樋口、得意の形で完勝＝自信持ち五輪レースへ―世界レスリング

　優勝を決めた直後、クールに人さし指を立てた。男子フリースタイル６１キロ級決勝。樋口は「自分の実力を証明できた。しっかり勝てたことは評価に値する」と満足げに勝利を誇った。 　大一番で得意とする形がはまった。片足タックルからのローリングで着実に加点。攻め続けてテクニカルフォール勝ちし、「しっかり研究、分析できていたのが勝因」と胸を張った。 　２０１６年リオデジャネイロ五輪フリースタイル５７キロ級銀メダリストだが、世界選手権出場は意外にも初めて。「ずっと五輪にこだわってやってきて、（世界選手権に）出られないことに悲観的な考えはなかった。この優勝には満足していない」。昨年覇者のロシア選手も不在だっただけに、さらりと言った。 　パリ五輪代表選考レースが始まる年末の全日本選手権には５７キロ級で臨む。「ようやく世界一になることができた。あとは五輪の金メダルを取れるように頑張っていく」。リオ五輪での忘れ物を２年後に手に入れるまで、一心不乱に鍛錬を積む覚悟だ。　（ベオグラード時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕男子フリースタイル６１キロ級決勝、イラン選手を攻める樋口黎（奥）＝１８日、ベオグラード 〔写真説明〕男子フリースタイル６１キロ級で金メダルを獲得し、喜ぶ樋口黎＝１８日、ベオグラード