年末年始は帰省などで支出が増えるのが悩みですが、近年は物価の上昇で以前より支出を抑えることが困難になっています。
しかし、長年の慣習を見直せば年末年始の支出を抑える余地はまだあります。
そこでこの記事では「慣習の見直し」を中心に、令和の年末年始支出増対策についてお伝えします。
1. 帰省の時期を年末年始以外にずらす
まず見直したい「慣習」は、交通費が高い年末年始の帰省です。
年末年始は公共交通機関の運賃の割引がなく、割高な正規運賃を払うしかありません。
たとえば東海道新幹線の「エキスプレス予約」「スマートEX」は12月28日から1月8日が設定除外日。他の公共交通機関も同様です。
それを背景に、多くの人が家計に響く高い正規運賃で年末年始に帰省しており、それが長年日本人の慣習になっています。
しかし、家計を傾かせてまで守るべき慣習はありません。
また、
運賃の割引が適用される年末年始以外に帰省すると交通費を節約できますし、
混雑が少ない中の移動で感染症のリスクやその治療で医療費が発生するリスクも軽減できます。
車で帰省する場合も、渋滞や交通事故が発生しやすい年末年始を避けた方が安心です。
そのため可能であれば、交通費が安く混雑が少ない時期に帰省をずらすことを検討してみましょう。
子供の負担を慮る親なら、そのことに異を唱えないはずです。
2. 参加する忘年会や新年会を厳選する
次に行いたい「慣習の見直し」は、参加する忘年会や新年会の見直しです。
ここ数年、感染症流行の影響で、忘年会や新年会への不参加に寛容な空気ができています。
それを背景に、この年末年始は参加する忘年会や新年会を厳選するのがおすすめ。
自分にとってあまり重要ではない忘年会・新年会は、思い切って不参加にしてはいかがでしょうか。
それで年末年始の交際費を抑えられます。
3. お歳暮を贈る人を減らす
年末年始にお歳暮を贈る慣習が家計の負担になっている場合は、その慣習を見直すことも必要です。
最近お歳暮の発送をやめた私の親族(高齢者)によれば
ほとんど交流のない子どもの義実家
疎遠になった親戚や元上司
などは、お歳暮をやめても問題なかったとのこと。
そのあたりから着手すると良いかもしれません。
4. 年賀状を出す相手を減らす
年賀状を送る慣習も見直しが必要です。
昨今はLINEやメールで新年の挨拶をする人が増えており、年賀状を送る必要性が薄れています。
それを理由に、若い世代を中心に脱・年賀状の動きが加速しています。
中年以上の人は脱・年賀状に抵抗を覚えるかもしれません。
しかし、年賀状を出す必要がある人とない人を区別し、出さない人を決めて送る年賀状の数を絞るのであれば、抵抗が少ないと思われます。
例えば、
正月休み明けすぐに会う会社の同僚
LINEやメールでよくやり取りする友人や知人
10年単位でまったくお付き合いがない親戚
などには年賀状を出さなくてもあまり問題はないでしょう。
ただ、何も言わずに年賀状をやめると変な憶測をする人もいるので、事前に対面やLINEで「今年から年賀状は送りません」と宣言しておくと無難です。
また、今回送る年賀状に
「年賀状を送るのは今年限りと致します」
などの一文を添えて相手に自分の意図を伝えると角が立たないでしょう。
5. 年末年始に向けて病気やケガの予防を強化する
年末年始に体調を崩すと、休日診療で割高な医療費を払うはめになります。
そのため、12月に入ったら病気やケガの予防を強化し、年末年始の受診を避けたいところです。
<主な対策>
マスク、うがい、手洗いの習慣化
予防接種を受ける
感染症にかかった人を家族から隔離する
子どもから目を離さない(ケガや事故の予防)
車の運転を慎重に行う
体調が悪い時は外出を控える
いつもより意識して「予防」を心掛け、年末年始の医療費を最小限に抑えたいところです。
6. 子どもの冬休みや帰省時の食費の予算を決める
子どもがいる家庭の年末年始は冬休みや帰省で食費が大幅に増えますが、それはある程度仕方ありません。
とはいえ、お金に糸目をつけずに食品を買ったり外食に行ったりするのは避けたいところ。
食費の予算を決めて、その範囲でやりくりする工夫も必要です。
たとえば、
保存が効く食品は価格が上がるクリスマス前に買っておく
業スなどの安いお店で上手に買い物をする
年末年始でも割増料金にならない外食店にいく
などの工夫をすれば、家計への負担を最小限にできます。
7. 冬休み中の光熱費を大きく上げない工夫も
冬休み中の光熱費を大きく上げない工夫も必要です。
暖房の設定温度を上げすぎない
暖房のフィルターを掃除する
カーテンで外から入る冷気を遮断する
使わない部屋の照明は消す
お風呂の追い炊き機能を使わない
時短調理でガスや電気の使用時間を短縮する
など、一般的な対策を行うだけでも光熱費を節約できます。
8. セールに使う金額の上限や買うものを決めておく
年明けのセールは年末年始の支出が大きく増える原因ですが、予算や買うものを決めてセールに臨めば意外と支出を抑えられます。
また、セール会場で衝動買いしそうになった時は、次のことを自問自答してみましょう。
本当に必要なものか?
使い道はあるか?
予算内で買えるか?
同じものが家にないか?
そもそも本当に安いのか?
それによって冷静さを取り戻し、衝動買いや予算を超える支出を抑えられます。
「慣習を見直して不要な支出を削る」が令和の年末年始支出増対策
この記事では、人間関係の見直しや帰省時期の変更など、これまで「聖域」となっていた慣習の見直しにまで踏み込んで、年末年始の支出増対策をお伝えしてきました。
長年の慣習を見直すのは大変勇気のいることであり、強い抵抗を覚える人もいるでしょう。
しかし、日本はもはや豊かな国ではありません。
交流がない人への贈り物や、気が進まない忘年会・新年会にも喜んでお金を出せる余裕がある人は少ないでしょう
また、感染症が大流行している中、高額な正規運賃を払って混雑する年末年始に帰省することが本当に親孝行と言えるのでしょうか。
多くの親はそんなことを望まないはずです。
昭和以前から続いた年末年始の慣習の中には、時代遅れなものも多々あります。
そのよう古い慣習を見直し、不要な支出を削っていくのが、令和に行うべき年末年始支出増対策ではないでしょうか。
そしてもちろん、例年通りの年末年始支出増対策もしっかりと行っていきましょう。