Creaform(クレアフォーム)は、生産現場での高速かつ高精度の自動計測を実現する3Dスキャニング座標測定装置(CMM)をターンキーソリューションとして開発した新製品「CUBE-R」(キューブ アール)の販売を、日本および東アジアの製造業大手に向けて3月5日より開始する。
CUBE-Rは、世界最速クラスの革新的な高精度光学3D測定スキャナー「MetraSCAN 3D-R」を高性能ロボットに搭載し、自動写真測量方式の光学式トラッカーとのキャリブレーションを自動で行うキットを、約4.1m四方の工業用セル内に組み込むことにより、3mまでのサイズの対象物の計測を、業界最高クラスのスピードで、極めて高精度に、完全自動で行う、自動品質測定システム。
人の手では不可能な計測も高精度で自動計測し、安心安全設計でオールインクルーシブのターンキーソリューション。24時間稼働し続けて人件費を削減し、顧客評価の高い独自の「VXelements」3Dソフトウェアプラットフォームにより、リアルタイムに可視化して三次元データに落とし込む。
本製品は、生産性の問題から従来のCMMでは困難であった製造の自動ライン上での光学3D測定を可能にするものであり、導入メーカーは生産サイクルとスループットの最大化を実現し、製品品質の向上を図ることができる。
本製品は以下のユニットで構成されている。
■高性能ロボット搭載型光学式3Dスキャナー「MetraSCAN 3D-R」
Creaform3D計測ソリューションのフラッグシップ「R-Series」の名を冠された光学式3DスキャナーMetraSCAN 3D-Rは、従来比1.5倍の精度を持ち、最大0.030 mmの精度、最大0.050 mmの解像度で、高い再現性とトレーサブルな認定が得られます。7本のレーザークロスにより、前世代に比べ12倍の速度となる480,000測定値/秒という極めて高速な3Dスキャン測定を実現。あらゆるレーザースキャナーの中で最高クラスのスピードを誇る。計測値はVXelementsとの連携により、リアルタイムで可視化し3Dデータ化する。自動メッシュ出力によりデータ取得後、ファイル使用が瞬時に可能。表面反射の具合で計測が難しかった黒色面、多色面、光沢面も含め、あらゆるタイプの部品の計測が可能だ。
ハンディタイプ(ポータブル)のMetraSCAN 3Dが原型の先進3Dスキャナーをロボット(ファナック製)のアーム先端に搭載することにより、どのような測定環境でも高い精度を実現。ターンテーブルとの連携により、測定中に対象物を回転させるダイナミック参照が可能。光学式リフレクターを使用して、測定対象物に「固定される」座標系を作成する。この座標系の設定によって対象物の移動を可能にし、測定プロセスや測定結果への振動による影響も排除。最大3mまでの対象物の3Dスキャニング検査を1日あたり数百点ペースで実行していくことができる高い生産性を誇る。
■C-Track光学式トラッカー
C-Trackの左右に搭載されたふたつのカメラが、スキャン前にポジショニングターゲットを同時に取得。取得情報を基にソフトウェアは三角測量を行い、測定対象物の位置とその環境を確認できるようになる。自動写真測量方式(フォトグラメトリー:オートカメラ機構)により、あらゆるタイプの部品でスキャン層のデータ精度の向上が実現。測定範囲容積は16.6 m3と大型対象物にも対応。車両一台全体などさらに大きな対象物の場合、C-Track4台まで使用することが可能だ。
■R-Seriesオートキャリブレーション
完全自動キャリブレーションに必要なあらゆるツールを揃え、C-TrackおよびMetraSCAN 3D-Rのキャリブレーションを完全自動で実行。時間経過に伴う精度への影響を防ぎ、連続運転を可能にする。
■R-Seriesプロダクティビティステーション
高い生産性を求められる生産現場に適合する産業用PCステーション。スキャン、データ処理、検査結果の出力といった一連のサイクルの時間を大幅に短縮し、かつデータ取得・処理・分析を同時に進めるマルチタスク機能で連続稼働を可能にしている。
■VXelements 3Dソフトウェアプラットフォーム
Creaformの優れたVXelements 3Dソフトウェアプラットフォームおよびアプリケーションを搭載。リアルタイムの可視化が可能で、シンプルかつ効果的な3Dスキャンを可能にする。計測、データ取得プロセスにおいて不可欠なあらゆるツールがシンプルかつ作業効率性の高いインターフェースに集約されて、最小限の操作で自動検査を実行できるよう設計されている。
MetraSCAN 3D-Rは、 次の主要検査ソフトウェアと互換性がある。
Metrologic X4(i-Robot)、3D Systems(Geomagic Solutions)、InnovMetric Software(PolyWorks)
<ターンキーソリューション>
前記各ユニットを約4.1m四方の工業用セルの内部に完全キットとして組み込み、インテグレーション不要で、全てが揃った完全なターンキーソリューションとして提供する。導入後は最短三週間で稼働開始が可能。
<製品市場戦略>
CUBE-Rはハンディ(ポータブル=持ち運び可能)スキャナー市場でリーディング企業として展開してきたCreaformが、高性能スキャナーをロボットに装着し、計測の自動化を提案していく戦略商品。本製品は、自動車のドア1枚がすっぽり入る最大3mというサイズまでを対象物とするレンジで開発・商品化された初の光学式3D自動計測ソリューション。自動車、航空機など主要パーツのサイズが当該レンジとなる製造業において、その品質管理と生産性向上のためのニーズが今後拡大することが予測され、Creaformは高い市場性が見込めるこのサイズレンジを狙った本ソリューションの普及に注力していく。
<販売戦略>
世界に3台配備されたデモ用実機の1台がここ日本に配置され(成田オフィス)、このほど稼働を開始している。アメテック クレアフォーム事業部では実機を使用したデモの実施を通して、生産ラインの現場に革新をもたらす本システムの卓越した計測ソリューションをアピールし、国内および、中国を含む東アジアの大手製造業各社に向けて、早期にシェアを固め、市場トップの獲得を目指して普及・導入を図っていく。参考販売価格は約4,000万円(税別)より。販売はCreaformのパートナー各社を通じて行う。
●CUBE-R
寸法:4.1m x 4.1m x 3.1m
最大対象サイズ:最大3m
最大対象重量:最大1,500kg
開口幅:3.1m
●METRA SCAN 3D-R(MetraSCAN 750-R ELITEにおいて)
精度(※1):最大0.030mm
容積精度(※2):最大3mの対象物:0.078mm
解像度:最大0.050mm
スキャン範囲:275 x 250mm
対象物からの焦点距離:300mm
被写界深度:200mm
光源:レーザークロス7本(+追加ライン1本)
レーザークラス:2M(目に安全なレベル)
測定速度:480,000測定値/秒
重量:・スキャナー:4.46kg
・スキャナー+キャリブレーションバー:5.70kg
・C-Track:5.7kg
慣性範囲:J6:0.221kg-m2
J6:2,250kgf-cm-s2
寸法(L x W x H):289 x 235 x 296mm
動作温度範囲:5~40℃
動作湿度範囲(結露なし):10~90%
認定:EC規格に適合(EMC指令、 低電圧指令、 無線製品および通信機器)、
充電可能なバッテリー(該当する場合)、 IP50、 WEEEと互換性あり
(※1)キャリブレーションされた球面アーティファクトに対する直径測定の一般的な値
(※2)ASME B89.4.22に基づく。 C-Trackの動作容量(値=最大偏差)内の異なる位置および方向において、 長さが追跡可能な対象物を測定することにより、 性能が評価される