働き方改革の影響により、近年はテレワーク・リモートワークの導入を進めている企業が以前に比べて飛躍的に増加しています。
オフィスに出社することなく、自宅や好きな場所で仕事ができるのは気軽な反面、今一つ仕事とプライベートを切り分けるのが難しく、パフォーマンスが上がらないと悩む人も多いものです。
今回は、そんなテレワークでもオフィス同様の働き方を実現できる、集中力を取り戻すための対策を7つご紹介します。
テレワークに集中できない5つの原因
テレワークに集中できないと悩んでいる方の多くは、主に以下の5つのケースに分類することができます。改善策も踏まえ、それぞれの原因を確認しておきましょう。
①家族や子供など同居人がいる
1つ目の原因は、家族や同居人の存在です。オフィスであれば同僚や上司、部下など仕事に関連づいた人しかいないため、人の気配はそこまで気になることはありません。
しかし家の中となると、子供の声や家事の音など、通常の業務では聞こえてくるはずのない生活音が気になってしまうため、なかなか慣れるのに時間がかかってしまいます。
また、自分が家にいるとなると、用があったときにはプライベートな用事や質問に応えなければいけないため、仕事のためだけに時間を割くことも難しくなってしまいやすい傾向にあります。
家族や同居人の存在が集中を妨げるケースは、テレワークを始めてまもない頃は誰しもが通る道とも言えます。
そもそも家で働くことに慣れていないのに、テレワークを半ば強制的に実施されて悩んでいるという人は、しばらくテレワークを続けてみることで、自然と慣れて集中できるというケースも多いものです。
特に自室や寝室など、他の人に作業を阻害されにくい環境を用意できている人は、業務を続けることで徐々に集中力を発揮しやすくなります。同居人に阻害されない環境づくりについては、
後ほど詳しくご紹介します。
②スマートフォンを触ったりテレビを見たりしてしまう
2つ目の問題が、スマホやテレビなどの誘惑に負けてしまうパターンです。
そもそも自宅はプライベート空間であるため、本来であれば娯楽や自由時間を楽しむ場であるのが一般的です。にも関わらずテレワークによって仕事を余儀なくされてしまうと、どうしても娯楽に気が向いてしまうのは仕方のないこととも言えるでしょう。
そうは言っても、テレワークを実行しなければならない以上、これらの誘惑を自宅でも振り払いながら取り組む必要が出てきます。
気持ちの問題として解決することも可能ですが、スマホやテレビを見ないようにするための環境をどうやって作ればいいのか、根本的なところから検討してみるのも重要です。
③オンオフが切り替えづらい
3つ目のケースは、オンとオフの切り替えがうまくいかないというパターンです。オフィスワークの場合、そこでは仕事しかしないということが環境によって半ば強制されているだけでなく、日頃の習慣から体も理解しているため、出社するだけで自然と仕事モードになることができます。
一方、自宅はプライベートを過ごす場であるため、自宅にいながらにして仕事モードになることは至難の業です。テレワークでオンオフの切り替えができるようになるためには、自分なりに動機付けや、集中できるようなスペースの確保などの工夫を凝らす必要が出てきます。
十分なスペースがあれば仕事用とプライベート用で場所を分けるのが効果的ですが、それ以外にも有効な方法はいくつもあります。これについても後述します。
④家のことに気を取られてしまう
家で働くとなると、どうしても家事のタスクなどに追われてしまったり、仕事に集中したくても家の用事が頭から離れなくなってしまうこともあります。
オフィスに行けばひとまずは家のことを考えずに済むため、気晴らしにもになりますが、テレワークは家と仕事の両方に気を回さなければならないため、余計に疲れてしまったり、集中ができなかったりというデメリットもあります。
とはいえ、家の掃除などは家事として必須なだけでなく、家という職場を清潔に保つという意味も出てきます。休憩時間などに時間を決めて家事に取り組めば、リフレッシュ効果とともに、業務中に気が散らずに済むでしょう。
⑤間食をしてしまう
集中力が低下していると、仕事以外の変化が気になってしまうことも増えてきます。例えば空腹を感じやすくなるのも、テレワークに集中できていない時の特徴の一種です。
普段忙しく仕事に没頭していると、寝食も忘れるほど集中してパフォーマンスを発揮できるものですが、集中できないままダラダラと仕事と向き合っていると、部屋の中の汚れが気になったり、妙に空腹を感じやすくなったりします。
多少の間食は構いませんが、あまりに頻度が多いと満腹感でさらに集中力が削がれるだけでなく、肥満の原因にもなり得ます。間食のタイミングを決めたり、頻度を見直すなどして、自分なりにコントロールすることが重要です。
テレワークに集中できない状況を打破する対策7選
テレワークに集中できずに悩む人は決して少なくありませんが、意図的にこの問題と向き合うことで、大きく改善が可能です。ここでは、テレワークに集中できない状況を打破するために有効な、7つの対策方法についてご紹介します。
①作業環境を見直す
テレワークを実施する際、まず見直したいのが身の回りの作業環境です。
仕事に最も集中できる環境づくりとしては、書斎やワークスペースの設置です。「仕事はここでする」という場所を設けることによって、自宅にいながらオフィスに出社するような緊張感を得られるため、気を引き締めて業務に取り掛かれるようになります。
とはいえ、ワンルームで一人暮らしをしている人などは、書斎を作ると言っても十分なスペースを用意することはできません。
そんな時はせめて仕事専用のデスクを設置するなどして、「ここに座った時は集中して仕事をする」というルールを設けることで、仕事とプライベートをうまく切り分けられます。
どこが仕事場で、どこがプライベート空間か、という区切りは自宅である以上、自分の意識の問題になってしまいやすいものです。とはいえ、形だけでも公私混同を避けられる環境を設けることで、状況を大きく改善することができます。
仕事を始める前にはデスクの前に座って、深呼吸をするなどのルーティンも取り入れることで、より自宅でも業務に没入することが可能です。
②身だしなみを整える
仕事を始める際には仕事着に着替えるというのも、気分が変わって集中しやすくなります。装いは自分の目では見えなくとも、仕事をするぞという意識に少なからず関わっているポイントです。
パジャマや部屋着のようなプライベートウェアで業務を行なってしまうと、身体はその服を着ているときはリラックスモードであることを覚えているため、いま一つ仕事に集中することができなくなってしまいます。
一方、オフィスに出かけるときの仕事着を自宅でも着用することで、馴染みのある感覚で集中ができるものです。また、Web会議などがある際にもそのままで参加ができるため、時間を無駄にしてしまう心配もありません。
自宅の中にいながら、オフィスに向かう時と同じルーティンを繰り返すことで、自然と自宅でも集中できる体へシフトできるでしょう。
③朝の日光を浴びる
テレワークが長期化すると、どうしても生活が外へ出ないことを前提としたスタイルに落ち着いてしまいがちです。例え一度も外へ出ないにしても、午前中はある程度朝日を浴びることで、1日の英気を養うことをおすすめします。
朝日を浴びることによって、体内にセロトニンが分泌されるようになります。セロトニンは人間の意識をはっきりとさせる効果や、体のだるさを解消してくれる効果があります。
また、体内時計のリズムが整い、夜には深い眠りを促すメラトニンの分泌を促してくれるため規則正しい生活を促進する効果も期待できます。
朝起きた後にコンビニに行って朝食を買ったり、少し近所を散歩するなどして、積極的に日光を浴び、体を動かす習慣を身につけましょう。
④スマートフォンを手の届かないところに置く
シンプルな対処法ですが、業務中は手の届く範囲にスマホを置かないというのも大切です。あるいはスマホの電源を切ったり、機内モードにするなどして、余計な刺激を自分に与えてしまわないよう、うまく促しましょう。
⑤ToDoリストやタイムスケジュールを作成する
集中力を業務で発揮できないのは、自分がその日にどんな業務をこなさなければいけないのかを把握できず、「多少サボっても問題ないだろう」という意識が働いていることも要因にあります。
こう言った事態を避けるため、あらかじめToDoリストやタイムスケジュールを作成しておき、これらに基づいて行動するよう意識すると良いでしょう。朝の業務前のタイミングでスケジュールを確定すれば、その日の働き方のイメージを固めて身を任せることができるため、効果的です。
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⑥テレビは切っておく
スマホ同様、テレビのように仕事の邪魔になるデバイスはやはり自分から遠ざけたり、電源を切っておく対処が必要です。ある程度雑音がないと集中できないという人は、歌詞のないクラシック音楽を消音で流しておいたり、Youtubeなどで雨の音などを流して、集中が妨げられないよう促しましょう。
⑦目に見えるところに食べ物を置かない
間食を防止するためには、食欲を促す食べ物の存在を遠ざけることも重要です。お腹が減ってしまうようなものは仕事場から遠ざけ、食欲を刺激せず、水分補給を定期的に行うことが大切です。
テレワークに集中できない状況は自分に合った対策で解消
今回は、テレワークに集中できないポピュラーなパターンや、その対処法についてご紹介しました。テレワークは慣れないうちこそ大変ですが、うまく自分の働き方にあった環境づくりを行うことができれば、上手に集中状態を作り出すことができます。
自分の抱えている問題や、自分にできそうな解消方法を確認し、積極的に改善していきましょう。
また、仕事とプライベートの区別がつかなくなる原因の1つとして、個人SNSの業務利用によるものが考えられます。プライベートの連絡と仕事の連絡が1つのツールの中で混在することによって、仕事中もプライベートの連絡がちらついてしまい、テレワークに集中しにくくなってしまうのです。
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連絡ツールを明確に区別することで、テレワーク中でもオンオフの切り替えが容易になります。ビジネスチャット・社内SNSのようなITツールを活用することで、公私の連絡ツールに区別をつけ、テレワーク環境の改善を試みるのもひとつの手です。
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