車は、購入時だけでなく維持していくうえでもさまざまな費用がかかります。車種や利用状況によっては年間で100万円以上になることも。しかし車の維持費は、あらかじめそれを考慮して車を選んだり、購入後に工夫したりすることで節約できます。
ここでは、どのような維持費がいくらかかるのか、普通車と軽自動車でのシミュレーションを交えながら解説します。また、維持費の節約方法についても、ファイナンシャルプランナーによる解説を交えてご説明します。
ファイナンシャルプランナーの伊藤です。車を買った後に維持費が予想外にかかることを知って慌ててしまう方も多いようです。維持費は年間どのくらいかかるのか、また、安く抑えるにはどのような方法があるのか、確認しておきましょう。
- 車の維持費の相場は、年間で軽自動車なら約33,000円、コンパクトカーが約37,000円、ミドルサイズSUVが約39,000円、ファミリー向けミニバンなら約43,000円程度
- 軽自動車やコンパクトカーは維持費が安い傾向がある
- 低燃費の車を選んだり、自動車保険を見直したりすることでも維持費は抑えられる
車の維持費は車の種類によって変わる
車の維持費には、車のサイズ、重量、そして排気量や燃費性能など、さまざま条件が影響し、維持費が安い車があれば高い車も存在します。
それでも、車の種類によって安い・高いという傾向があるので、車の分類による維持費の傾向について見ていきましょう。
維持費が最も安い:軽自動車
軽自動車は日本独自の規格で、乗用車の中で最もコンパクトなタイプです。ボディサイズは全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下、全高2,000mm以下に規制されており、エンジンの排気量も660cc以下でなければなりません。また、乗車定員は最大4名までです。
軽自動車は軽自動車税(種別割)や自動車重量税が普通車よりも安く、排気量やボディサイズが普通車よりも小さいため、燃料費も抑えられます。また、高速道路料金や保険料も普通車より安く設定されているので、乗用車の中では最も維持費を抑えやすい区分といえます。
登録車の中では維持費が抑えられる:小型自動車(コンパクトカー)
5ナンバーもしくは7ナンバーの小型自動車は全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下、排気量は2,000cc以下と定められており、この条件を一つでも上回るとその車は小型自動車ではなく普通自動車に該当します。
なお、一般的に「コンパクトカー」はこの道路運送車両法の分類における小型自動車を指しますが、メーカーによっては、分類上は小型自動車の基準を満たしていない普通車であっても自社メーカーの中で比較的小さい車をコンパクトカーと位置付けることもあります。
軽自動車ではない登録車、一般的にいう「普通車」の中でも、小型自動車はボディサイズや排気量が小さいため比較的維持費が抑えられる傾向があるといえるでしょう。
維持費の負担は比較的大きい:普通自動車
3ナンバーの普通自動車は、小型自動車の基準を1項目でも上回った乗用車が該当し、自家用乗用車の中では最も維持費がかかるといえます。特に車体が大きいモデルは車両重量が重く、さらにその重たいボディを動かすためのパワーが必要になるためエンジンの排気量も大きくなりがちです。
そのため自動車税(種別割)や自動車重量税が高くなることに加え、燃料代もかさみます。また車検を業者に依頼するときに必要になる車検基本料や車検整備費用も、ボディサイズや排気量が大きくなるほど高くなるのが一般的です。
車の維持費の項目にはどんなものがある?
車の維持費には、さまざまな項目があります。具体的には自動車税(種別割)や自動車重量税、自賠責保険料といった法定費用、車検基本料、そのほかに燃料費やメンテナンス費用、駐車場代などがあります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
自動車税(種別割)、軽自動車税(種別割)
自動車税(種別割)もしくは軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での車の所有者に課せられる税金で、課税対象期間は翌年3月31日までの1年間となっています。
普通車にかかる自動車税(種別割)は排気量によって異なるのに対し、軽自動車は排気量が660cc以下に規制されているため排気量による税額の差はなく、一律です。
なお、以下の表に示したとおり自動車税(種別割)もしくは軽自動車税(種別割)は新車登録の時期によって税額が異なり、2019年10月1日以降の車と比較して2019年9月30日以前に新車登録された車では税額が上がります。また、新車登録から13年経過した際は普通車も軽自動車も税額が上がります。
〈自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)〉
排気量 | 2019年9月30日以前に 初回新規登録を受けた車 | 2019年10月1日以降に 初回新規登録を受けた車 | |
---|---|---|---|
普通車 | 1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,000cc超〜1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 | |
1,500cc超〜2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 | |
2,000cc超〜2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 | |
2,500cc超〜3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 | |
3,000cc超〜3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 | |
3,500cc超〜4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 | |
4,000cc超〜4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 | |
4,500cc超〜6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 | |
6,000cc超 | 11万1,000円 | 11万円 | |
軽自動車 | 10,800円* | 10,800円 |
* 初度検査年月が2015年3月以前の場合は7,200円
車検費用
自家用乗用車の場合、車検は新車登録の3年後、以降は2年ごとに受けることが義務付けられています。車検費用は「法定費用」と「車検基本料」「交換部品代」の3つに大きく分けられます。
法定費用
法定費用には、「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙代」が含まれます。いずれも法律で金額が決められているので、どこで車検を受けても同額です。
・自動車重量税
自動車重量税は、下表のように車の重量に応じて課せられる税金です。自動車重量税は年税ですが、車検時に車検の有効期間分の2年分をまとめて納税します。
〈自動車重量税〉継続車検で2年分を支払う場合
2年自家用 | |||||
エコカー | エコカー (本則税率) | エコカー以外 | |||
免税 | 13年未満 | 13年超 | 18年超 | ||
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 | |
0.5t以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 | |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3.0t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
自動車重量税は、一定の基準を満たす燃費性能を持つ車の場合「エコカー減税」による税金の減免措置が受けられます。
また、新車登録から13年経過、さらに18年経過で重課となり税額が上がりますが、EV(電気自動車)やハイブリッド車などのエコカーに関しては、重課はありません。
・自賠責保険料
自賠責保険はすべての車に対して加入が義務付けられている保険で、強制保険とも呼ばれます。自賠責保険に加入していない、または有効期限が切れている状態での公道走行はできません。
自賠責保険料も自動車重量税と同じく、車検の有効期限分である2年分をまとめて車検時に支払います。ただし、車検を受ける時期と保険の有効期間のずれが発生するケースがあるため、25ヵ月で加入するのが一般的です。
自家用乗用車、検査対象軽自動車の自賠責保険料は以下のとおりです。
24ヵ月 | 25ヵ月 | |
---|---|---|
自家用乗用自動車 | 17,650円 | 18,160円 |
検査対象軽自動車 | 17,540円 | 18,040円 |
・印紙代
車検では、手数料を現金ではなく印紙もしくは証紙によって納付するように法律で定められています。なお、印紙は納付先が国であるのに対し、証紙は地方公共団体であるという違いがあります。
印紙代は車検を依頼する工場によって変わってきます。
【指定工場】
指定工場は、車検ラインを工場内に持ち、地方運輸局長の指定を受けその場で車検が実施できる工場を指します。
【認証工場】
認証工場は、地方運輸局長の認証を受けた整備工場を指し、分解整備はできますが車検を工場内で行うことはできません。認証工場に車検を依頼した場合は工場内で整備を行った後、車検場へ車を持ち込んで検査を実施するという流れになります。
それぞれの場合の印紙代を、表にまとめました。
自動車の種別 | 納付先・金額 | |||
国 (検査登録印紙) | 機構 (自動車審査証紙) | 合計額 | ||
指定工場 | 普通自動車 | 1.400円 (OSS)1,200円 | 400円 | 1,800円 (OSS)1,600円 |
小型自動車 | ||||
軽自動車 | ||||
認証工場 | 普通自動車 | 500円 | 1,800円 | 2,300円 |
小型自動車 | 500円 | 1,700円 | 2,200円 | |
軽自動車 | 1,800円 | 400円 | 2,200円 |
車検基本料
車検基本料は、車検代行業者に支払うもので、業者によって価格は異なります。車検基本料に含まれる項目としては車検前の点検や整備にかかる費用、各種代行手数料、納車費用などがあります。車検基本料の相場は、普通車の場合ディーラーなら4~10万円程度。車検専門店なら20,000~60,000円程度、カー用品店では10,000 ~30,000円程度です。
交換部品代
車検に通るには、定められたすべての保安基準を満たす必要があります。車の状態によっては消耗品の補充、パーツ交換や補修が必要になることもあり、その費用も別途かかります。走行距離が長く、経年劣化が進んだ車ほどパーツも摩耗し、交換部品代が高くなる傾向があります。
法定点検費用
法律で実施が義務付けられている法定点検には、12ヵ月点検と24ヵ月点検の2種類があります。12ヵ月点検の相場は車にもよりますが10,000~20,000円程度です。
法定24ヵ月点検は継続車検のタイミングと重なるので、車検を業者に依頼するときは車検と一緒に法定24ヵ月点検も行うのが一般的です。この24ヵ月法定点検費用は車検基本料に組み込まれている場合がほとんどですが、中には別に設定している業者もあるので見積もりで確認しておくことをおすすめします。
自動車保険(任意保険)の保険料
強制保険である自賠責保険は被害者の身体に対する損害を補償するもので、補償限度額があります。しかし現在は交通事故の賠償金が億単位に及び、自賠責保険だけでは到底カバーできないケースが増えています。また、自賠責保険では被害者の車や持ち物、また加害者側の損害に対する補償がカバーされません。そうした部分を補うために任意保険に加入するのが一般的です。
自動車保険料は保険の種類や補償内容、保険会社などによって異なります。
自動車保険(任意保険)への加入は義務ではありませんが、加入しておいたほうがいいでしょう。実際、2022年3月末の時点で75.4%*の方が対人賠償保険、75.5%*の方が対物賠償保険に加入しています。
*2022年度(2021年度統計)自動車保険の概況_自動車共済・自動車保険 都道府県別 対人賠償普及率〈2022年3月末〉による
燃料費
ガソリン代は車の燃費性能や走行距離によって大きく異なりますが、185円/Lとして*燃費20km/Lの普通車で月間500kmを走ると仮定すると、1ヵ月の燃料費は4,625円、年間で55,500円かかります。
ハイオクの場合はガソリン価格がレギュラーガソリンよりも10円程度高くなるので、さらに燃料費は高額になるでしょう。
電気自動車(EV)の場合は充電スポットを利用する際に料金がかかり、月額費用に加え、充電の度に都度費用がかかるのが一般的です。普通充電であれば月額会費として約500~1,500円に加え、充電1時間あたり70~150円ほどが必要です。一方、急速充電の場合は月額費用が1,500~5,000円に加え充電1時間あたり250~600円が必要です。
なお、自宅に充電スタンドを設置する場合は、設置費用も必要です。
*2023年9月時点のレギュラーガソリンの全国平均価格(総務省統計局「小売物価統計調査」より)
駐車場代
車を保管する駐車場がなければ、車を購入できません。
自宅にガレージがあるなど、敷地内に止められるスペースがあれば駐車場代はかかりませんが、月極駐車場を借りる場合は毎月数千~数万円の駐車場代が必要になるほか、敷金や礼金、更新料などが必要になるケースもあります。
また、外出先でコインパーキングなどを利用した際にも駐車場代がかかります。
高速道路や有料道路の料金
高速道路や有料道路を利用する際は、利用料が必要です。旅行などで遠出をした場合は、数万円になることもあるでしょう。なお、曜日や時間帯で料金が変わることもあるため、同じコースでも利用するタイミングによって金額が異なる場合があります。
車の修理・メンテナンス費用
車を安全な状態で長く使用するには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスにはエンジンオイルやオイルエレメントの交換など数千円程度で済むものから、比較的高額で数万円かかるタイヤやバッテリーの交換などもあります。
そのほかにも、カーナビのデータ更新料や洗車代なども維持費に含まれます。コネクテッド機能が使用できる最新の車を使用している場合は、サービス利用料として年間13,000~20,000円程度が必要なケースもあります。
車の修理にかかる費用は内容によって異なりますが、大掛かりなものになると数万~数十万円になることもあります。日頃から車の状態をしっかりと把握し、異変があれば早めに適切なメンテナンスを行うことが維持費の節約につながります。
車の維持費はどれくらい?年間の維持費をシミュレーション
車の維持費は、表に示すように普通車か軽自動車かで金額が異なるものがあります。また、普通車の中でも、重量や排気量、燃費などによって維持費は大きく変わってきます。
そこで、普通車であるコンパクトカーのトヨタ「ヤリス」、ミドルサイズSUVの日産「エクストレイル」、ファミリー向けミニバンのトヨタ「ノア」、そして人気の軽スーパーハイトワゴンであるホンダ「N BOX」で、年間にかかる維持費をシミュレーションして比較してみましょう。なお、各車種のシミュレーションは車検のある年を前提としています。
〈普通車と軽自動車の維持費〉
軽自動車 | 小型自動車 (5ナンバー) | 普通車 (3ナンバー) | 普通車 (3ナンバー) | ||
N BOX | ヤリス X(1.0L)2WD | エクストレイル S 2WD | ノア X 2WD(7人乗り) | ||
自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)*¹ | 10,800円 | 25,000円 | 30,500円 | 36,000円 | |
車検費用 | 自動車重量税*² (2年分) | 6,600円 | 16,400円 | 32,800円 | 32,800円 |
自賠責保険料 (25ヵ月) | 18,040円 | 18,160円 | 18,160円 | 18,160円 | |
印紙代 (指定工場、OSSなし) | 1,800円 | 1,800円 | 1,800円 | 1,800円 | |
車検基本料 | 45,200円*³ | 61,600円*⁴ | 42,790円*⁵ | 66,000円*⁴ | |
自動車保険料*⁶ | 約50,000円 | 約56,000円 | 約73,000円 | 約73,000円 | |
メンテナンス費用*⁷ | 約6,000円 | 約8,000円 | 約10,000円 | 約10,000円 | |
洗車代*⁸ | 22,536円 | 22,536円 | 22,536円 | 22,536円 | |
燃料費*⁹ | 51,384円 | 54,948円 | 56,340円 | 73,500円 | |
駐車場代*¹⁰ | 124,056円* | 124,056円* | 124,056円* | 124,056円* | |
その他費用(高速道路料金など) | 約60,000円 | 約60,000円 | 約60,000円 | 約60,000円 | |
年間維持費の目安 | 約396,416円 | 約448,500円 | 約471,982円 | 約517,852円 | |
月間維持費の目安 | 約33,034円 | 約37,375円 | 約39,331円 | 約43,154円 |
*¹自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)のグリーン化特例については考慮せず、2019年10月日以降に初回登録した前提としています
*²自動車重量税のエコカー減税については考慮していません
*³ホンダカーズ兵庫の価格
*⁴トヨタモビリティ東京の価格
*⁵日産プリンス埼玉の価格
*⁶ 2022年度(2021年度統計)自動車保険の概況「任意自動車保険 用途・車種別統計表〈2021年度〉」の車の分類ごとの契約保険料を契約台数で割ったもの
*⁷オイル交換とオイルフィルター交換を年2回実施する場合
*⁸総務省統計局「小売物価統計調査」より2023年9月時点の全国平均洗車代939円を基に、月2回洗車する前提で算出
*⁹総務省統計局「小売物価統計調査」より2023年9月時点のレギュラーガソリンの全国平均価格である185円/Lを基に、各車種のWLTCモードカタログ燃費で月間500km走行する前提で算出
*¹⁰総務省統計局「小売物価統計調査」より2023年9月の全国平均月極駐車料金を掲載
シミュレーションの結果からは、軽自動車であるN BOXの維持費が最も安く、次いでコンパクトカーのヤリス、ミドルサイズSUVのエクストレイル、最も高いのがミニバンであるノアであることがわかります。
ただし、燃料費や自動車保険料は個人差があり、シミュレーションはあくまでも概算です。車が生活に欠かせない地域の方やロングドライブをする機会が多い方は、燃料費がさらにかさむ可能性もあります。またタイミングによってはタイヤ交換やバッテリー交換などのメンテナンスが発生し、メンテナンス費用が高くつくケースも少なくありません。
車をローンで購入した場合は、この維持費のほかにローンの返済金が必要になることも考慮しておきましょう。なお、このシミュレーションはエントリーグレードで行っているためヤリスやノアはガソリン車の維持費を算出していますが、ハイブリッド車を選択すると燃料費が大幅に節約できます。
マイカー所有者に聞いた「車の維持費は高い?」
実際にマイカーを持つ方たちは車の維持費について、どのように感じ、どう節約しているのでしょうか。独自にアンケートを行いました*。
なお、下記回答の「維持費」とは税金・ガソリン代・保険料・メンテナンス費・駐車場代・有料道路料金などの合計額を指しています。
*カルモマガジン編集部が、チャット調査ツール「Sprint」にて2023年2月9日に行った車の維持費についてのインターネット調査を基に掲載
乗っている車:ダイハツ「MOVE」
維持費:年間50万円くらい
「車の維持費、高いと感じています。一番はガソリン代です。近くの移動には自転車を利用しています」
乗っている車:ホンダ「フィット」
維持費:年間25~30万円くらい
「維持費の中でも車検費用が最も高いので、一部の消耗品の交換を自分で行っています」
乗っている車:日産「ノート」
維持費:年間20万円くらい
「維持費がものすごく高いと感じていますが、車がないと生活できないので節約も難しいです。そこでノートに乗り換えた結果、ガソリン代が少し抑えられるようになりました」
乗っている車:トヨタ「プリウス」
維持費:年間40~50万円くらい
「ガソリン代が高いと感じています。車より公共交通機関を利用したほうが安く済む場合は、電車やバスに乗って維持費を抑えるようにしています」
乗っている車:ホンダ「ステップワゴン」
維持費:年間100万弱くらい
「税金・ガソリン代が高いなと。節約方法としては、車検を少しでも安いところに出したり、ガソリン代の安いスタンドを探したりしています」
このように、ガソリン代を中心に「維持費が高い」と感じている方が多く、ガソリン代を抑える工夫をされているという声が。ほかには、運転の仕方を工夫したり保険の見直しを行ったりして維持費の節約につなげているという声もありました。
維持費を抑えるためにできること
車の維持費は乗り方次第で節約することも可能です。維持費の節約ポイントを、購入時と購入後に分けてそれぞれ確認しておきましょう。
購入時にできる維持費の節約方法
車の維持費は車種や性能によっても変わってきます。車選びの段階から次のような点に注意しておくと、維持費の節約が見込めます。
燃費の良い車を選ぶ
ガソリン代が高止まりしている状態がここ数年続いています。燃料費が家計を圧迫することにもなりかねないので、車選びの際には低燃費の車を選ぶといいでしょう。先程のシミュレーションでは、同じ3ナンバーの普通車でもWLTCモード燃費19.7km/Lのエクストレイルと、15.1km/Lのノアでは年間17,000円程度の差が出ています。
車の燃費は、車種ごとに差があるのはもちろんですが、同じ車種内でもパワートレインやグレードによって大きく異なる場合があります。先程採りあげた「ノア」の場合、シミュレーションしたガソリン車のWLTCモード燃費は15.1km/Lですが、ハイブリッド車を選ぶと23.4km/Lになり、エクストレイルを上回ります。
エコカーを選ぶ
一定の燃費基準をクリアした車は、エコカー減税により自動車重量税が減免されます。新車登録時のみ性能に応じて免税、50%軽減、25%軽減される特例措置がありますが、電気自動車やプラグインハイブリッド車といった次世代自動車などは継続車検1回目も特例措置が適用されます。
また、次世代自動車ではなくてもエコカー減税の要件を満たす車は継続車検時に本則税率が適用され、エコカーではない車より概ね40%弱安くなります。
なお、エコカー減税の対象車は2023年4月30日までに新規登録された車とされていましたが、3年間の期間延長が決まり2026年4月30日までとなりました。また、基準値については2024年以降段階的に厳格化されることも決まっています。
軽自動車やコンパクトカーを選ぶ
普通車の自動車税(種別割)は最も安い区分でも25,000円ですが、軽自動車税(種別割)は10,800円とその半額以下です。また、先のシミュレーションでもわかるように、コンパクトカーのヤリスの自動車重量税は16,400円ですが、3ナンバーのエクストレイルは32,800円。このように、車のサイズ、排気量が大きくなるほど税金が高くなるのです。
そのため、軽自動車やコンパクトカーを選ぶことも維持費を抑える有効手段のひとつといえます。
「コンパクトカー」という名称には厳密な定義がないので注意が必要です。自動車の分類上の小型自動車、いわゆる5ナンバーの定義を超えるサイズ・排気量の車であってもメーカーが「コンパクトカー」とうたっているケースがあり、車両重量や排気量、燃費も車によって大きく異なるので気をつけましょう。
現金一括購入する、もしくは低金利のカーローンを組む
車の購入方法には、おもに現金一括購入とカーローンがあります。現金一括購入ではまとまった資金が必要ですが、カーローンのように利息がかかりません。一方、カーローンを利用する場合でも、金利の低いカーローンを組む、頭金を多めに入れる、借入期間を長めにするなどで、月々の負担を抑えることが可能です。
リセールバリューの高い車を選ぶ
人気車種は発売からある程度年数が経っていても高値で買い取ってもらえる傾向があります。売却時の価値であるリセールバリューが高い車を選べば、乗っているあいだは多少維持費がかかってしまったとしても、最終的に買取額で補える可能性があります。
車を買い取ってもらう場合、中古車販売店に売却する、ディーラーに下取りしてもらう、という2つの方法があります。一般的に、下取りより買取りのほうが高値がつきます。また下取り金額は新車の購入にあてるほかありませんが、売却で得たお金は自由に使えるというメリットもあります。
購入後にできる維持費の節約方法
購入した後も維持費の節約ポイントはたくさんあります。車の利用年数や所有者の状況などによって節約のタイミングが訪れる場合もあるので、定期的に確認することが大切です。
自動車保険を見直す
自動車保険はプランや加入する保険会社などによって保険料が異なります。定期的に補償内容を見直して不要な補償を外したり、別の保険会社と比較して安いところで契約し直したりすると、保険料を節約できます。
最近はインターネットからの申込みや年払いにすることで保険料の割引が受けられるところも増えているので、チェックしておきましょう。
子供が独立して家族構成が変わった、転職して車通勤ではなくなったなど、ライフステージが変わったタイミングで自動車保険を見直すことをおすすめします。自動車の使用目的を変更したり、運転者の範囲を限定したりすると保険料が抑えられる場合があります。
安い業者で車検やメンテナンスを受ける
法定12ヵ月点検や車検は、どこに依頼するかによって費用が大きく変わります。そのため、複数の業者で見積もりを取って比較するようにしましょう。その際、不要な部品交換が入っていないかなど、見積書の内容もしっかり確認することが大切です。
ただし、車はちょっとした不具合が大きな事故に発展することもあるため、安くても信頼できない業者は避けたほうが安心です。
車検費用を最も節約できるのは車検業者を通さず自分で車を車検場に持ち込んで検査するユーザー車検で、この場合、車検基本料が不要です。ただし、ユーザー車検は車に関する高度な知識と整備技術が必要なので、不安がある場合は業者に任せるほうが安心でしょう。
ガソリンを安く入れる
ガソリン代の割引やポイント還元が受けられるクレジットカードを使用したり、ガソリンスタンドのアプリを使用してガソリンを安く入れたりするのも維持費の節約につながります。また、フルサービスのガソリンスタンドよりも、セルフ式のスタンドの方が3~5円程度ガソリン代が安い傾向があります。
丁寧な運転を心掛ける
どんなに燃費性能が優れた車に乗っていても、急発進や急停車、急加速などを頻繁に行っていると、燃費が悪くなって燃料費がかさむようになります。また、消耗部品の摩耗や劣化が進んで、交換回数が増えたり、故障が頻発したりしてメンテナンス費用が高くなる可能性もあります。
無駄な維持費を払うことにならないよう、日頃から丁寧な運転を心掛けましょう。
定期的にメンテナンスを行う
メンテナンスにはそれなりの費用がかかるため、定期的に行うと維持費が高くつくイメージもあるでしょう。実際に維持費の節約としてメンテナンスを先送りにしている方も少なくありません。しかし、定期的にメンテナンスを行うことは、不具合に早く気付けたり、損傷が少ないうちに直せたりして、結果的に修理費用などの節約につながります。
古い車は乗り換える
車は消耗品なので、長く乗るほどに修理やメンテナンスの費用がかかるようになります。特に車検費用は5年目、7年目と年数が経つほどに高くなる傾向があります。そのため、維持費がかかりすぎていると感じた場合は乗り換えることも検討しましょう。
メンテナンスで多額の出費が急に発生すると、家計に大きなダメージとなります。そうしたリスクを抑えるには、新しい車に乗り換えるというのも手です。故障リスクが少なく燃費性能が高ければ、維持費の節約につながります。
維持費に悩みたくないなら車のサブスクを利用するという方法も
車の維持費は決して安くありません。また、ガソリン代のさらなる値上がりや思わぬ車の故障などによって、維持費が跳ね上がることもあります。
維持費を気にしないカーライフが送りたい、家計にかかる負担はできるだけ減らしたい。そんなときに検討したいのが、今話題の車の乗り方カーリース(車のサブスク)です。
カーリースとは
カーリース(車のサブスク)は、契約者が選んだ車をリース会社が代理で購入し、契約者は月額料金を支払うことでその車を借り受けて使用できるサービスです。契約期間中はリース車を手元で管理し、いつでも好きなときに利用できます。
購入したマイカーのような感覚でカーライフが楽しめますが、車検証上のリース車の所有者はリース会社、契約者は使用者になります。
カーリースでは契約満了時の車の予想査定額(残価)を設定し、あらかじめ車両本体価格から差し引いた金額を基に料金を算出します。だから、好きな車にリーズナブルな月額料金で乗れる、というメリットがあります。
維持費込みで定額払いにできる
カーリースの特徴としては、初期費用なしで利用できること、そしてリース料金に維持費が含まれていることが挙げられます。
一般的に個人向けのカーリースでは契約期間中の自動車税(種別割)に加え、車検時の法定費用である自動車重量税と自賠責保険料が月額料金に含まれています。さらに多くのカーリース会社がオプションプランの追加によって車検やメンテナンスの費用もコミコミにできるので、ほとんどの車の維持費をリース料金にまとめられます。
納税時期や車検時期、メンテナンスなどの度に別途大きな支払いをする必要がなくなるので、維持費の負担を気にすることなくカーライフが楽しめるのです。
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※¹ 文末の制作日における調査結果に基づく。調査概要はコンテンツポリシー参照
※² メンテナンスプラン加入時
※³ 7年以上の契約で「もらえるオプション」加入時
車の維持費に関するよくある質問
車の維持費に関する質問とその回答をまとめました。費用の相場については、いずれも先述のシミュレーション結果を基にしています。
Q:車の維持費には何がある?
A:車の維持費には、自動車税(種別割)や自動車重量税などの税金や車検費用といった決まったタイミングで支払うものと、修理費やメンテナンス費用、燃料費といった不定期に支払うものがあります。
Q:車の維持費は月々どれくらいかかる?
A:車の分類や車種によって変わります。月間走行距離500kmとした場合、月々の維持費は軽自動車なら約33,000円、コンパクトカーが約37,000円、ミドルサイズSUVが約39,000円、ファミリー向けミニバンなら約43,000円程度が相場でしょう。
Q:車の維持費は年間でどれくらいかかる?
A:車検がある年の車の年間の維持費の目安は、軽自動車が約39万6,000円、コンパクトカーが約44万8,000円、ミドルサイズSUVが約47万1,000円、ファミリー向けミニバンが約51万7000円で、軽自動車が最も安く抑えられます。
Q:車を2台持ちした場合、維持費はどれくらいかかる?
A:家族で乗るミニバンと、セカンドカーとして軽自動車を持つ場合、2台分を合わせた月間の維持費は約76,000円、年間の維持費は約91万3,000円程度です。ミニバンとコンパクトカー2台持ちになると月間の維持費は約80,000円、年間の維持費は96万5,000円ほどになります。
Q:車を買い替えた場合、自動車税(種別割)はどうなりますか?
A:古い車を売却する場合、その車の自動車税(種別割)は、払い過ぎた分を買取業者が査定額に上乗せしてくれるケースがあります。また、廃車(抹消登録)にする場合は国からの還付が受けられます。軽自動車の場合は月割り制度がないため、年度の途中で手放しても税金が戻ってくることはありません。
Q:車の維持費を節約する方法は?
A:燃費性能が良い車や税金の安い車を選んだり、自動車保険の内容や車検の依頼先を比較して安いところを利用したりするなど、さまざまな方法で節約できます。車は古くなるとメンテナンス費用も高額になりがちなので、新しい車に乗り換えるのもおすすめです。
※この記事は2023年10月31日時点の情報で制作しています