4代目となる新型メガーヌが日本導入された。ノーマルモデル等のラインアップではなく、まずはルノースポールがチューニングを手掛けるGTグレードから導入するのが、なんともルノー・ジャポンらしい。FFモデルでありながら4輪操舵システムを採用した新型メガーヌGTに要注目だ。
トゥインゴやルーテシアなどBセグメント以下のモデルが好調なルノーに、待望のニューカマーが加わった。欧州ではVWゴルフやメルセデスAクラス、プジョー308の直接的なライバルとなるCセグメントモデルの新型メガーヌだ。
欧州ではノーマルグレードなど多彩なラインアップが用意されているこのメガーヌだが、日本市場にはルノースポールがチューニングを手掛けたGTグレード(GTラインもあるが……)を中心に導入する。今年でF1参戦40周年を迎えるルノー、その脈々と流れる熱いフィロソフィを注入したルノースポール直系モデルをまず導入してくるところが、ユニークでもあり、王道よりニッチを好むルノーユーザーの心を捉えたチョイスと言えよう
新型メガーヌはハッチバックの「GT」とツーリングワゴンの「スポーツ・ツアラーGT」が用意されるが、いずれも205psを発生する1.6L直噴ターボエンジンを搭載する。Bセグメントのルーテシアには乾式の6速DCTを組み合わせるが、メガーヌGTはゲトラグ製の湿式7速DCTに進化を遂げ、よりダイレクト感あるシフトチェンジを楽しめるようになっているという。
新型の最大のトピックはなんといってもFF車としては稀有な4輪操舵システム「4コントロール」をGT系に装備したことだろう。4輪操舵システムは2000年ラグナGTや新型エスパスにも採用されている実績があるが、今回メガーヌには初採用となる。
チューニングはもちろんルノースポールが行っており、時速60km未満(スポーツモード時は時速80km/h未満)では後輪は前輪と逆位相で、回転半径を小さくし、一方時速60km以上(スポーツモード時は時速80km/h以上)では後輪は前輪と同位相となり、ヨーやロールを減らし安定性を高める効果を持つ。ちなみに4コントロールは電子制御アクチュエーターでタイロッドを動かし、後輪を制御する仕組みで、最大切れ角は2.7°だ。
先日のフランクフルトモーターショーで披露されたメガーヌR.S.にも4コントロールの採用されることが発表されたが、ルノーが4輪操舵に注力するのは明確な目的があるからだ。それはニュルブルクリンク北コース、FF市販車最速記録をホンダ・シビックタイプRから奪還するためにほかならない。
新型シビックの叩き出した7分43秒80というタイムを超えるためには4輪操舵という飛び道具が必要だったのだろう。ちなみに発表会当日に広報の方とお話しをする機会があったが、新型メガーヌR.S.はシビックタイプRの記録を抜くでしょうと、自信満々だった。
ニュルで勝つために開発したと思われる本システムをメガーヌGTに採用してしまうのも実にルノーらしい。
ちなみに気になる価格はメガーヌGTが334万円、メガーヌスポーツ・ツアラーGTが354万円、メガーヌGTラインが263万円となっている。
SPECIFICATIONS
ルノー・メガーヌGT<メガーヌスポーツ・ツアラーGT>
■ボディサイズ:全長4395<4635>×全幅1815×全高1435<1450>㎜ ホイールベース:2670<2710>㎜ ■車両重量:1430<1480>㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1618cc 最高出力:151kW(205ps)/6000rpm 最大トルク:280Nm(28.6㎏m)/2400rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:FWD ■サスペンション形式:F マクファーソンストラット式 R トーションビーム式 ■ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク ■タイヤサイズ(リム幅):225/40R18(7.5J) ■車両本体価格:334<354>万円
問い合わせ/ルノーコール TEL0120-676-365