、費用がかさみます。ブレーキ交換時の費用も走行性能とのトレードオフです」
2017年式 xDrive 20d M Sport「SUVらしい使い方をするならディーゼルエンジンがお勧め」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:13.6km/ℓ(ほとんどが週末や休暇中の郊外長距離ドライブ)
長所:高性能、低燃費で静粛性の高いディーゼルだから。車高が高い割に、通常のセダン並みに高い運動性能。当時としては高性能、高機能のADAS。
短所:山奥でサイドウオール損傷やバーストした場合に困るランフラットタイヤ。車体が大きい。特に車幅。 ボイスコマンドがほとんど役に立たない。
評価
外観:★★★★☆ アルミホイールのデザインがいまいち
室内:★★★★☆ 本革しか選べなかったのが不満
走行性能:★★★★★ 高速道路での走行が多いので乗り心地が固めでよい
燃費性能:★★★★★ 車重があるのであまり期待していなかったが、思ったよりよかった
装備:★★★★☆ FMラジオの周波数帯が108MHzまであればよかった
満足度:★★★★★ モデル最末期で安く買えたので大満足
このクルマの購入を検討している人にひと言
「SUVらしい使い方(長距離、山道走行等)をするのであればディーゼルエンジンがお勧めです。郊外なら航続距離が1000km近くあり、給油の手間が省けます。特に山奥は地方でスタンドが少ない、あるいは早い時間に閉店してしまう地域ではとても安心です。X3はリセールバリューも高いそうなので、総合的にとてもお買い得だと思います」
初代(E83系)2004-2011年
BMWがSUV(繰り返すがBMWはSAVという言い方をする)カテゴリーの乗り出したのは1999年に発売したX5からである。このX5が大成功を収めたことで、より小型のX3も市場投入されたわけだ。初代(E83系)は、2004年に登場。3シリーズ(E46系)のプラットフォームとパーツを多数流用して開発された。
2008年式 E83 LCI 2.5si「年式は古いですが、シルキーシックスを味わうにはこのモデルのみ」
排気量:2500cc トランスミッション:AT
平均燃費:8.5km/ℓ(高速道路を使用しての長距離移動がほとんど。)
長所:高速道路での直進安定性が素晴らしい。きちんとメンテナンスすると、粛々と回る直6エンジン。4WDながらラゲッジフロアが低く、積載性が良い事。
短所:10年を超えると面白いように割れるプラスチックパーツ。エンジンはオイル漏れ、センサー類、イグニッション周りのトラブルをひと通り経験。ちょっとスキルがあればDIYで治せるが、きちんとしたOEMパーツは高い。ディーラーでの整備を外すと、ちゃんと見てくれる整備工場を探すのが困難。輸入車に強そうなところでも、一般的なトラブルに対応できなかった。
評価
外観:★★★☆☆
室内:★★★☆☆
走行性能:★★★★☆
燃費性能:★★☆☆☆
装備:★★☆☆☆
満足度:★★★☆☆
このクルマの購入を検討している人にひと言
「年式は古いですが、シルキーシックスを味わうにはこのモデルのみです。トラブル覚悟なら、充分所有する価値はあります」