6月に入りました。太陽の動きをもとに、1年を24(約15日間)に分け、季節と生活の関連をあらわす昔ながらの知恵、二十四節気。6月は小満から芒種、夏至と移ろいます。万物が次第に成長し天地に満ち始める「小満」、日毎に暑さ、湿気が増し梅雨入りの時期「芒種」、そして1年で最も昼が長い「夏至」へ。今年2021年は6月21日が夏至のようですね。
沖縄では、梅雨のことを「すーまんぼーすー」と呼んでいるとか。これは「小満芒種」から由来していると言われています。
今月も私たちのからだの健康や心の満足とつながる旬の食材や季節の行事についてみていきます。
6月の旬の食材たち
●6月の野菜
引き続き、あしたば、つるむらさき、トマト、にんにく、レタスが楽しめます。
お酒がすすみそうな、夏の食材も出回り始めています。いんげん、えだまめ、おくら、きゅうり、ししとう、しそ、新しょうが、ズッキーニ、パプリカ、みょうが、ラッキョウ。
そろそろ旬の終わりも間近、楽しんでおきたい野菜たちは、キャベツ、アスパラ、グリーンピース、クレソン、さやえんどう、山椒、じゃがいも、ぜんまい、そらまめ、ルッコラです。
旬の野菜を焼いてそのまま味わうのもよし、天ぷらやフライも美味しいですね。ラタトゥイユを常備するのも重宝します。いつものカレーにも夏野菜が入ると一層美味しく感じられます。
●6月の果物
あんず、うめ、さくらんぼ、びわ。旬は短いのでぜひ6月中にいただきたいものです。
これから美味しい季節が始まるパイナップル。マンゴー、メロンは引き続き楽しめます。
夏ミカンは旬がそろそろ終わります。
●6月の魚
アジ、あなご、あゆ、いわし、カジキマグロ、かんぱち、きす、スズキ、どじょう、とびうお、スルメイカ、イカは冷凍技術がすすみ基本通年いただけますが、今が旬です。
今年も、うに、ほや、クルマエビ、とりがい、さざえの美味しい季節がやってきました!
そろそろ食べごろが終わるので、楽しんでおきたいのは、かつお、いさき、きびなご、めばる、もずくなど。
季節の野菜や果物とあわせて、レシピを考えるのも楽しいですね。カジキマグロのソテーにトマトソースや、梅シソチーズをアジで巻いてフライなどいかがですか?
季節を楽しむ梅しごと(うめしごと)、どちらを使う?青梅と黄熟梅
昔から手間ひまかけて梅しごとが行われてきたのは、美味しさからだけでないようです。疲れによし、肝機能(アルコールを分解する機能)によし、防腐作用によし、食欲や消化促進によしと、あげていくと他にも驚くほどよいことが秘められています。
<青梅>
グリーンの梅がでまわりはじめました。青梅をつかった梅酒や梅シロップは、はじめての方にも手軽に仕込めて失敗がなくおすすめです。1kg単位で売っていることが多く半々でつくるのもいいですね。
梅酒は、ホワイトリカーだけでなく、ブランデーや日本酒を使っても美味しいです。
梅シロップは、梅ジュースだけでなく、かき氷のシロップやヨーグルトに合わせてもいいですね。
残りの梅はお料理にも使えます。
<黄熟梅>
青梅が出まわり始めた2週間ほど後に出まわります。こちらは梅干しや梅ジャムに適しています。黄緑や青の固い部分がある場合は、梅エキスが出にくく、仕上がりが固くなったり、そのままかびてしまったりするので、黄色くなるまで、追熟が必要です。新聞紙を敷いた段ボールなどで1~2日おいて様子を見ましょう。
簡単トライ!ファスナー付き保存袋で、基本の梅干し
大量の梅を、家族やご近所総出でにぎやかに仕込む風景も、この季節ならではで素敵ですが、もう少し気軽にトライできる方法をご案内します。今回は赤紫蘇につけない、シンプルな梅干しをご案内します。お好みで、干したあと、オリーブオイルやはちみつにアレンジ漬けすることもできます。
【材料】
黄熟梅 500g
あら塩 90g(梅の18%)
焼酎 大匙1
【必要なもの】
ファスナー付き保存袋 2枚※500gでMサイズの保存袋、1kgでLサイズの保存袋
バット 2枚
はかり・竹串・ペーパータオル
平らなざる
出来上がり後の保存の容器
【作り方】
<塩漬け>
(1)梅を流水で洗い、水気をきります。
(2)ペーパータオルでやさしく水気をとり、ヘタを竹串でとります。
(3)2をファスナー付き保存袋にいれて、焼酎をまぶし分量の塩をふって、優しくもみながら全体にまぶしつけます。
(4)バットの上に3を寝かせ、平らに梅を広げ空気を抜いて袋の口を閉じます。
(5)4の袋の上にもう1枚のバットをのせ梅と同じ重さの水をファスナー付き保存袋にいれ、重しとしてのせます。
(6)塩がとけて梅から透明な液体(梅酢)が染み出るまで、毎日袋の上下を返します。
(7)梅酢が袋全体にまわるほどになったら、重しを半分にします。2週間ほどたったら、冷蔵庫の野菜室に移し、<土用干し>までそのまま待ちます。
<土用干し>
梅雨が明け、お天気が3日間以上続く日を選びましょう。夏の土用の時期(7/20頃~8/7頃)にあたることが多いので、土用干しと言われます。
(1)梅の汁を切り、風通しがよく日の当たる場所に干します。
(2)正午に一度梅の上下をひっくり返します。
(3)日が暮れたら、室内にとりこむ。1日目は、梅を梅酢の入った袋に戻す。2日目以降はそのまま、ざるの上で。合計3日間干します。
(4)3日目は、干しすぎとならないよう、指でつまみ、皮と皮がくっつくくらいの干し加減がよいので、途中で何度かチェック。
(5)清潔なホーローやガラス容器、陶器や磁器などに保存する。2~3か月後が食べごろです。
※はちみつ漬けは、2~3日間水を変えながら塩抜きし、はちみつと水を同量小鍋に煮立たせたものをさまして、梅を漬けます。梅干し10粒に対して、1/4カップずつが目安。水気をきった梅を、冷ましたはちみつ液につけ2週間冷蔵庫で寝かせます。
「よい塩梅(あんばい)」という言葉は梅干しづくりから由来しています。
表示の塩の分量は基本の分量です。その人その家族のお好みで、毎年の経験からお好みの分量に調整して「今年の味はどうかな」とみていくのも楽しみの一つです。
参照
若山 曜子「はじめての梅しごと手帖」家の光協会
テレワークなど、オンとオフの時間を意識しないと、頑張るスイッチが入り続けてしまい、不調をきたす人もいらっしゃいます。子どもも大人も、自分なりの季節の楽しみやリラックスできる時間を見つけてオフの時間を作り出すようにしましょう。今月も元気でお過ごしください。