初の本拠地で快投＝ポンセ、多彩な球種―プロ野球・日本ハム

　異国の地の歴史に名を刻み、１９８センチの大きな体を揺らして喜びを爆発させた。日本ハムのポンセがノーヒットノーランを達成。「すごく疲れた。本拠地のファンの前ですごいことができてうれしく思う」。パーマのかかった長髪がトレードマークの右腕は、柔和な表情で振り返った。 　来日１１試合目のこの日が本拠地での初登板。何よりさえた球が、打者の手元で動くツーシームだった。九回は先頭に四球を与えて１死一塁。今宮への初球はツーシームで内角を突き、注文通りの遊ゴロ併殺打に。試合を通じて、１５０キロ前後の直球にカットボール、縦に割れるカーブも織り交ぜるなど、多彩な球種で的を絞らせなかった。 　試合後、まず父に電話で報告した。何よりも、２０１７年にがんで他界し、「愛情をいっぱい注いでくれた」という母に伝えたかった。 　終盤は快挙への期待が球場全体で膨らんでいった。七回からは「『お母さん、あと一回お願いします』と頼みながら投げた」と神妙な表情で振り返った。 　「まだちょっと実感してない。この数日間で徐々に実感していくのだと思う」。陽気な性格の米国出身選手は、夢見心地だった。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕ソフトバンク戦で無安打無得点試合（ノーヒットノーラン）を達成し、喜ぶ日本ハムのポンセ＝２７日、札幌ドーム（Ｃ）Ｈ．Ｎ．Ｆ．