同学年対決で圧倒＝阿武咲、出足鋭く―大相撲初場所

　目の覚めるような出足だった。阿武咲は左を差して一気に寄る。土俵際での錦富士の突き落としにも構わず前進。「集中して取れた」。完勝だった。 　錦富士とは青森・三本木農高で同学年。阿武咲は高校を中退して一足先に角界入りした。「小さい頃から知っているので、負けたくない気持ちはある」。昨年７月の名古屋場所での初対戦に続き、手の内を知る相手を圧倒した。 　１敗でトップの大関貴景勝も同じ２６歳。１差で追う阿武咲は「しっかりついていく」と闘志をかき立てる。２１歳だった２０１７年九州場所で貴景勝より早く三役に昇進したが、右膝を痛めて在位２場所で平幕に落ちた。番付では差がついた今も、強気な姿勢は忘れていない。 　三役返り咲きをにらみつつも、目の前の勝負に集中できている。昨年８月に幼なじみとの結婚を公表した。「黙っていても察してくれる」という伴侶の支えも力に変えている。「思い切って前に攻める」。初賜杯を視野に入れて臨む終盤戦へ、気合を入れ直した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕阿武咲（右）は錦富士を寄り切りで破る＝１７日、東京・両国国技館