緩急光った伊藤将＝村上を封じる―プロ野球・阪神

　失点は味方の拙守があった六回だけ。阪神の伊藤将は安定感抜群だった。今季６度目の完投を無四球で飾り、お立ち台では「気持ちいい」と笑顔で話した。 　「うまく緩急を使いながら」。この日は１４０キロ台前半の直球に切れがあり、カーブやチェンジアップなどの緩い球も生きた。 　「前回悔しい思いをしたので、やり返す気持ちで投げた」。８月１７日の試合で本塁打を許した４番村上を完全に封じた。五回無死では直球でファウルを打たせて追い込んだ後に、１１６キロのカーブを投じて見逃し三振を奪った。七回は、３番山田の打球を右脚に受けてうずくまったが続投。続く村上をチェンジアップで二ゴロ併殺打に仕留めた。 　８月３日まで自身７連勝していたが、その後は勝負どころでの被本塁打が目立ち、勝てずにいた。矢野監督はこの日の投球について、「これからにつなげてくれると思う。完投も素晴らしい」。２年連続の２桁勝利まであと１勝に迫った。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する阪神先発の伊藤将＝７日、甲子園