ここ数年、オンライン化やマイナンバーカードの普及によって、暮らしにいろいろな変化があります。
往来の健康保険証廃止→マイナ保険証一本化で起きる2つの「2025年問題」とは?
自動車の運転免許証もその1つで、2022年からモデル事業として、運転免許の更新時の講習をオンライン化する取り組みが試行されています。
そして何よりも今年度中には、免許証はマイナンバーカードに一体化される予定です。
変化に伴い、私たちの暮らしはどのようにかわるのでしょうか。
運転免許証の現状について、調査してみました。
講習が好きな場所から受けられる!
2022年から始まったモデル事業として、北海道・京都府・千葉県・山口県の4道府県では、パソコンやスマホを使って講習を受けることができます。
受講できるのは、優良運転者はもちろん一般運転者もOKです。
モデル事業での対象者は次の通りです。
北海道、千葉県、京都府、山口県の公安委員会の更新連絡書をお持ちの方で、講習の区分(更新連絡書に記載)が「優良」または「一般」の方
オンライン講習(モデル事業)の受講及び免許証の更新の時点で、上記4道府県に現にお住まいの方
住所が上記4道府県のマイナンバーカード(有効な署名用電子証明書と英数字6~16文字のパスワード、および有効な利用者証明用電子証明書)をお持ちの方
現にお住いの上記4道府県において更新手続をされる予定の方
参照:警察庁「オンライン更新時講習モデル事業(pdf)」
講習の流れは以下のようになります。
2024年度末までに規模を拡大、全国でオンライン受講できるように準備が進んでいます。
メリット:いつでもどこからでも受講OK!
パソコンやスマホを使って受講することができるので、どこからでも都合の良い時に視聴することが可能になります。
小さなお子さんがいらっしゃる方や忙しいかたにとって、負担の軽減につながるでしょう。
また、コロナやインフルエンザなど感染症が多く発生している時期でも、対面での接触を減らすことができるため、感染症対策につながります。
注意点
免許更新を行う際、受講済みであることが確認できないと再度講習を受けなくてはなりません。
そのため、動作環境を確認すること、インターネット環境を整えておくことが必要です。
受講時には、マイナンバーカードが必須となります。
署名用電子証明書のパスワード(英数字6~16文字)を入力しなくてはなりませんが、5回連続で間違えるとロックがかかります。
デメリット:オンラインだけで完結できない
1番のデメリットは、講習はオンラインで済ませることができても、結局は、
更新を完了させるには、管轄の警察署もしくは運転免許センターへ行かなければならない
という点です。
講習分のみの時間と手間の軽減になるということを、理解しておきましょう。
マイナンバーカードと免許証の一体化
免許証での今年の大きなトピックスがこれ、マイナンバーカードそのものが運転免許証としても使用できるようになります。
現状では、免許証そのものを廃止することは想定されておらず、一本化するか否かは個人の決断に任されています。
運転免許証とマイナンバーカードの利用方法は、次の3パターンになります。
一体化せず、従来の運転免許証を使用する
一体化して、従来の運転免許証を返納する
一体化するが、従来の運転免許証も保有し続ける
メリット:手続きの簡素化&費用が軽減されるかも!!
免許証と連動させたマイナンバーカードを携帯していれば、免許不携帯にはならなくなります。
小さなカードとはいえ、何枚も持ち歩く必要がなくなります。
また、現在引っ越しすると、住所変更手続きと別途、運転免許証の住所変更手続きが欠かせません。
しかし、一体化するとマイナンバーカードの住所変更手続きを行えば、運転免許証の住所変更手続きは不要になり、手続きが簡単になります。
さらに、居住地以外の場所で運転免許証の更新手続をするとき、現在更新期限は誕生日の1か月前から誕生日までの間(誕生日が土曜、日曜、祝休日にあたる時はこれらの日の前日まで)ですが、誕生日から1か月後までに延長することが予定されています。
最も期待したいのが、経済的な負担が軽減されることです。
まだ具体的な発表はありませんが、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では以下の通り文章化されています。
警察庁及び都道府県警察の運転免許の管理等を行うシステムを警察庁が整備する共通基盤(警察共通基盤)上に集約する。また、当該一体化に伴う相当の行政コストの削減効果を踏まえ、関係省庁と連携し、運転免許証の更新手数料の引下げなど利用者負担の軽減を検討する。
引用元:デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画本文(pdf)」
デメリット:紛失には要注意
気になるのは、マイナンバーカードを紛失した場合です。
マイナンバーカードの再発行は、今は1~2か月かかります。
政府は最短5日間で再発行できる仕組みを構築すると明らかにしていますが、役所へ取りに行く手間も付随してきます。
通勤通学に車を使っているならば、平日は毎日でしょうし、体調が優れず通院しているなら公共交通機関の利用は不安でしょう。
1~2か月が5日に短縮できたとしても、影響を受ける方は多いように感じます。
メリットデメリットを含めて、情報収集を
以上、2024年5月12日現在の情報をまとめてみました。
今後はさらに、スマートフォンに運転免許証を搭載する「モバイル運転免許証」の導入も検討されており、オンライン講習やマイナンバーカードとの一本化についても変更や改善がされるかもしれません。
便利になるのは大変ありがたいことですが、デメリットや注意点もしっかり理解して損や不便のない方法を見極めていきましょう。
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