IQVIAジャパン トップライン市場データ 日本医療用医薬品市場(2024年会計年および2025年第1四半期)
IQVIAジャパンが発表した2024年度の医療用医薬品市場データによれば、日本の市場は過去最高額の11兆4,874億06百万円を記録し、前年比1.0%の増加となった。この成長は病院や開業医の需要増に牽引されており、特に抗腫瘍剤やワクチン類が顕著な伸びを見せた。ただし、全身性抗ウイルス剤など一部の薬効分野では減少が見られた。トップ製薬企業では、中外製薬が4年連続で市場を制し、ファイザーとツムラが高成長を遂げた。一方、2025年第1四半期は前年同期比で0.6%減少し、2兆6,637億56百万円となった。市場は引き続き「L01 抗腫瘍剤」と「A10 糖尿病治療剤」が牽引しているが、全体の減少率に影響を及ぼす分野も存在する。これらのデータは、医薬品市場の動向を把握し、将来の市場戦略立案に活用される。
2025年5月22日
報道関係者各位
IQVIAジャパン トップライン市場データ <2024年会計年および2025年第1四半期>
- 24年会計年は4年連続の前年比増で、05年発表開始以来の最高額となる11兆4,874億06百万円(1.0%増)
- 25年第1四半期は前年比0.6%減で2兆6,637億56百万円
● 24年会計年(24年4月-25年3月): 11兆4,874億06百万円(1.0%増)
✓ 市場別では「病院(病床100床以上)」5兆4,163億09百万円(前年比1.6%増)、「開業医(病床100床未満)」2兆1,551億08百万円(同1.9%増)、「薬局その他」3兆9,159億90百万円(同0.2%減)
● 25年第1四半期(1-3月): 2兆6,637億56百万円(0.6%減)
✓ 市場別では「病院」1兆2,514億69百万円(前年比0.4%増)、「開業医」4,787億75百万円(同2.8%減)、「薬局その他」9,335億12百万円(同0.8%減)
IQVIAジャパン グループは、2024年会計年(24年4月-25年3月)と、2025年第1四半期(1-3月)の日本医療用医薬品市場(薬価ベース)を、「IQVIAジャパン トップライン市場データ」として2025年5月22日に発表しました。
IQVIAジャパン グループでは、日本のヘルスケア産業の発展と透明性の創造、および社会の皆様に日本のヘルスケア市場についての理解を深めていただくため、市場規模や薬効、製薬企業および医薬品の売上、処方、疾病に関するトップラインデータをメディアや医療・医学の研究に携わっている学術研究機関へご提供しています。当社はトップラインデータの開示により皆様と情報の共有化を図ることで、日本のヘルスケアの発展への貢献を目指しています。
【25年会計年(24年4月-25年3月)】日本医療用医薬品市場トピックは以下の通りです。
◎ 当該期間の日本医療用医薬品市場は、4年連続前年増(1.0%増)で11兆4,874億06百万円で2年連続の11兆円台で、2005年にトップライン市場データ発表開始以来、会計年として最高額となった。05年会計年の市場は7兆7,471億97百万円であり、24年会計年までに148.3%(3兆7,402億09百万円)拡大。
◎ 売上げ上位10薬効*は、薬効首位が「L01 抗腫瘍剤」で1兆9,737億02百万円(0.7%増)と2兆円台を目前に微増。今期も大きく成長したのは「7位 J07 ワクチン類(含トキソイド)」で3,418億30百万円(42.9 %増)。一方「5位 J05 全身性抗ウイルス剤」は3,945億55百万円(-25.6%減)で大きく下落。
◎ 売上げ上位20社(販促会社レベル**)は、21暦年(1-12月)で初めてトップになった中外製薬が同様に、21年会計年以来4年連続トップで5,343億35百万円(1.0%減)。売上高上位20社中、前年比20%超の高成長を記録したのは、8位のファイザー3,192億08百万円(26.1%増)、20位のツムラ1,932億13百万円(22.1%増)の2社。最大の減少率は16位の小野薬品工業2,229億73百万円(13.2%減)。
◎ 売上上位10製品では、キイトルーダ1,917億89百万円(16.3%増)が2年連続二桁成長でトップ、最大の伸び率は10位エンレスト889億93百万円(47.7%増)。次に4位デュピクセント1,217億56百万円(40.5%増)が続く。一方、前年を下回ったのは3位オプジーボ1,367億23百万円(16.9%減)、8位イミフィンジ1,031億92百万円(14.5%減)の2製品のみ。
【2025年第1四半期(1-3月)】日本医療用医薬品市場トピックは以下の通りです。
◎ 当該期間の日本医療用医薬品市場は、2兆6,637億56百万円。2期ぶりの前年減で0.6%減。
◎ 売上げ上位10薬効では、薬効首位は「L01 抗腫瘍剤」4,627億37百万円(0.7%増)、2位「A10 糖尿病治療剤」1,848億70百万円(9.7%増)、3位「L04 免疫抑制剤」1,488億92百万円(0.3%増)で、この順位は23年第4四半期から6期連続。最大の伸び率は漢方薬を含む8位「V03 その他の治療を目的とする薬剤」738億38百万円(16.4%増)、最大の減少率は6位「J05 全身性抗ウイルス剤」842億65百万円(37.0%減)。
◎ 売上げ上位10製品では、トップはキイトルーダで474億76百万円(16.2%増)。前期(24年10-12月)でトップだったコミナティは今期ランクアウト。最大の伸び率は7位のエンレスト252億24百万円(56.6%増)、最大の減少率は3位のオプジーボ302億55百万円(20.6%減)。
▪ IQVIAの医薬品市場統計は、1965年にご提供を開始したJPM(Japan Pharmaceutical Market)において半世紀以上にわたり、データ精度の検証と向上を目的に購読企業各社のご協力を得て、弊社と当該企業各社の売上データの整合性を検定し、その年次結果はフィードバックさせていただいております。
▪ IQVIAの日本医薬品市場統計(JPM)は医薬品卸を介した流通情報を基礎データとしているため、通常の医薬品とは流通が異なる場合IQVIAの医薬品市場統計へは反映されません。
* IQVIAジャパン「医薬品市場統計」における「薬効」はATC分類に準拠しています。
本項の 「ATC 分類(Anatomical Therapeutic Chemical Classification)は、EphMRA(European Pharmaceutical Market Research Association : 欧州医薬品市場調査協会)により管理されている、アナトミカル薬効分類(作用部位別薬効分類)に準じており、日本医薬品市場統計作成にあたっては、定期的に最新最適な状態に見直しを図っています。
**IQVIAジャパン「医薬品市場統計」の「販売会社レベル」と「販促会社レベル」の定義は以下の通りです。
販売会社レベル:卸店に対して製品を販売し、その代金を回収する機能を持つ製薬企業
販促会社レベル:MRによる情報提供活動を通じて販促活動を行なっている製薬企業
IQVIA について
IQVIA (NYSE:IQV) は、臨床研究サービス、コマーシャルインサイト、ヘルスケアインテリジェンスをライフサイエンスおよびヘルスケア業界に提供するリーディング・グローバル・プロバイダーです。IQVIAのソリューションポートフォリオはIQVIA Connected Intelligence™ のアプローチを基盤としており、質の高い健康データ、Healthcare-grade AI®、高度な分析、最新のテクノロジー、そして広範な専門知識に基づく実用的なインサイトとサービスを提供しています。IQVIAは、ヘルスケア、ライフサイエンス、データサイエンス、テクノロジー、オペレーショナルエクセレンスの専門家を含む約88,000人の従業員を100か国以上に擁し、革新的な治療法の開発と商業化を加速させることで、世界中の患者アウトカムと公衆衛生の改善に尽力しています。
IQVIAは、患者個人のプライバシー保護におけるグローバルリーダーです。当社は、医療関係のステークホルダーが疾患パターンを特定しより優れたアウトカムを得るために要される正確な治療経路や治療法と関連付ける規模の情報を生成・分析する一方で、個人のプライバシーを保護するために、プライバシーを強化するさまざまなテクノロジーやセーフガードを採用しています。また、IQVIAのインサイトと実行力は、バイオテクノロジー、医療機器ならびに製薬企業、医療研究者、政府機関、保険者やその他の医療関係のステークホルダーが、疾患や人間行動、科学の進歩をより深く理解し、治療に向けた道程を前進させる支援をしています。IQVIAの詳しい情報はこちら(www.iqvia.com)をご覧ください。IQVIAジャパンはこちら
www.iqvia.co.jp
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日本医療用医薬品市場、2024年年間並びに第4四半期の両方で、2005年IQVIA発表以来最高額
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