ひと足早くタイでマイナーチェンジしたミラージュ

三菱のコンパクトカー「ミラージュ」が、2019年11月18日、マイナーチェンジを実施した……というのは、日本ではなく、生産国のタイでのお話。フェイスリフトを実施し、スポーティなスタイルへと生まれ変わった。タイを皮切りに、その他の地域でも順次導入されるという改良型ミラージュを「タイ・バンコクモーターエキスポ」の会場で、ひと足先に確認してみた。




REPORT＆PHOTO●大音安弘（OHTO Yasuhiro）

　ミラージュといえば、グリルレスの「初期型」からグリル付きの「現行型」へと大胆なイメチェンを図ったことが印象的だが、タイで発売された最新モデルは、フロントマスクに、新ファミリーフェイスデザインとなる「ダイナミックシールド」を採用した若々しいものとなった。




　新しいダイナミックシールドによるフロントマスクは、他の三菱車のように、力強さを感じるものに仕上がっているが、SUVのようなタフな顔つきというよりも、クールさを際立たせたので、コンパクトカーに相応しい軽快な走りを予感させてくれる顔立ちといえる。個人的には、現行ミラージュのマスクでは最も好みとなった。

　前後のランプデザインも一新され、上級グレードには、フロントに、LEDデイライトランニングランプ付きのプロジェクターBi-LEDヘッドランプを装備。リヤランプは、全車でLEDとした。またエアロスタイルとレッドアクセント付きのフロントグリルも上級仕様向けのアイテムとなるが、エントリーグレード以外には、全て装備されているので、こちらの仕様の方がメインとなるのだろう。

　インテリアでは、黒を基調とするが、チェック柄を取り入れたシートを採用することで、カジュアルさを演出しており、現行型のものよりもお洒落な仕上げにとしている。機能面では、全グレードで、全車にApple CarPlayとAndroid Auto対応のディスプレイオーディオを標準搭載するなど、コネクティビティ機能も充実化させている。

　パワートレインは、現行型同様に、1.2L直列3気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力78ps/6000rpm、最大トルク100Nm/4000rpmを発揮する。数字上のスペック変更はないので、基本的にはキャリーオーバーと考えてよさそうだ。トランスミッションは、CVTが基本だが、エントリーグレードのみ、5速MTを設定。バンコクなど都市部では、渋滞が多いので、こちらでもATが好まれているようだ。




　今回の改良の狙いを三菱自動車工業に問い合わせたところ、「エレガントでスポーティなデザインに一新することでアクティブな若者層を取り込みを狙っている」とのこと。ただ現状でもタイなどの東南アジア諸国では、20~30代の若い女性がメインユーザーだそう。チェックの内装などインテリアの気配りも、そんなユーザーたちを意識したものといえる。タイでの価格は、47万4000バーツ～61万9000バーツだ。(約172万円～約225万円※1バーツ＝3.63円換算)




さて、日本導入のタイミングだが、2020年内を予定していることを明かしてくれた。日本仕様がどのようにものとなるのか、今から楽しみだ。