
<明治安田J1:町田1-0新潟>◇第6節◇15日◇Gスタ
アルビレックス新潟は15日、アウェーの町田戦に0-1で競り負け、開幕から6戦勝ちなしとなった。昨季から15戦勝ちなしで、17年のクラブJ1ワースト記録にあと1試合と迫った。かなり厳しい状況だが、そんな中でもJ2藤枝から今季加入のボランチ、MF新井泰貴(27)の左足の正確なパスが光った。
後半17分、藤枝でともにプレーしたFW矢村健に絶妙なタイミングでロングスルーパスを通した。矢村のシュートは枠を外れたが、新井は昨季、矢村のJ2年間最優秀ゴールにつながる浮き球のパスを送っており、この「ホットライン」は光明か。さらに同26分には右へ展開。攻め上がったDF藤原奏哉の動きを加速させる絶妙なコースにパスを通して見せた。
今季初採用の3バックが機能しないということが分かっただけの前半。樹森大介監督は「けが人が出てバランスを考えた」と説明したが、後半から戦い慣れた4バックに戻すと流れが一変した。ボランチ新井の左足から好機が生まれた。
新井はJ3鳥取からJ2藤枝にステップアップし、今季からJ1に個人昇格。その歩みはエースFW谷口海斗らと重なる。一方の町田は先発に日本代表経験者5人をそろえ、J1クラブで主力だったDF岡村大八(札幌)やMF前寛之(福岡)も加えた。今の新潟にそんな大型補強をする資金的余裕はなく、敵地Gスタの芝生は青く見えた。
それでも…。「自身初のJ1舞台。早く顔を覚えてもらい、愛される選手になりたい」と新井。この日の選手入場時、アウェーに駆けつけた新潟サポーターからは変わらず「愛さずにはいられない」と、大音量チャントが響き渡った。
【石川秀和】