ジムニーフルモデルチェンジ目前を記念して!
なぜかマニアックに末期型ジムニーの内外装解説!
「直前スペシャル」というほどスペシャルな内容でもないが、これまで(たぶん)あまり語られてこなかった、軽ジムニーとシエラの内外装の違いをここにまとめてみた。
暇つぶしにちょっとお付き合いいただければ幸いです。
TEXT●山口尚志(HISASHI Yamaguchi)
PHOTO●中野幸次(KOUJI Nakano):ジムニーJ23W ランドベンチャー
山口尚志(HISASHI Yamaguchi):ジムニーシエラJB43W/
新型ジムニー発表が近づいてきた。
2月から約4か月半の間、スズキラインナップの中で空白を置いていたジムニーが、いよいよ装いも新たにして帰ってくる。
このときこそ、わがシエラも本当の意味で旧型になるわけだ。
「ジムニーワイド」の名でいまのシエラが登場したのが1998年1月。
その9か月後の1998年10月に軽ジムニーが発表。
シエラにとっては20年6か月、軽ジムニーにとっては19年9か月を経た両車のモデルチェンジの1日前に、あらためて軽ジムニーとシエラの相違点を紹介したい。
そんなもんいまになって解説してどうすんだという声があろうことは承知も承知。
過去20年の間、軽ジムニーと乗用ジムニーを同じ土俵に載せて比較した雑誌は、弊社の雑誌も含めて存在しないと思う。
ならばその比較を紹介する今回のこのページで、JB23WとJB43W最後の花道を飾ってあげようではないか。
と、無理やりな決めうちをすることにし、今回は軽ジムニー、シエラの違いを、カタログでは語られないところにまで踏み込みながら語っていこう。
まずは外観から。
■軽ジムニー & ジムニーシエラ・外観比較
★フロント
ここまで何度も書いているとおり、ボディそのものは軽ジムニーもシエラも同じ。
外装樹脂パーツの有無で違いを出している。
すなわち、前後のオーバーハング量を増やした前後バンパーとホイールアーチを縁どるオーバーフェンダー、そしてその間を結ぶスプラッシュガード・・・これらシルバーに塗られたパーツで、軽ジムニーに対して全長を205mm、幅を125mm、それぞれプラスしたシエラとなっている。
正面に移って。
写真の軽ジムニーは特別仕様車・ランドベンチャーなので、グリルやドアミラーが特別あつらえとなっているが、本来の軽ジムニーは写真のシエラと同じグリルとなる。
また、この軽ジムニーは、バンパー下部に加飾がされているが、形状自体は標準の軽ジムニーと同じ。
正面から見たときの両車の違いは、バンパーおよび横にはみ出て見えるオーバーフェンダーなわけだが、これだけでもずいぶんシエラがお兄ちゃんに見えるから侮れない。
タイヤトレッド幅の90mm拡大も効いている。
★リヤ
リヤはこのようになる。
車幅以外の大きな違いは、後述するランプのほかに、タイヤサイズの相違によるスペアタイヤハウジングのサイズ、ナンバープレートの位置がある。
プレートは軽ジムニーが車両左側なのに対し、シエラはバンパー中央部をえぐった座面の中に設置。
スペアタイヤを背負っていること、ナンバープレートが下にあることから、車両の一部を写しながら車両後方を中継するカメラの設置場所が皆無に近い。
全長が短いし、運転席からリヤガラスが近いので、実際のバックで困ることは少ないだろうが、カメラがほしい人は妥協しながらの設置となるかもしれない(車両一部が映らない場所に置く、リヤガラス内側に設けるなど)。
★アプローチ&デパーチャーアングル
バンパーの突出量の違いでアプローチ&デパーチャーアングルが異なるのはお察しのとおり。
★タイヤ
★フロントガラス部
フロントガラスは見た目は同じでも、シエラだけ機能が追加されていて、デアイサーがついている。ガラス下端から右ピラー沿いにかけて電熱線がプリントされており、冬期のスイッチONで、ガラスに凍りついたワイパーや雪、氷を溶かしてくれる。
厳寒地域の心強い味方だ。
★灯火類
【フロント】
【リヤ】
★バックドア下端のリフレクター
★エンジン
軽ジムニーのエンジンは、軽だからK6A型(嘘です)、シエラはM13Aをどちらも縦に搭載。
軽ジムニーはインタークーラーを積む都合上、エンジンフードに冷却風取入口を設けているが、そのフードを、ターボもインタークーラーもないシエラに共用したため、シエラにとっては意味のないふくらみとなっている(穴はふさいである。)。
なお、エンジンルーム内のレイアウトもまるで異なり、エンジンのインテークパイプは軽ジムニーは左ヘッドランプ裏に、シエラは逆に右ランプ裏にある。
伴って、でもないが、ウォッシャータンクは軽ジムニーが車両右がわに1.5Lのものが、シエラは2L用が左がわにある。
そういえば、いまや希少な油圧式パワーステアリングの油圧ポンプやフルードタンクがあるのはシエラだけのものだ。
■軽ジムニー & ジムニーシエラ・内装比較
しつこいが、軽ジムニーもシエラもボディは同一だから、ボディに包まれる内装の相違点は、外観ほど多くない。
したがって、インテリアの造形は基本的には同じだ。
相違点は間違いさがしレベルの項目しかない。
★メーター
その中にあって目立つ違いはまずメーターだ。
レイアウト全体は同じものの、軽ジムニーはスピードメーターが140km/hスケール、タコメーターが9000rpmまでのものとなる。
レッドゾーンが7000rpmから。
電動パワーステアリングのシステム警告灯は軽ジムニーだけのもので、油圧パワステのシエラはこの部分が半ドア警告灯となる。
そのシエラのメーターは他の普通車同様、スピードメーターは180km/hスケール、タコメーターは、レッドゾーンが6500rpmとなる8000rpmスケールに。
横滑り防止装置の作動表示(と警告も)灯とそのOFF表示灯はシエラだけ。
★メーター右のスイッチ
軽ジムニーは、いちばん左がコインホルダー、その右は、フォグランプ装着車ならそのスイッチ。
いちばん右はダミースペース。
シエラはすべてスイッチとなり、左側から順に横滑り防止装置のキャンセルスイッチ、フォグランプスイッチ、前述したデアイサーのスイッチが並ぶという具合だ。
・・・かけ足で軽ジムニーとシエラの違いをお見せしてきた。
もし、本ページの読者の中にJB23W、JB43Wの中古を検討している方が参考にして下さったら幸いだ。
それにしても、この三代目軽ジムニー&シエラの内外装紹介を、新型登場を目前に控えたタイミングで行ったのはこのページだけだろう。
いよいよ世代交代間近!
JB23W軽ジムニー、JB43Wジムニーシエラ、20年もの長い間、お疲れさま!
(第7回につづく)