BMW1シリーズは、BMWのエントリーを担うコンパクトカーである。初代ー2代目はコンパクトカーで唯一FRレイアウトをとっていたことで、走り好きなユーザーに支持されてきた。モデルチェンを受けた現行はFRからFFへと大転換を受けている。Motor-FanTECHの会員の方々にも多くのオーナーがいる。そのオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、不満、良いところを見てみよう。
2代目(F20系)2011-2019年
2代目(F20系)は2011年から2019年と8年間にわたって人気を集めてきた。2015年にはフェイスリフトが施されて、フロントとリヤの意匠が変えられた。後期モデルの方が一般的には人気が高い。日本仕様にも2016年にはディーゼルエンジン搭載モデルが追加されている。
2019年にはフルモデルチェンジを受けてFFベースのF40型(3代目現行モデル)へとスイッチした。
2012年式M135i「とにかくエンジンが最高。全開にしたくなくても気持ちよさを感じる」
排気量:3000cc トランスミッション:AT
平均燃費:9.8km/ℓ(渋滞4割、郊外6割)
長所:とにかくエンジンが最高。全開にしたくなくても気持ちよさを感じます。長距離移動では、かなりの好燃費。クイックで正確なハンドリング。可変レシオでも違和感はなく、峠だけでなく街を走っていても楽しい。総合的に思った通りに走るし、曲がるし、止まる。走りに関するバランスが良い。
短所:良くも悪くも見た目は普通の1シリーズ。もう少し差別化して欲しかった。後部席が狭く、背もたれが立ち過ぎて、後部席でも長距離移動はちょっと大変。若干フロントベビーで、雪道におけるトラクションが足りない。特に駐車後の発進は僅か段差も登れない。
評価
外観:★★★☆☆ 差別化が足りないし、評判イマイチの前期型
室内:★★★★☆ ほとんど3シリーズと共通で満足度は高い
走行性能:★★★★★ 運転した人にしかわからない素晴らしさ。最後のN55エンジンも最高。
燃費性能:★★★★☆ 3リッターターボにしては、存外の良さだと思う。
装備:★★★☆☆ 前期型なので、何もついてないが、必要にして充分。
満足度:★★★★★ もう新車で買えないので、少しでも長く大切に乗りたいです。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「とにかく試乗して欲しいです。タイヤサイズが特殊だったり、オイルの容量が多かったり、少し維持費はかかりますが、乗ればすべて気になりません」
2012年式 116i「300万でBMWでこの走りは、すごく満足」
排気量:1600cc トランスミッション:AT
平均燃費:11.5km/ℓ(ほとんどが近場での買い物。2割くらいが高速移動)
長所:一番ベーシックなBMWであっても、走りの楽しさが味わえる。低速から高速まで軽快な走りをする。8速ATが素晴らしい。神ATと呼ばれることがわかる。高速では、マニュアルモードで走るとパワー不足も感じない。
短所:サスペンションのストロークが不足している感じがある。不整地では乗り心地が悪い。故障が多い。やはり電気系統がやられた。LEDの不点灯はまるごと交換なので、費用が掛かる。
評価
外観:★★★★☆
室内:★★★★☆
走行性能:★★★★☆ もう少しパワーが欲しかった。1.5ℓ3気筒乗った時、それは良くなっていた。
燃費性能:★★★☆☆
装備:★☆☆☆☆
満足度:★★★★★ 300万でBMWでこの走りは、すごく満足しています。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「BMWは1シリーズでも満足できます。まずは、購入しないと」
2019年式118d Mスポーツ「後輪駆動で素直な直進性と回頭性」
排気量:2000cc トランスミッション:AT
平均燃費:14.5km/ℓ(通勤・買い物が8割、長距離ドライブが1割)
長所:Cセグメントで唯一無二のFR4ドアハッチバック。気持ちの良いディーゼルエンジンが選べる。ディスコンになる前に思い切って購入した。後輪駆動で素直な直進性と回頭性をもつ。アクセルオンで後輪が外に出る感覚は320dツーリングと比較してもわかりやすい。320dと比較するとエンジン出力が抑えられているが、車重が軽いせいか出足はむしろ軽快だ。超高速域での伸びは320dツーリングに劣るのが残念だ。後席は広くないが大人2人が長時間乗っても疲れない。以前所有していたGOLF 5と同程度ではなかろうか。静粛性は、320dツーリングと変わらない。
短所:ただしMスポーツ・サスペンションと18インチタイヤのため乗り心地は硬い。不快ではない。高速道路でちょうどよい感じ。2名乗車以下の時、後輪荷重が軽いせいか路面の段差で後部が突き上げられて跳ねる時がある。操作系は3シリーズと統一されるが、なぜかウインカー、ワイパーは若干違う。3シリーズの方が操作感が良い。
評価
外観:★★★★★ FFハッチバックとは明らかにプロポーションが違う。前後のバランスが良い。
室内:★★★★★ 豪華版なので素の1シリーズより高級感がある。
走行性能:★★★★☆ 110kw仕様にもかかわらず峠道をテールスライドさせながら登れる。下りもブレーキタッチが良いので安心して突っ込める。
燃費性能:★★★★☆ エンジン出力も車重も大きい320dツーリング標準車より燃費が悪いのは扁平タイヤのせい?
装備:★★★★☆ 3シリーズでは総ての安全装備が基本備わっているが、1シリーズはグレードによって省かれているのが残念だ。
満足度:★★★★★ 新1シリーズはFF化されてしまったのが非常に残念です。大事に乗っていきたいです。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「実用性と走る喜びを兼ね備えています。もう新車では買えないかもしれませんが、今からでも遅くないと思います。」
初代(E87/E81系)2004-2011年
初代BMW1シリーズが登場したのは2004年。基本プラットフォームは、E90型3シリーズと共有する。当時のデザイン部長は、クリス・バングルである。2004年当時でもこのクラスでFRレイアウトを採るクルマはBMW1シリーズだけだった。エンジンは1.6ℓ直4/2.0ℓ直4、そして3.0ℓ直6をラインアップしていた。
2008年式 135iクーペ「コンパクトだけれども豪華で速いのが欲しい人には最高」
排気量:3000cc トランスミッション:AT
平均燃費:7.0km/ℓ(高速だけなら10km/ℓ走るが、街乗りだけなら6~7km/ℓかも)
長所:コンパクトなのに重厚なフィーリング。
短所:ドリンクホルダーがない。市販品で1万円した。
評価
外観:★★★★★ コンパクトグラマーで最近の車にはない曲線美。
室内:★★★★☆ リヤシートも入ってしまえば案外広い。
走行性能:★★★★★ エンジン音がするのが好きならば最高。
燃費性能:★★★★☆ 3.0ℓ直6ツインターボの割には充分。
装備:★★★☆☆ あくまで当時のフル装備
満足度:★★★★★ 小さくて、優雅で、速い。
このクルマの購入を検討している人にひと言
「コンパクトだけれども豪華で速いのが欲しい人には最高」
2008年式130i「最新デバイスはまったくないが、エンジン性能には満足」
排気量:3000cc トランスミッション:MT
平均燃費:8.8km/ℓ(ほぼ郊外での一般道ドライブのみ)
長所:3.0ℓターボのわりには実燃費がよい。エンジンフィーリングとパワー。クーペのわりには使い勝手がよい。
短所:MTのギヤ比やシフトフィーリングが悪い。最新の運転支援機能がない。最新の車内コミュニティ機能が無い。
評価
外観:★★★★☆ ヘッドライト含むフロントデザインがハッチバックと共用なため、見た目がぶきっちょ
室内:★★★☆☆ 収納が少なく、使い勝手が悪い
走行性能:★★★★★ エンジンに関しては最高
燃費性能:★★★★☆ 思っていたよりかは良かった。しかし、燃料タンクが小さいのが不便
装備:★☆☆☆☆ さすがに古さを感じさせられる
満足度:★★★★☆ 当時の価格と今の車の価格を比較すると、あのとき買っておいて良かったと満足している
このクルマの購入を検討している人にひと言
「今の車と比較すると、最新デバイスはまったくないが、エンジン性能には満足できて、今でも買い換えたいとは思えない。満足できる車です」