介護が長期になってくると部屋のにおいが気になる、衣服がにおう気がするなど、経験されている方は、多いのではないでしょうか。
介護ともなうにおいに悩んでいる場合もあると思います。
においの問題はデリケートな話題で、面と向かって指摘するのは気後れしてしまいます。
しかし、生活を共にしていると、無視することはできない問題です。
今回は、介護に伴うにおいへの対策について、お安く簡単にできる対応についてお伝えしていきます。
衣服のにおいが気になるときはコレ
衣服のにおいの原因として、
排泄を失敗しているのに着替えていない、
汚れた衣服をそのまま着ている
といった場合には、少しの期間でもにおいが気になってくることがあります。
対策としては、下着を排泄の状態に合わせたものに変えたり、衣服を脱ぎきしやすいものにして、失敗を防ぐといったことを考えてみましょう。
すぐにできる対策としては、
普段の下着を紙パンツに変更したり、
適切な量を吸収できる尿とりパッドに変えることで
消臭効果を高めることができます。
また、トイレが遠くて間に合わない、トイレ内に手すりがないため、立ち座りが難しいなど物理的な問題は、介護保険の特定福祉用具販売や住宅改修で対応できます。
特定福祉用具販売や住宅改修では、ポータブルトイレの購入やトイレ内に手すりなどを設置すると一定の金額が戻ってきます。
におい対策として、紙パンツの利用や脱ぎ着しやすい服への買い替え、住宅改修など、お金がかかることを拒否する高齢者の方もいます。
しかし、排泄の失敗をそのままにしていると不衛生という問題にもつながってしまいます。
介護生活を送りながらも、心地の良い毎日を送ることは精神面でもとても大切なことです。
また、におい問題は、本人が気にしていなくても周りの人に影響を与えています。
においの問題は、清潔保持と周りへの影響があること、排泄の失敗などは年をとると誰でも経験していて、恥ずかしいことではないことなどを本人のプライドを傷つけないように、話しましょう。
金銭的なことが心配という方に対しては、
特定福祉用具販売や住宅改修など、介護保険によって一定の金額が戻ってくることや、
紙パンツやパッドの価格や1か月にかかる金額の予想を伝える
など、金銭的な不安を取り除くようにしていきましょう。
参考資料:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索
部屋やポータブルトイレなどからにおう場合はコレ
「部屋ににおいが染みついている気がする」
という話も良く耳にします。
ポータブルトイレを居室に置いていると、においの心配もストレスになりがちです。
お部屋のにおい対策に利用したい商品をご紹介します。
部屋に染みついているにおいは、排せつ物のほかにも体臭など複合的なにおいになっていることが多いものです。
複合的なにおいには、一般的な消臭剤ではなく、介護用の消臭剤がおすすめです。
介護空間用消臭力 エールズ置き型
ナノレベルの孔で、悪臭を吸着し、介護空間をさわやかにします。
一般用の消臭剤を使っても効果がイマイチだった時に、次のにおい対策方法として空気清浄機を利用する方法もありますが、まず試せる手軽な方法として介護用の消臭剤を利用してみるのはいかがでしょうか。
介護用の消臭剤は、空気清浄機と違い、電源も必要なくコンパクトなため、狭い部屋でも置きやすく、コードもないので、転倒の原因にもなりにくいです。
家での対策が難しいときは介護サービスの利用を
一人暮らしで、衣服の洗濯や整理、着替えが難しい場合には、訪問介護や通所系サービスなどの介護サービスを利用する方法もあります。
汚れている服と清潔な服を区別できなかったり、うまく整理整頓ができていない場合は、洗濯や整理整頓を訪問介護の介護士とともに行うことで、改善することができます。
洗濯や衣服の整理整頓などは、頻回に訪問介護を利用する必要はありません。
訪問介護
訪問介護で、週1回程度、45分以上の洗濯や衣類の整理整頓の生活の援助を受けると、1回あたり1割負担の方で、354円で利用できる事業所もあります。
着替えが難しい場合は、入浴などの清潔保持も適切な回数行えていない可能性もあります。
そのような時は、デイサービスを利用することで、介助を受けながら、着替えや入浴を行うことができます。
また、着替えや入浴動作のアドバイスを受けることで、家で着替えがしやすくなることもあります。
デイケア
デイケアであれば、着替えや入浴動作をしやすくなるリハビリを受けることができます。
既にデイサービスやデイケアに通われている方は、入浴を追加したりリハビリ内容を変更することで、におい対策ができることもあります。
デイサービスの入浴は施設によって異なりますが、1割負担の方の場合、1回あたり43円で提供している施設もあります。
現在、介護保険サービスを利用している方は、安価で清潔保持によるにおい対策をすみやかに行うことができます。
ぜひとも、ケアマネージャーに介護保険サービスを利用したにおい対策を相談してみましょう。
清潔な空間は活力を向上させる
におい対策では、においの原因を考え、本人とともに対策をとっていくことが重要です。
本人の気持ちを置き去りにしたり、本人のできる方法での対策ではなかった場合、うまくいかず、改善しないことについてイライラしてしまいます。
においは、生活にとても関係のある要素です。
清潔な空間は生活への活力も向上するものです。
本人もにおいに気づいているけれど、改善せず、困っているかもしれません。
今回ご紹介した便利な商品や介護保険のサービスなどをうまく活用し、介護される側、介護する側の両方にとって、負担なくにおいが改善できるようにしていきましょう。