
横浜清陵(神奈川)の野原慎太郎監督(42)が、静かな口調で語りかけた。30分の甲子園練習時間が残り半分ほどに達し、異例の“青空会議”を行った。
グラウンド上に散らばった選手たちをマウンド付近に集めて「ちょっとやりたいことを詰め込みすぎて、集中しきれてなかった。前半失敗したのは俺のミスだから、申し訳ない」と非を認め謝罪の弁を述べた。
時間にして、わずか1、2分。わざわざ貴重な甲子園練習の時間を費やしたのは「まだ取り返せるチャンスがあったから」と指揮官なりの考えだった。「後半はテンポを落とすから、成功を積み重ねて終わろう」と呼びかけた後、投内連係では軽快な動きを見せる選手たちの姿が目立った。エース内藤大維投手(3年)は「最初はバタバタと焦っていたけど、1つ、1つのプレーを落ち着いてやることができるようになった」と地に足を付けた。
野原監督は「選手たちには試合に向けた景色作りをしてもらいたかったので、今日失敗が出るのはいいです」と想定内を強調。あくまで本番は21日の広島商戦。今日の失敗が明日の成功を作る。そう信じて準備を急ぐ。【平山連】