村上、殊勲の逆転２ラン＝不安吹き飛ばした４番―プロ野球ＣＳ・ヤクルト

　日本選手最多のシーズン５６本塁打を放った村上が、ＣＳでも力を見せつけた。１点を追う三回２死一塁で逆転の２ラン。ベンチに戻ると、歓喜の表情でナインと喜びを分かち合った。 　１番塩見が左前打で出塁したが、山崎が送りバントに失敗。山田も二飛に倒れ、嫌な流れで回ってきた打席だった。しかし、フルカウントからの６球目。外角低めの１５４キロの速球を芯で捉え、左翼席に運んだ。「コンパクトに打つことを心掛けて、しっかり押し込めた」。広角打ちが持ち味の村上らしい打撃で、試合のムードは一変。勢いに乗り、長岡、オスナがアーチで続いた。 　３９本で初の本塁打王に輝いた昨季から、さらに飛躍を遂げた今季。史上初の５打席連続本塁打、史上最年少での三冠王など快挙の連続だったが、最終盤に来て不振に陥った。短い休養を挟み、復調できたのかどうか。そんな周囲の不安を一発で吹き飛ばした。 　村上は「４番を打っている以上、すごく期待をかけられると思う。それに応えるのも自分の仕事」との信念を持つ。主砲の言葉通りの活躍で、ヤクルトは球団史上初の連覇が懸かる日本シリーズ進出へ、あと１勝に迫った。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕３回、逆転２ランを放つヤクルトの村上＝１３日、神宮