ゴルフは「いかに少ない打数でコースを回れるか」を競うスポーツです。しかし、少ない打数であればどんな方法を使ってもよいというわけではありません。ルールを守らなかった場合には、ペナルティとして1打罰あるいは2打罰のスコア追加が行われます。
また、最も重いペナルティとして「競技失格」も存在するため、プレーの際にはどのようなペナルティがあるのかを事前に理解しておくことが大切です。
本記事では、ゴルフをするうえで最低限覚えておきたい6つのペナルティとその打罰や対処法について解説します。
ゴルフで発生するペナルティの種類
ペナルティは直訳すると「罰則」を意味し、ゴルフでは基本的に「規則違反をしたとき」「救済を受けたとき」の2つのケースでペナルティを受けることになります。
以下では、ゴルフのペナルティの中でも代表的なものについて解説します。
■OB(アウトオブバンズ)
各ホールであらかじめ決められているプレー可能な区域外にボールが出てしまうことです。
通常、ゴルフコースではその両端に白い杭などが立てられており、この杭よりも外側にボールが入ってしまうと、コースに戻れなくなったり、事故が起こる可能性が高くなります。そのため、区域外でのプレーは禁止されています。
■ペナルティエリア
コース内にある池やクリークなどの水域や、ブッシュ、崖などのことを「ペナルティエリア」といい、OBが白い杭であるのに対し、ペナルティエリアは黄色い杭または赤い杭で示されています。青い杭は「修理地」です。
ペナルティエリアにボールが入ったからといってペナルティを受けるわけではありません。ボールが打てる状態であればそのままペナルティなくプレーを続けることができます。
■空振り
初心者に多い空振りはペナルティにはなりません。ただし、正式には空振りも1打とみなされます。空振りは1打とみなされる一方で、素振りは1打とみなされず、両者の違いはプレーヤーに「打つ意思」が有ったのか、無かったのかで判断されることになります。
■ロストボール
打ったボールが探し始めてから3分間で見つけられなかった場合、そのボールはロストボール(紛失球)となります。3分が経過してからボールが見つかった場合でも、そのボールでプレーすることはできません。
■グリーン上でマークせずにボールを拾う
グリーン上にあるボールは、ほかのプレーヤーのパッティングの邪魔になることを防ぐなどの目的から、拾い上げることが可能です。しかし、グリーン上にマークをせずにボールを拾ってしまった場合はペナルティとなります。
■クラブがバンカー内の砂に触れる
バンカー内にあるボールを打つ前に、クラブがバンカー内の砂に触れてしまった場合はペナルティとなります。ただし、バンカー内にある石や木の葉などの自然物がある場合にはペナルティなしで取り除くことが可能です。
ペナルティごとの打罰やスコア計算
ここまでご紹介したペナルティには、次のように1打罰あるいは2打罰が課せられます
OB(アウトオブバンズ):1打罰
ペナルティエリア:1打罰
空振り:1打としてカウント(打罰なし)
ロストボール:1打罰
グリーン上でマークせずにボールを拾う:1打罰
クラブがバンカー内の砂に触れる:2打罰
スコア計算では、1打罰あるいは2打罰をプラスします。
とくに初心者の場合は、プレー中に複数回ペナルティが発生するとスコア計算時に混乱が生じやすいものです。そのようなときは、実際に自分が打った数に各ペナルティぶんを後から加算する形で計算するとわかりやすいでしょう。
ペナルティが発生したときの対処方法
ここまでご紹介したペナルティが発生してしまった場合は、次のような対処法を行う必要があります。打罰があることに加え、適切な対処方法についても理解しておきましょう。
■OB(アウトオブバンズ)の対処法
OBは1打罰のため、3打目としてティショットを打ちます。ただし、ローカルルールとして特設ティがあるコースでは、特設ティから打つことも可能です。この場合は、特設ティから4打目として打つことになります。
セカンドショット以降がOBになった場合も1打罰です。OBになったボールを打った場所の近くでドロップして再度打ちます。
■ペナルティエリアの対処法
ペナルティエリアにボールが入り、なおかつその位置からボールを打つことができなかった場合は1打罰となり、元の位置から打ち直すことになります。
また、同じ1打罰にはなりますが、ペナルティエリア(通常は赤い杭で示されている)をボールが横切った地点から、カップに近づかない、なおかつ2クラブレングス以内の場所にボールをドロップすることも可能です。
■空振りした場合の対処法
前述のとおりペナルティにはなりませんが、空振りも1打とみなして次のショットを打ちます。
セカンドショットで空振りをした場合、次のショットが3打目です。同伴者から「カウントしなくていいよ」と声掛けがあった場合にはその言葉に従ってもよいでしょう。
■ロストボールした場合の対処法
1打罰となり、できるだけ元の場所から近い位置にボールをドロップし、打ち直します。
ボールを探す前に暫定球を打っている場合は、暫定球を採用することも可能です。暫定球を打つ前には暫定球を打つ旨をはっきりと宣言しましょう。
また、特設ティのあるコースでは、2打罰を受けたうえで特設ティからプレーを再開することもできます。
さらに、2019年のルール改正からは、ロストしたであろう場所から2罰打を受けたうえでプレーを続けることも可能になりました。
■グリーン上でマークせずにボールを拾った場合の対処法
グリーン上でマークをせずにボールを拾ってしまった場合は、1打罰を受けたうえでボールを元の位置に戻します。なお、ゴルフマーカーはカップに向かってボールの真後ろに置くことが一般的なマナーです。
■クラブがバンカー内の砂に触れた場合の対処法
前述のとおり2打罰となります。しかし、バンカー内で転ぶのを防ぐためにクラブに寄りかかった場合はペナルティにはなりません。
気持ちよくプレーするためにペナルティを理解しよう
ゴルフは自己申告のスポーツです。だからこそ、ペナルティについてあらかじめ理解を深め、ペナルティ発生時には速やかに自己申告できるようにしておきたいものです。
覚えておきたいペナルティやルールは少なくありませんが、楽しくプレーするためにも少しずつ知識を身につけましょう。
楽しいプレーには当日の天気も大きく影響します。「tenki.jp」の「全国のゴルフ場の天気」であれば、全国各地のゴルフ場の天気をピンポイントで確認することが可能です。プレー日が近づいたらこまめにチェックをし、その日の天気に合わせた準備をすすめましょう。