ヤクルト、貯金独占でマジック点灯＝勝負強い塩見、接戦制す力―プロ野球

　先制を許しても、投手陣が最少失点で踏ん張る。試合終盤に野手が点を取って接戦を制する。見慣れた印象すらあるヤクルトの逆転劇で、早くもシーズン中盤に優勝マジック５３が点灯した。 　日替わりで生まれるヒーロー。この日は得点圏打率でリーグトップに立つ塩見が主役だった。１点を追う八回に同点の中前打を放つと、延長十回１死満塁の絶好機では、高く跳ねる内野安打で「初めて」というサヨナラヒット。「形は悪かったけど、サヨナラになってうれしかった」 　ヤクルト４年目の昨季、レギュラーに定着。自分のメンタルの弱さを自覚し、向き合って克服したことが飛躍につながったという。実はこの日も弱気が顔を出しそうになったが、サヨナラの打席の前にチームの顔でもある山田と握手。「パワーをもらった」と冗談ぽく笑った。 　ヤクルト以外の５球団は、貯金がなくなる事態。歴史的な強さを誇るチームの士気はどこまでも高く、「家族のようで、毎日来るのが楽しみ」と塩見。連覇へ向け、首位快走が続きそうだ。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕延長１０回、サヨナラの適時打を放つヤクルトの塩見＝２日、神宮 〔写真説明〕優勝へのマジックナンバー「５３」が点灯し、ファンの声援に応えるヤクルトの高津監督＝２日、神宮