
<明治安田J2:鳥栖1-0大宮>◇第5節◇15日◇駅スタ
サガン鳥栖小菊昭雄監督(47)が、開幕5戦目で待望の就任初勝利を飾った。
前節まで1分け3敗の19位鳥栖が、4戦全勝の2位RB大宮アルディージャを下した。戦前は不利が予想されながら、1年でのJ1復帰実現へ勇気の出る初白星となった。
選手やスタッフと抱き合った小菊監督は「攻撃はどこを基準に前進させていくのか、もう1度全員で共有した。後半は守備でもゲームコントロールができ、大きな1勝になった。この2試合は、いい守備からゴールを奪えていた」と、感動的な表情で振り返った。
前半38分にFW西沢健太(28)が決めたPKによる1点を、後半は相手の猛攻を浴びながら耐え抜いた。
清水エスパルスから新加入の西沢にとっても、新天地で初得点。「この勝利を僕らはつかみたくて、今まで頑張ってきた。(無失点の)守備陣に感謝するしかない。(PKの場面は)練習でも決めていたし、思い切って蹴った」と喜んだ。
今季J2に降格した鳥栖は、開幕から主将DF今津佑太(29)、FW鈴木大馳(18)、ブラジル人MFクリスティアーノ(25)ら多くの故障者を出し、この日は開幕から全戦フル出場のGKヤン・ハンビン(33)も欠場していた。
さらにMF堺屋佳介(19)がこの日、今季初先発ながら前半途中で負傷交代。14日に横浜Fマリノスから期限付き移籍で獲得したMF松田詠太郎(23)を、スクランブルで初起用するしかなかった。
それでもJ1復帰へ、勝ち点を積み重ねるしかない。昨季までセレッソ大阪で実績を重ねてきた小菊監督は、自身のマネジメント力と育成力でこの厳しい状況を乗り切る。