車の先進安全装備の充実度は、メーカーや車種によって大きく異なります。今ではどれだけ進んだ予防安全技術、運転支援技術を採用しているのかが車選びのひとつのポイントともいえるので、車選びの際には安全に関わる装備は必ず確認しておくようにしましょう。
ここでは、トヨタのクロスオーバーSUV「ハリアー」の安全性能についてご紹介します。
- ハリアーはトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車標準装備している
- 「プリクラッシュセーフティ」は交差点での衝突回避支援にも対応
- 前後方録画機能付きのデジタルインナーミラーをトヨタで初採用
ハリアーの安全性能の特徴
ハリアーでは、全車にトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備しています。「Toyota Safety Sense」はトヨタ車であればすべて同じものが搭載されているわけではなく、車種によってそのレベルや含まれる機能に差があります。
2020年6月に登場した現行型のハリアーは、トヨタ初採用となる前後方録画機能付きのデジタルインナーミラーを採用するなど、プレミアムモデルらしく安全・安心をサポートする技術が充実しています。また、2022年9月に実施された一部改良では衝突被害軽減ブレーキの性能を引き上げて作動シーンを拡大するなど、安全性能をアップデートしました。
ハリアーのおもな先進安全技術
ここからは、ハリアーに搭載されるおもな先進安全技術について見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティ
レーントレーシングアシスト
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
ロードサインアシスト
アダプティブハイビームシステム/オートマチックハイビーム
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
デジタルインナーミラー(前後方録画機能付き)
プリクラッシュセーフティ
出典:トヨタ「ハリアー」特徴
先行車や歩行者などを検知している状態で衝突の危険があるとシステムが判断すると、まず警報でドライバーに注意喚起。ドライバーがブレーキを踏むとシステムがプリクラッシュブレーキアシストを行い、制動力をアップして衝突回避に努めます。それでも衝突の危険が回避できない場合には、自動でブレーキを作動させ衝突被害の軽減をサポートする機能です。
2022年9月の改良では、交差点での検知にも対応しました。交差点右左折時に直進してくる対向車、または対向方向から接近してくる歩行者を検知し、危険があればブレーキ制御によって衝突回避、衝突被害軽減を支援します。
また、ドライバーの回避操舵をきっかけに、操舵支援を行って緊急時の車線逸脱抑制や車両安定性確保に貢献する「緊急時操舵支援」、低速時の自車の直前にいる歩行者や自転車運転者を検知し、必要以上にアクセルが強く踏み込まれた場合に加速を抑制する「低速時加速抑制機能」も追加されました。
レーントレーシングアシスト
出典:トヨタ「ハリアー」特徴
走行中に車線から逸脱する危険があるとシステムが判断すると、警報を発するとともにステアリング操作を支援して車線内の走行を維持するように支援します。白線以外にも縁石やアスファルトの境界なども認識可能です。
渋滞などで車線が見えにくい、または見えない状態であっても先行車に追従しステアリング操作を支援することによって、車線中央の走行を維持できるようにサポートします。
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
出典:トヨタ「ハリアー」特徴
システムが先行車を検知し、適切な車間距離を確保しながら追従走行を支援してドライバーの運転負荷を軽減。ロングドライブも無理なく楽しめるようにサポートします。
ハリアーのレーダークルーズコントロールは全車速追従機能付きなので、先行車が停止した際には自車も停止し、再発進した際にはドライバー操作によって発進して追従走行を再開するため、高速道路などでの渋滞時も楽になるでしょう。
また、レーダークルーズコントロールの作動中にカーブを検知し、システムが必要と判断した場合は速度を抑制しスムーズにカーブを曲がれるようにサポートする「カーブ速度抑制機能」も搭載しています。
ロードサインアシスト
単眼カメラが道路標識を認識し、マルチインフォメーションディスプレイに表示することで標識見落とし防止をサポートする機能です。
アダプティブハイビームシステム(Sを除くグレードに標準装備)/オートマチックハイビーム(Sに標準装備)
アダプティブハイビームシステムはLEDヘッドライトの一部分だけを自動的に遮光して、先行車や対向車を眩惑しないようにする機能です。エントリーグレードの「S」には、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」が標準装備となっています。
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
車庫入れなどの際に静止物を検知し、音や表示で接近を知らせます。そのうえで衝突の危険が発生するとエンジンやハイブリッドシステムの出力を抑制、さらに静止物との距離が近付くとブレーキ制御も行います。ペダル踏み間違い急発進抑制装置にあたる機能で、アクセルとブレーキの踏み間違いや、アクセルの踏み込みすぎなどによる飛び出し防止を支援します。
デジタルインナーミラー(前後方録画機能付き)(Sを除くグレードに標準装備、Sにメーカーオプション)
出典:トヨタ「ハリアー」特徴
車両後方に設置されたカメラの画像をインナーミラー内のディスプレイに表示することで、荷室の荷物やリアシートのヘッドレストなどを気にすることなくクリアな後方視界が確保できる機能です。
現行型のハリアーでは、走行中の前後方のカメラの映像を録画できる機能をトヨタ車で初採用したことも話題となりました。
このほか、「Z」「Z“Leather Package”」には隣車線後方を走る車両を検知して安全な車線変更をサポートするブラインドスポットモニターや、後退しての出庫時に接近車両の存在を知らせ、危険があればブレーキ制御を行うパーキングサポートブレーキ(後方接近車両)が標準装備です。「G」「S」にもオプションで追加が可能です。
高い安全性能を持つハリアーで、安全で楽しいカーライフを!
ハリアーは録画機能付きのデジタルインナーミラーや交差点での検知にも対応している衝突被害軽減ブレーキなど、最新の機能が多数搭載されています。
グレードによって搭載される機能に多少差はありますがオプションの設定もあるので、安全性の高さを重視するのであれば上位グレードを選ぶか、オプションを追加することをおすすめします。
よくある質問
Q1:ハリアーに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:交差点での衝突回避支援機能も搭載した「プリクラッシュセーフティ」やステアリング操作を支援して車線中央の走行を維持するようサポートする「レーントレーシングアシスト」、ドライバーの運転負荷を軽減する全車速追従機能付きの「レーダークルーズコントロール」などが搭載されています。
Q2:「デジタルインナーミラー(前後方録画機能付き)」ってどんなもの?
A:車両後方に設置されたカメラの映像をインナーミラーのディスプレイに映し出すことで、悪天候時や荷物などで後方視界が確保しにくいシーンでもクリアな後方視界を確保するとともに、走行中の前後方のカメラの映像を録画できる機能です。
※この記事は2024年1月時点の情報で制作しています