
ポルシェ初となるピュアEV、タイカンがついに正式発表された。ワールドプレミアは、北米、欧州、中国の三大市場で同時に行われ、それぞれ再生可能エネルギーを象徴するロケーションが選ばれた。グレード構成はタイカンターボとタイカンターボSの二本立てで、それぞれ最高出力680psと761psを発生。0-100km/h加速は3.2秒と2.8秒をマークするという。

761psで0-100km/h加速2.8秒のスーパーEVスポーツ!
かねてからティザー広告が展開されていたポルシェ初の100%EV「タイカン」が、ついに正式デビューを果たした。
ワールドプレミアは、三大市場となる北米、欧州、中国で同時に行われ、発表の舞台にはそれぞれそれぞれ再生可能エネルギーを象徴するロケーションが選ばれた。北米はカナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州にまたがるナイアガラの滝で(水力発電)、欧州はドイツのベルリン近郊ノイハルデンベルクのソーラーファーム(太陽光発電)、そして中国は福建省のピンタン島のウインドファーム(風力発電)である。

グレードはタイカンターボSとタイカンターボの二本立てだ。
トップエンドモデルのタイカンターボSは、最高出力560kW(761ps)と最大トルク1050Nmを発生。タイカンターボの最高出力は500kW(680ps)、最大トルクは850Nmとなる。
0-100km/h加速はタイカンターボSが2.8秒、タイカンターボは3.2秒でこなす。最高速度はいずれも260km/hだ。
航続距離はタイカンターボSが最大412km、タイカンターボが450km(いずれもWLTP)とアナウンスされている。

タイカンの電圧は通常の電気自動車用の400Vではなく、市販車として初めてとなる800Vとなる。これはタイカンの大きなアドバンテージで、わずか5分程度で高出力充電ネットワークの直流(DC)を使って最高100kmの航続距離に必要なエネルギーをバッテリーに充電することができるようになる。
バッテリーの充電状態(SoC=State of Charge)が5%の状態から80%まで充電するのに必要な時間は、最大充電容量270kWの状態において22分30秒だ。パフォーマンスバッテリープラスリチウムイオンバッテリーの総容量は最大93kWh。一般家庭で最大11kWの交流(AC)で充電することができる。

タイカンは2基の電気モーターをフロントアクスルとリヤアクスルに1基ずつ搭載しており、4輪駆動となる。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、それぞれコンパクトなドライブモジュールに統合されている。このモジュールは現在において市販されているすべてのエレクトリックパワートレインの中で最高の電力密度(パッケージスペースの1リッターあたりのkW)を備えているという。
電気モーターの特徴として挙げられるのは、ソレノイドコイルのヘアピン巻線だ。このテクノロジーによって多くの銅をステーターに組み込むことが可能になり、体積は同じまま出力とトルクが増加する。リヤアクスルには2速トランスミッションが搭載され、1速は静止状態からの発車時に大きな加速を、ロングレシオの2速は消費電力の抑制に寄与する。

ポルシェによれば、2019年中にはさらに出力を抑えたモデルが登場するという。さらに2020年末までには、派生モデルとして「タイカンクロスツーリスモ」がデビューを予定している。
ポルシェは2022年までに60億ユーロ以上を電動化事業に投資する予定だという。