高齢になってくると、夜なかなか寝つけないというお悩みを持っている方は多いものです。
高齢者の不眠の悩みは病気や飲んでいる薬が関わっている場合がありますので、まずはかかりつけ医に相談ですが、快適な睡眠をとるためには、医療のサポートを受けながら自分で行える簡単な工夫を行っていく必要があります。
今回は、高齢者の不眠で困っている方に、簡単でお手軽な工夫をお伝えします。
高齢になると不眠になりやすい
高齢になると、眠りが浅くなったり、朝早くに目が覚めたりするようになります。
また、夜にトイレに起きることもあり、ぐっすりと寝たと感じにくくなっています。
寝られない寝られないと思っているとリラックスできず、さらに眠くなりにくくなります。
その影響で、日中に眠気がやってきて昼寝が長時間になってしまい、夜はまた眠れなくなっていくというサイクルが出来上がってしまう方もいます。
また、ひざや腰の痛みや身体のかゆみなどが、眠りを妨げる原因になることもあります。
眠れない原因が痛みやかゆみとはっきりわかっている場合は、病院受診をして、相談しましょう。
はっきりとした原因が思い当たらず、不眠で生活に支障が出ている場合も、病院受診をおすすめします。
その際に睡眠薬を処方されても、それを飲めば不眠対策はバッチリというわけではありません。
眠くない時間帯に飲んでも、効果が発揮されずうまく寝られないこともあります。
また、生活習慣の問題がある場合も睡眠薬の効果を感じにくくなります。
不眠を解消する為には、生活習慣などを改善していく必要があります。
寝るための環境を整えよう
不眠の解消には、寝るための環境作りも大切です。
まずは何をどうしたら良いのかを明確にすることです。
大げさなリフォームなどは必要ありませんし、大金をかけることなく今ある物を少し変えるだけで寝やすい環境に整えることができます。
不眠を抱えている高齢者にとってまず整えるべき点は次の3つです。
解消ポイント1: 夜間のトイレが心配
夜間起きられなくて、排泄を失敗するのではないかと気になり寝られない場合は、夜間のパットを大きい物に替えて、安心できるようにします。
解消ポイント2:寝室の環境
寝室の快適さをあげるために、エアコンを用い快適な室温に調整することは、大切なことです。
「面倒だし、私はこれで大丈夫」と過ごしにくい室温で生活している高齢者は多いものです。
小さなことですが心地よい眠りには寝室の環境を見直すことも重要なポイントです。
夜間のトイレへの移動の対策として足元灯を利用し、部屋の明るさは寝るのに快適な程度にしておきましょう。
解消ポイント3:眠れないことが不安
また、精神的にリラックスしていることも重要です。
何時までには寝なければ、何時間は寝なければと思いこまないようにして、眠くなってきたら布団に入るといった程度の心持でいるようにしましょう。
日中や寝るまでの生活習慣を変えよう
日中や寝るまでの過ごし方も不眠解消には重要です。
お手軽でお金をかけずにできる方法をご紹介します。
1. 日中は適度な運動
身体が適度に疲労していると眠りやすくなります。
ポイントは、激しい運動ではなく、心地よい疲労感が得られる程度の運動を行うことです。
2. 寝酒をしない
寝酒をすると、眠りが浅くなるだけでなく、夜中にトイレに起きる原因にもなります。
寝るためにお酒を飲む習慣がある方も多いと思いますが、逆効果となっていると考えられますのでおすすめできません。
3. 上手な昼寝
長時間の昼寝を行うと、夜寝られなくなってしまいます。
昼寝の適切な睡眠時間の長さは、10~20分とされています。
よく言われていることですが、
昼寝前にカフェインをとる、
昼寝から起きたら太陽の光を浴びる
などして、適切な長さの昼寝時間をとるようにしましょう。
4. スマホやパソコンの利用は就寝1~2時間前まで
スマホやパソコンを寝る前まで使っていると、寝つきが悪くなります。
ゆっくりとした時間にゆっくりスマホを操作したいという方も多いと思いますが、布団に入ってスマホを触るのは、就寝1~2時間前までにします。
日中や寝るまでの生活習慣は、自分や家族の協力でお金をかけずに変えやすいです。
不眠の原因になる生活習慣に心当たりがある方は、今日から変えていきましょう。
自分の生活スタイルにあった睡眠時間で深く悩まないように
不眠の解消は、医療に頼るということが多いのですが、睡眠薬が唯一の解決法ではなく、生活改善で不眠が改善することもあります。
また、睡眠薬をもらった場合でもそれで終わりではありません。
睡眠薬の効果を得るためにも、眠りやすいように生活習慣や住環境などを整える必要があります。
睡眠薬も正しく服薬しないと、ふらつきの原因になり、転倒を引き起こしますので、注意が必要です。
睡眠時間が短くなっていても、昼寝と合わせて睡眠時間を確保できていたり、昼夜逆転や日中の活動に影響が出ていないのならば、加齢のためと割り切り、不眠について悩まないようにしましょう。
今は、朝早く起きて、趣味や自分時間を楽しむ朝活が取り上げられています。
朝早くに目が覚めるのでしたら、逆にその時間を運動や趣味活動などを楽しむ、朝活時間として考えるのもひとつの方法です。
睡眠は生活の質に深くかかわってきます。
周りの人と比べるのではなく、自分の生活スタイルにあった睡眠時間とは何かを考え、まずは簡単できる不眠解消の方法から試してみてはいかがでしょうか。