2022年はどんな年でしたか?毎年恒例、日本気象協会に所属する気象予報士に「今年の天気を表す漢字」を聞きました。今年は110名の気象予報士がアンケートに答え、2022年の天気を表す漢字が決定しました!
2022年「今年の天気を表す漢字」 選ばれたのは…?
日本気象協会に所属する気象予報士に「今年の天気を表す漢字」と題し、アンケートを実施。
110名の回答の中から、2022年「今年の天気を表す漢字」栄えある第1位に選ばれたのは「暑」でした!
今年も選ばれた漢字を、日本に唯一ある気象の神社「気象神社(東京高円寺にある氷川神社境内)」の宮司さんにしたためていただきました。その様子はこちらの動画をご覧ください。
気象予報士が選んだ「今年の天気を表す漢字」 は”暑”
猛暑となった2022年の夏を象徴する「暑」「酷」、近年耳にする回数が急増した「線」状降水帯、安土桃山時代以来、442年ぶりとなる天体ショーが全国各地で観測され話題となった「月」、そして異例の早さでの発表となった「梅」雨明け発表が、それぞれランクインしました。
●第1位「暑」
<選考した気象予報士のコメント>
・「とにかく長くて暑い夏が特徴だったと思います。」
・「6月から気温が40℃を超えたり、7月8月も暑さが厳しかった印象がある。」
・「東京都心では猛暑日日数最多を記録したのが印象的。」
今年の天気を表す漢字の1位は「暑」が選ばれました。
観測史上初めて6月での40℃超や、九州北部から関東甲信にかけて6月中に梅雨が明けてしまう(※のちに訂正)など異例の幕開けとなった2022年の夏。西日本では6月から8月にかけての気温が、1946年の統計開始以来、1位タイの高温を記録しました。東京都心でも、これまで最多だった年間猛暑日数13日(1995年、2010年)を上回る16日間の猛暑日を記録しました。
「今年の天気を表す漢字」2位~5位
●第2位「線」
<選考した気象予報士のコメント>
・「線状降水帯による、記録的な大雨。8月、新潟県下関で149mm/hは印象に残っている。」
・「線状降水帯の予測情報が全国を対象に始まり、年間を通じて話題が多かった。」
・「気象庁の線状降水帯予測が始まりましたが、ことしも線状降水帯に翻弄された一年でした。」
2位には、線状降水帯に関する文字として「線」が選ばれました。
気象庁は2022年6月から、頻発する線状降水帯による大雨災害の被害軽減のため、線状降水帯予測を開始しました。これにより、深夜や未明に発生すると予測される線状降水帯を、日中明るいうちに把握して早めの避難につなげられるようになるなど、より安全な防災行動をとれるようになりました。
情報の充実が図られた一方で、2022年も線状降水帯による災害が発生。8月上旬には、前線や暖かく湿った空気の影響で東北地方や北陸地方を中心に大雨となりました。特に3日は新潟県と山形県で複数の線状降水帯が発生したことなどにより、解析雨量による総雨量が600mmを超える記録的な大雨となりました。
●第3位「酷」
<選考した気象予報士のコメント>
・「6月に40℃を観測するなど、酷い暑さ(酷暑日:気象協会命名)になったため。」
・「酷暑という言葉ができてしまうほど、これまでの常識が通用しない極端な気象現象が多くなった」
日本気象協会は、日最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」と命名し、今年の天気を表す漢字3位にも「酷」が選ばれました。
6月25日には、群馬県伊勢崎市で、最高気温40.2℃を観測。全国で、6月に最高気温40℃台を観測したのは、史上初めてでした。さらに、7月1日には全国のアメダス地点のうち 6地点で40℃以上の日最高気温を観測。
近年は「酷暑日」の観測回数が急激に増加していて、これまでの基準が通用しなくなりつつあり、より危機感をもって、気象情報を提供しなければならないことを改めて実感させられます。
●第4位「月」
<選考した気象予報士のコメント>
・「442年ぶりの天体ショー「皆既月食×天王星食」広い範囲で観察できた」
・「皆既月食、安土桃山時代以来の惑星食。」
・「442年ぶりの皆既月食と惑星食、さらに次回は322年後というのはインパクトが大きかった」
11月8日の皆既月食は、442年ぶりに皆既月食と惑星食が同時に起こるという、希代の天体ショーに多くの注目が集まりました。全国的に天候も好条件であり、記憶に残る天体観測となった方も多かった「月」が4位にランクしました。
●第5位「梅」
<選考した気象予報士のコメント>
・「確定値で訂正されたが、速報値での入梅の早さが印象的」
・「梅雨時期に惑わされたから。」
・「記録的な梅雨明け発表の早さが記憶に新しいです。」
2022年は梅雨に関する話題も多かったことから、「梅」が5位にランクインしました。
6月6日には関東甲信地方で九州南部地方より早く梅雨入り。九州南部地方より関東甲信地方の梅雨入りが早いのは17年ぶりのことでした。その後、そのほかの地方でも次々に梅雨入りしましたが、「平年より遅い梅雨入り」の所が多くなりました。
一方、梅雨前線が異例の早さで北上したこともあり、東北北部をのぞくすべての地方で6月中に梅雨明けが発表。発表時の段階では、九州北部・中国・四国・近畿・関東甲信・北陸・東北南部地方では、「過去最も早い梅雨明け」でした。
「梅雨の期間が短い」というのも特徴の一つで、発表時の段階では、九州北部・中国・四国・近畿・東北南部地方では、統計開始以来、最も短い梅雨となりました。
しかし、九州から関東甲信では、7月中旬を中心に上空の寒気や前線、低気圧の影響で曇りや雨の日が多くなったことから、気象庁は「7月下旬」を梅雨明けの確定値として9月に発表しました。
歴代の「今年の天気を表す漢字」との違いは?
日本気象協会では、2013年から気象予報士が選ぶ「今年の天気を表す漢字」の発表を行っています。
「暑」が1位に選ばれるのは、開始当初の2013年に次ぐ二度目となります。
2013年以来の2回目の受賞となった「暑」を筆頭に、猛暑関連の漢字が3つもランクインした「今年の天気を表す漢字」。来年はどんな漢字がランクインするのでしょうか。
皆さんの「今年の天気を表す漢字」は何ですか?ぜひ考えてみてください。
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<調査概要>
調査対象:日本気象協会所属の気象予報士110名
調査期間:2022年11月17日(木)~11月24日(木)