2年ぶりに日本球界に復帰したソフトバンク上沢直之投手(30)が25日、福岡・筑後市内のファーム施設で自主トレを公開した。
今年初めて公の場に姿を見せ、約3時間のトレーニング。終了後は大勢の報道陣を前に、新天地で迎える25年シーズンへの強い決意を語った。「まずは開幕ローテーション。ケガなく、1年間をしっかり投げることが目標なので」と先発でフル回転し、170イニング登板を見据える。
日本ハムからポスティングシステムを利用して米球界に挑戦も、昨季はメジャー登板2試合のみ。「1年間、僕の中で納得できないボールを投げていた」と振り返る。オフは脱力を意識した投球フォーム習得に着手。年明けから沖縄・宮古島で自主トレに励み、4度のブルペン入り。昨季途中に痛めた右肘も「問題ない」と調整は順調だ。
わずか1年でNPBに戻り、日本ハムではなくソフトバンク移籍を選んだことで厳しい声も上がった。12年間在籍した日本ハムを去る選択に、敵将の新庄監督は「ああいう決断をされたのはすごく悲しいし、一緒にやりたかった」と本音を吐露。それでも上沢は「どこに行ってもやることは変わらないですし、自分の野球をやるだけなので」と冷静に返した。
4月1日からの開幕2カード目は敵地での日本ハム戦。「ソフトバンク上沢」のデビュー戦となる可能性も高いが「あまりそこは見ていない。まずは開幕(ローテ)の競争に勝つことが先だと思う」と足元を見つめた。すでに有原、モイネロ、スチュワートが内定済み。残りの先発枠を目指し、熾烈(しれつ)なサバイバルを勝ち抜く。
前日24日に1年間、伸ばし続けた髪を散髪した。さっぱりした髪形で「しっかり切ったのは1年ぶりです。さっぱりして心機一転」と笑った。鷹の上沢として、再び輝きを取り戻す。【佐藤究】