クレジットカードは、還元率の差を争う時代はすでに終わり、特別なサービスで勝負する時代に入ったと考えます。
【クレカ&銀行】三井住友Oliveの活用 コンビニATM手数料無料を放棄し、特約店還元率を1%上げました
三菱UFJカードも、コンビニ等で最大10.5%の還元(還元率というよりも、性質がクーポンの自動適用に近い)という特別なサービスを提供するカードです。
筆者も使っており、マネーの達人でも何度かおすすめしてきました。
今になって裏切るようで気が引けますが、最近、このカードの使いみちがほとんどなくなりました。
このままだと解約することになります。
人によってはフル活用できるのも事実です。
三菱UFJカードの現在を見てみます。
三菱UFJカードの特徴
三菱UFJカードは、銀行系クレジットカード会社三菱UFJニコスの発行する看板カードです。
・還元率0.5%とされているが、実際に0.5%を確保するポイント交換方法に乏しい
・コンビニ等で還元率5.5%とされているが、付加ポイントの計算方法が厳しく、複雑
・5.5%となる特約店が少ない(セブン-イレブン、ローソン、松屋、松のや、マイカリー食堂、ピザハット、コカ・コーラ自販機)
・Apple Payでスマホでのタッチ決済が使えない(QUICPayになる)
・Google Payは不可
・前述の特約店5.5%は、一時的に10.0%だった(2023年)。期間延長を匂わせていたが結局実施していない
・リボ払いが初回手数料無料タイプのため、コンビニ等でのポイントアップのためにリボ設定しても、リボ残高を残さなければ手数料は不要
・年会費実質無料(年1回利用があれば無料)
・Amazonギフトカードにポイント等価交換可能
・通年で1万円相当もらえる入会キャンペーン実施中(公式サイトからの入会で、2024年3月まで1万5,000円に増額中)
メリットとデメリットを比較します。
1. 還元率
三菱UFJカードの還元率は、カード利用でたまったポイント(グローバルポイント)を等価交換できて初めて、公称どおり0.5%であり、コンビニ等利用時の5.5%となります。
三菱UFJカードについては、やや数字を鵜呑みにできません。
理由1:ポイントを等価交換する方法が「Amazonギフトカード」「ビックカメラ」「ベルメゾン」しかない
理由2:多くの交換方法(共通ポイントや、キャッシュバック)は、交換率1:0.8。この交換を前提にして還元率を計算し直すと、0.4%
理由3:特約店でのポイントアップは、「店舗ごと」の月利用額で算出する。あるブランドで月1,000円使わないと、ポイントアップはない
わずか3種類の交換方法が、公称の還元率の根拠となっているのです。
筆者は昨年、入会キャンペーン等でためたグローバルポイントをビックカメラのビックポイントに移行しました。
損はしていませんが、ポイント以降単位は500(2,500円相当)と、交換率8割のポイントと比べて大きい数字となっています。
Amazonギフトカード(図書商品券も)への移行は、100単位(500円相当)なので比較的使いやすくなっています。
2. 特約店でのポイントアップ
ポイントアップの特約店の、計算単位が「店舗単位で1,000円」と、大きく不利です。
セブン-イレブンとローソンで通算してくれないだけでなく、松屋フーズのブランド間でも、合算してくれません。
・松のや(とんかつ)で月800円モバイルオーダーを使う
・マイカリー食堂で月800円モバイルオーダーを使う
VISA、Mastercard、アメックスでは、松屋グループをまたがって月2,500円使ってもダメなのです(JCBに限り、モバイルオーダーとして通算される)。
モバイルオーダー(松弁ネット、松弁デリバリー共通)でなく店頭券売機利用の場合、JCBであっても、異なるブランドの合算不可です。
特約店の数が絶対的に少ないのです。
セブン-イレブンとローソンは、三井住友カード(タッチ決済)の特約店とカブっています。
三井住友カードなら、スマホのタッチ決済で最低でも7.0%、人によっては20.0%です(家族ポイントやOliveアカウントでの取引等)。
しかもポイントアップの算出方法が、特約店での月額利用を合計し、200円単位で算出されるという優しさです。
筆者はセブン-イレブンでのみ三菱UFJカードでしたが、2024年から三井住友カードの選べるポイントを変更し、スマホタッチで還元率10.0%にしました。
リボ払い設定して10.5%の三菱UFJカードより、三井住友カードのほうが得なので、もうセブンで三菱UFJを使うことはありません。
しかもGoogle Payなので、三菱UFJカードを持ち出して券面タッチ決済していました。利便性も大きく落ちます。
三菱UFJカードのリボ払い設定
現代人として、リボ払いを恐れる態度は正常です。
三菱UFJカードの場合、自動リボ払い(楽Pay)設定をしておくと、特約店での還元率が5%アップして10.5%となります。
5%のためにリボ払いの危険は背負えないというなら、無視して構いません。
ただし次の通り使い方のルールを決めることで、リボ手数料を支払わずポイントアップ特典だけ得られます。
・利用者が決める月のリボ支払額を、10万円とする
・この場合、三菱UFJカードを(目安として)毎月5万円を超えて使わない
・支払いを待っている利用合計額が10万円を超えない限り、手数料は発生しない
・万一10万円を超えてしまった場合、アプリで次回支払額を増額し、支払日に残高を残さなければセーフ
なるべくわかりやすく説明しましたが、それでもピンと来ない場合はリボ払いはやめましょう。
三菱UFJカードが必要なのは松屋ヘビーユーザーだけでは?
前述の通り、セブン-イレブンとローソンでは、三井住友カードのほうがおおむね有利です。
リボ払いを設定し、そして月の各店の利用額を厳しく管理し、千円単位で刻む決済をしていたとしても、三井住友カードに負ける可能性が大です。
三菱UFJカード独自のメリットは、松屋とピザハットにしかないのではないかと思います。
ピザハットは常に各種クーポンが多いため、三菱UFJカードのポイントアップが唯一のお得手段ではありません。
三菱UFJカードが唯一無二の働きをするのは、牛めしの松屋だけということになります。
松屋モバイルオーダーではPayPayとのコラボが始まりましたが、こちらは最大2.5%アップのため、まだまだ三菱UFJカードの優位性があります。
なお国際ブランドがJCBの場合、最も得になります(松屋3ブランドのモバイルオーダー利用額を通算してもらえるため)。
・三菱UFJカードを松屋アプリに設定
・松屋、松のや、マイカリー食堂は必ずモバイルオーダーで利用する(モバイルオーダーと通算されない、券売機では決済しないこと)
・月に1,000円は必ず使うこと(その後もできれば1,000円単位の区切りを意識する)
・ステーキ屋松は三菱UFJカードとは無関係(モバイルオーダーは可能)
利用額に応じた松屋の会員ランクアップ(1~5%)もあるので、驚くほどお得になります。
月に5,000円も使うと、最上級のプラチナ会員となり、翌月のモバイルオーダー還元率が5.0%となります。
三菱UFJカードのリボ設定済みの場合10.5%と合わせると、15.5%という還元です。
筆者の場合、最初は喜んでいましたが、飲食店も多数あり、じき飽きてしまいました。
松屋関係で月に1.000円使わない月も出てきてしまった今、三菱UFJカードの利用価値も大きく薄れているわけです。
筆者はJCBのため、モバイルオーダーでの松屋と松のや、マイカリー食堂利用が通算されます。
月に確実に1,000円使わなくなった場合、解約必至です。
三菱UFJカードは曲がり角
三菱UFJカードは、特約店でのポイントアップ4.5%追加が終わったこと、三井住友カードのサービス攻勢により、現在曲がり角にあるようです。
ただし牛めしの松屋に関しては唯一無二です。
松屋以外にも、三井住友カードと重複しない特約店が増えて欲しいものです。