2024年7月3日(水)、一万円札、五千円札、千円札の3券種が改刷されます。
それぞれの紙幣の肖像に選ばれたのは一万円札が渋沢栄一、五千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎となっています。
新しい紙幣や硬貨が発行される機会が訪れると、ちょっと気になるのが「今までの紙幣を取っておくと、そのうち価値が高くなったりするのかな?」ということ。
そこで今回は、そんな疑問を解決するべく「高値で取り引きされる硬貨や紙幣」について紹介していきます。
価値が高いとされるエラーコイン
エラーコインとは、製造過程において何らかのエラーやミスが発生し、通常の硬貨とは異なる状態になってしまったものを指します。
検品の時点で取り除かれることがほとんどですが、そこをすり抜けて世に出てしまう硬貨が稀にあり、そういったお金が希少価値の高いものとして取り引きされています。
《エラーコインの例》
・ 穴ずれ:中心位置から穴がずれてしまっている
・ 穴なし:本来なら穴のある部分がふさがってしまっている
・ 刻印ずれ:硬貨の模様が本来の位置からずれてしまっている
・ 角度ずれ:図柄の角度がずれている
・ 傾打ずれ:表側の模様に対して裏側の模様が斜めに傾いてしまっている
・ 影打ちエラー:硬貨の両面が同じ模様になってしまっている
・ 裏写り:裏の模様と表の模様が重なって刻印されている
・ ヘゲエラー:金属がめくれた状態で印刷されている
流通後にできたと思われるキズや人為的に開けられた穴などは、エラーコインの対象とはなりません。
見分け方が難しい場合は、エラーコインの買い取りなどを行っている専門店などで鑑定してもらいましょう。
発行年にも注目! 希少価値の高い硬貨を発行年で見つけてみよう
エラー硬貨ではありませんが、発行年によって大きく価値が左右される硬貨もあります。
発行枚数が少ない年の硬貨の価値が高くなるため、造幣局のHPなどで発行枚数をチェックしてみるといいでしょう。
古い年代のものほど価値が高いようなイメージもありますが、キャッシュレス化が進む近年、令和発行の1円玉などは発行枚数が激減しているため、価値が高くなる傾向にあります。
《希少価値の高い発行年》
◇1円玉:昭和30年、昭和64年、平成12~14年、平成23~25年、平成28年以降
昭和30年は1円玉が初めて発行された記念すべき年、昭和64年は1週間しかなかったため価値があるとされています。
平成23年以降はキャッシュレス化が進み、1円玉の発行枚数が減少していることが挙げられます(平成26~27年は消費税が8%になったことにより発行枚数が一時的に増加)。
◇5円玉:昭和24~33年、昭和64年、平成22~25年
昭和24~33年に発行された5円玉は文字が楷書体で書かれているため価値が高く、平成22~25年は発行枚数が非常に少なくなっているため希少価値が高いといわれています。
◇10円玉:昭和26~33年、昭和61年後期
価値が高い10円玉として最も有名なのが昭和61年後期に発行された硬貨。
昭和62年に発行予定だった新しいデザインの10円玉が、昭和61年後期にプルーフセットとして発行。
同時期に2種類の10円玉が流通するという珍しい状況になりました。
この昭和61年後期の10円玉はかなり希少価値の高い硬貨として人気があります。
(前期と後期では平等院鳳凰堂の屋根の先端部分や中央の階段部分などのデザインに違いがあります)
縁の部分がギザギザになっている「ギザ10」は昭和26~33年にかけて発行された10円玉。
その中でも昭和32~33年のものは発行枚数が少なかったことにより価値があるとされています。
◇50円玉:昭和62年、平成12~13年、平成22~25年
一般流通として発行されなかった昭和62年の50円玉は希少価値の高い硬貨として有名。
コレクター向けの貨幣セットでしか発行されていないため、非常に人気が高くなっています。
平成12~13年と平成22~25年は50円玉の発行枚数が少ないため価値が高いとされています。
◇100円玉:昭和39年、平成13~14年
100円玉は銅とニッケルの合金で作られていますが、昭和32~41年発行のものは銀が60%程度含まれており、その中でも昭和39年は発行枚数が少なかったために価値が高いといわれています。
平成13~14年は発行枚数が大きく減ったことにより、価値が高くなっています。
◇500円玉:昭和62年、昭和64年
昭和62年は500円玉の発行枚数が非常に少なかったため、昭和64年は1週間しかなかったため価値が高めとされています。
参照:造幣局「年銘別貨幣製造枚数」(pdf)
価値が高い紙幣の種類
紙幣の場合は硬貨と異なり、印刷されている記番号が注目されるポイント。
ゾロ目やキリ番、サンドイッチ番号など、数字の並びが特徴的な紙幣の価値が高いとされています。
もちろんエラー紙幣も希少価値が高く、裏写りや耳付きといったものが高値で取り引きされています。
《紙幣の記番号が特徴的なもの》
・ ゾロ目:111111、555555など6桁の数字がすべて同じになっているもの
・ キリ番:100000、200000など下5桁が0で揃っているもの
・ サンドイッチ番号:100001、233332など1桁目と6桁目の数字が同じで、間に挟まっている数字(2桁目~5桁目)が揃っているもの
・ 階段:123456、654321など連続した数字が並んでいるもの
・ 一番:A000001Aといった数字の部分が1になっているもの
・ トップ番号:A-A券という初期に印刷された紙幣で、A××××××Aのように両端の番号がAになっているもの(AA-A券は初期のものではない)
・ ラスト番号:ZZ-Z券(ZZ900000Z)といい、その紙幣のなかで最後になる紙幣
・ 同アルファベット:B××××××Bなど、同じアルファベットで挟まれていて、さらに中の数字がゾロ目や一番だと価値が高い
エラー紙幣
・ 裏写り:裏面の絵柄が表面にも重複されて印刷されている紙幣
・ 耳付き:裁断ミスによって紙幣の角に余計な紙が付いた紙幣
・ 印刷ずれ:絵柄がずれて印刷されている紙幣
紙幣も硬貨同様、流通前に厳しいチェックが行われていますが、それをすり抜けて出回ってしまったエラー紙幣があります。
非常に価値が高いとされている反面、流通後に人為的に作られた偽物も多いといわれています。
見分け方が難しい場合は、専門家や専門店などで鑑定してもらうようにしましょう。
記念硬貨
大きなイベントや出来事などを記念して発行されることが多い記念硬貨。
日本では天皇陛下御即位や御在位〇年、沖縄復帰〇年、鉄道開業〇年、オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップなどの記念硬貨が良く知られています。
記念硬貨の中でも価値が高いのはやはり金貨。
金の価格が高騰しているため、金貨の価値も大きく上昇しています。
金貨単独でも価値は高いものの、金貨・銀貨・白銅貨などを含めた記念貨幣セットも人気があります。
保存状態や硬貨が入っている箱やケースの状態が良ければ、さらに価値が上がるといわれています。
人気が高い記念硬貨
「平成2年 天皇陛下御即位記念10万円金貨」
「昭和61・62年 天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」
「平成31年 天皇陛下御在位30年記念1万円金貨」
「平成11年 天皇陛下御在位10年記念万円金貨」
「1997年 長野オリンピック冬季競技大会記念1万円金貨」
「2002 FIFAワールドカップ記念1万円金貨」
「東日本大震災復興事業記念1万円金貨」
「2005 日本国際博覧会記念1万円金貨」
「東京2020オリンピック競技大会記念1万円金貨」
「ラグビーワールドカップ2019日本大会記念1万円金貨」
保存状態の良し悪しも重要なポイントですが、発行枚数にも注目。
発行枚数が少ないものほど価値が高くなるため、そういった点からもチェックしてみるといいでしょう。
複数の店舗の価格をチェックし、比較してみましょう
まずはお財布の中、貯金箱の中など、家にあるお金の発行年や記番号を確認。
そしてこれから手にするお金もできるだけチェックしてみることをオススメします。
ちょっと気にしておくだけで、価値あるお宝を見逃すことなく手に入れられるかも知れません。
こちらに掲載しているような硬貨や紙幣、記念硬貨などの買い取り価格は、お店や日によって異なります。
買い取り価格については、買い取りを実施している店舗のHPなどを参考にしてみてください。
その際、複数の店舗の価格をチェックし、比較してみることをオススメします。