北口、躍進のシーズン＝世界トップの一員に―陸上女子やり投げ

　【ロンドン時事】スイスのチューリヒで８日に行われた陸上の最高峰ダイヤモンドリーグ（ＤＬ）ファイナル女子やり投げで、北口榛花（ＪＡＬ）が６３メートル５６をマークして３位に入った。７月の世界選手権（米オレゴン州）で銅メダルを獲得し、ファイナル前のＤＬは２連勝後に２大会で２位。大舞台で安定して地力を発揮し、目覚ましい成績を残した。 　年間上位６人で争ったＤＬファイナルは最終６投目に記録を伸ばしたが、会心の一投は放てなかった。世界選手権でも屈した２人に及ばず、「また３位か。一発出なくてもどかしい気持ち」。全種目を通じて日本勢の史上最高順位。それでも、悔しさがあふれた。 　ＤＬは初出場した６月のパリ大会で、日本選手では初優勝の快挙。チェコを拠点に欧米を転戦し、世界選手権を含めて今季の主要国際大会は全て３位以内に入った。「世界のトップクラスに少し仲間入りできたかな。やりを持っていろんな国に行くのが夢の一つでもあった」。昨夏の東京五輪で１２位だった２４歳は、躍進に実感を込めた。 　来年８月の世界選手権（ブダペスト）で２大会連続の表彰台を狙い、２０２４年パリ五輪では金メダル獲得の青写真を描く。１９年に出した６６メートル００の日本記録更新もにらみ、「五輪に向けて、他の選手も今季より（記録を）上げてくる。世界の流れに乗っていきたい」。貪欲に成長を求めていく。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕陸上ダイヤモンドリーグ（ＤＬ）ファイナルの女子やり投げ、北口榛花の投てき＝８日、スイス・チューリヒ（ＥＰＡ時事）