円安やエネルギー価格の上昇で、高騰が続いている留学費用。
費用が高すぎて留学できないという状況が続いています。
今回は若い世代の留学費用を支援してくれる給付型の留学生奨学金について紹介していきます。
※募集要項は変更になる可能性がありますので、各詳細につきましては、公式サイトを確認ください。
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独立行政法人日本学生支援機構「海外留学支援制度」
独立行政法人日本学生支援機構では、海外留学のための奨学金として「海外留学支援制度」を行っています。
各学校が提案するプログラムに支援が実施される「協定派遣」をはじめ、「学部学位取得型」「大学院学位取得型」などがあります。
ここでは返済不要の給付型を紹介していますが、返済が必要となる貸与型の支援も行われています。
海外留学までの大まかなスケジュール、留学先の情報や選び方などについてもHPで詳しく紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
※支援額や採用人数については2023年度のものを参考にしています
協定派遣
日本の大学、大学院、短期大学、高等専門学校(専攻科を含む。第2年次以下を対象とするものを除く)または専修学校(専門課程)が、在籍している学生を諸外国の高等教育機関等との学生交流に関する協定等に基づいて派遣先大学等に期間派遣するプログラムを支援する制度
対象者:
・日本国籍を有する者または日本への永住が許可されている者
・経済的理由により自費のみで派遣プログラムへの参加が困難な者
・派遣プログラム終了後、在籍大学に戻り学業を継続し、在籍大学等の学位を取得する者または卒業する者
・学業成績が優秀で、人物等に優れている者
など上記含め全8項目の要件あり
支援期間:派遣プログラムによる(8日以上~1年以内)
支援内容:
奨学金月額
指定都市…10万円
甲地区…8万円
乙地区…7万円
丙地区…6万円
※地域区分につきましては下記のサイトでご確認ください
渡航支援金(一定の家計基準を満たす者)…16万円
渡航支援金(一定の派遣期間を満たす者)…13万円
採用人数:採択プログラムにより異なる
学部学位取得型
対象者:応募時に日本に在住し、高校卒業後、海外にある大学で学士号を取得する課程に直接進学する者
※その他、語学、学業成績、所得要件等あり
支援期間:原則4年
支援内容:
奨学金…月額59,000円~118,000円
授業料…年度300万円を上限とする実費額
採用人数:78名
大学院学位取得型
対象者:
・修士または博士の学位取得を目的として海外の大学院へ留学する者
・学士以上の学位を取得した方または取得見込みの方
※その他、語学・学業成績・年齢制限等あり
支援期間:
・修士の学位取得コース…2年
・博士の学位取得コース…原則3年
支援内容:
奨学金…月額89,000円~148,000円
授業料…年度300万円を上限とする実費額
採用人数:151名(2023年度実績)
※官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」については、下記に掲載しています。
上記のほかに返済必須の「海外留学のための貸与奨学金」も実施されています。
参照:日本学生支援機構
文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」
官民協働のもと、社会総がかりで取り組む留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」。
政府だけでなく、各分野で活躍している方や民間企業からの支援や寄附などにより「グローバル人材育成コミュニティ」を形成し、将来世界で活躍できる人材を育成するための取り組みです。
2023年度からは「新・日本代表プログラム」として第2ステージへと移行。民間寄附100%原資、返済不要、成績・語学力不問の留学奨学金制度となっています。
※下記に掲載の内容につきましては今後変更される可能性もあります
「新・日本代表プログラム」の特長
・留学プランを自分で設定できる(テーマ・行き先・期間も自由)
・インターンやボランティア、研究も対象(座学だけでない多様な学び方)
・民間寄附による返済不要の奨学金(毎月の奨学金(12万円/16万円)に加え留学準備金などのサポート)
・充実した事前・事後研修(留学前・後も多様な講師陣や仲間同士で学べる充実の研修を提供)
・約1万人のトビタテ生コミュニティ(あらゆる分野で活躍する多彩な先輩トビタテ生と繋がり切磋琢磨しよう)
大学生等対象のコース
「イノベーターコース」50名
「STEAMコース」100名
「ダイバーシティコース」100名
高校生対象のコース
「マイ探究コース」360名
「社会探究コース」200名
「スポーツ・芸術探究コース」140名
支給金額
・奨学金月額(支給対象月1回分)
地域区分①…北米、シンガポール、欧州、中近東 ※除外国あり
家計基準内:160,000円
家計基準外:60,000円
地域区分②…アジア(シンガポールを除く)、大洋州、中南米、アフリカ及び区分①の除外国
家計基準内:120,000円
家計基準外:60,000円
・留学準備金
アジア地域:150,000円
その他の地域:250,000円
・授業料(大学生)
全地域:300,000円
※奨学金月額は独立行政法人日本学生支援機構が実施する国内の貸与奨学金「第二種奨学金(予約採用)」に掲げる家計基準を満たしている場合(家計基準内)と、超えている場合(家計基準外)で異なります。
参照:トビタテ!留学JAPAN
文化庁「新進芸術家海外研修制度」
「新進芸術家海外研修制度」とは、若手を中心とした芸術家等が海外の芸術団体や劇場等で実践的な研修などに従事する機会を提供、日本の将来の文化芸術振興を担う人材を育成することを目的とした取り組みです。
対象分野は美術・音楽・舞踊・演劇・舞台美術等・映画・メディア芸術となっており、研修等を行う際の渡航費・滞在費が支給されます。
※下記の内容は令和6年度の募集内容を参考にしていますので、次回以降内容が変更になる可能性もあります(募集は終了)。
研修期間
・1年研修:200~350日
・2年研修:351~700日
・3年研修:701~1,050日
・高校生研修:200~350日
・特別研修:20~80日
支援対象者の条件
・日本国籍または日本の永住資格を有すること
・目的、内容が具体的かつ明確な研修であり、以下の研修期間区分、分野ごとの年齢条件を満たすこと
・専門とする分野で芸術活動の実績があること
・外国での研修に堪えうる語学力を有すること
・研修先の施設の受入れ保証(受入先が個人である場合を含む)があること
など上記含め全11項目の要件あり
1年研修:美術分野18歳以上50歳未満 その他の分野18歳以上45歳未満
2年研修:美術分野18歳以上35歳未満 その他の分野18歳以上30歳未満
3年研修:美術分野18歳以上32歳未満 その他の分野18歳以上27歳未満
高校生研修:音楽・舞踊分野15歳以上18歳未満
特別研修:全分野18歳以上
支援内容
・航空運賃:エコノミークラスの日本(居住国)と研修国間の往路、復路航空運賃
・支度料:25,000円 ※日本(居住国)出国時に1回のみ支給
・滞在費:日当および宿泊料
滞在費の一例(指定都市の場合)
開始日~31日目:日当3,700円+宿泊料11,500円=15,200円/日
32日目~61日目:日当3,330円+宿泊料10,350円=13,680円/日
62日目~:日当2,960円+宿泊料9,200円=12,160円/日
※滞在地域は指定都市、甲地方、乙地方、丙地方に分けられています。
参照:文化庁
民間の給付型留学生奨学金
公益財団法人 柳井正財団 海外奨学金プログラム
対象
・公募制学校推薦海外大学奨学金(予約型)
学校から推薦を受けたインターナショナルスクール含む世界中の高等学校に在籍している日本国籍を有する学生が対象。米国・英国合わせて年間20名程度。
・公募制海外大学奨学金(合格型)
インターナショナルスクール含む世界中の高等学校に在籍している日本国籍を有する学生が対象。学校からの推薦は必要なし。米国・英国合わせて年間20名程度。
支給額
奨学生1名当たり年間US$95,000(英国は£65,000)を上限とし、大学ごとに必要な費用(授業料、寮費、保険料)を財団が算出し4年間(英国は原則3年間)支給。
参照:柳井正財団
公益財団法人 松下幸之助記念財団(松下幸之助国際スカラシップ)
対象
人文科学・社会科学の領域における「学部生の留学助成」「大学院生・研究機関在籍者の留学研究助成」を実施。「世界的な視野に立った研究」「諸施策の提案、調査研究活動」「助成対象研究」が対象となります。
〈学部生の留学助成〉
募集人員:2名程度
支給期間:9ヶ月~12ヶ月(1年)※学修の都合に応じて
奨学金:月額20万円(生活費、入学金、授業料および書籍代等研究に必要な諸経費、保険料など全て含む)
渡航費:1往復分相当の補助 ※渡航先、地域などによって支給額が異なる
〈大学院生・研究機関在籍の留学研究助成〉
募集人員:12名程度
支給期間:1年~2年 ※3ヶ月単位
奨学金:月額20万円(生活費、入学金、授業料および書籍代等研究に必要な諸経費、保険料など全て含む)
渡航費:1往復分の補助 ※渡航先、地域などによって支給額が異なる
参照:松下幸之助記念財団
公益財団法人 重田教育財団
対象
・日本国籍を有している者
・海外の大学または大学院への入学が決定している者
・経済的な理由により留学費用の支弁が困難であること
・学業優秀且つ品行方正であること
・就学状況および生活状況について適時報告できること
※学位取得を目的とする残り2学年以上の正規留学が対象。1学年の正規留学、2学年以上の語学留学、短期留学は対象外
給付金額:月額200,000円(年額2,400,000円)
給付期間:2年間
採用人数:5名
参照:重田教育財団
公益財団法人 村田海外留学奨学会
対象
・日本国籍(永住権可)を有している方
・大学学部または大学院(前期課程)に在学し、法学、経済学・経営学、理学、工学各科を専攻している満25歳以下の学生
・上記を専攻した満37歳以下の准教授、講師、助教、助手、ポストドクター、大学院(後期課程)の方
募集人員:2名~4名
支給期間:
学生 … 2年間
准教授・講師・助教・助手・ポストドクター … 1年間
給付金額:学費・生活費・往復旅費など留学に要する経費を支給します(実費(請求方式)・上限有り・支給額は非公開)
※学費免除で留学を予定している方などについては、学費の代わりに生活費分を厚くして支給するなどしています
参照:村田海外留学奨学会
公益財団法人 平和中島財団 日本人留学生奨学生
対象
海外の大学院に留学を希望し、学業・人物ともに優秀であり、経済的援助を必要とする者に対し奨学援助を行います。
・日本国籍(永住権可)を有する者
・応募時に日本国内に居住する者(海外在住者、海外大学等の在籍者は不可)
・応募時に高等学校を卒業している者
・博士号未取得者
・留学する大学等で使用する言語に応じ、一定以上の語学力を有する者(語学力の基準については下記のサイトからご確認ください)
※上記を含む全8項目の要件あり
募集人数:20名
〈支給期間〉最長2年間
奨学金:
大学院学生 … 月額30万円および往復渡航費
参照:平和中島財団
このほかにも各国政府が支援する奨学金、地域の自治体が行う留学費用の支給や助成など、様々な種類の留学支援が実施されています。
費用がないと諦める前に、奨学金の利用も視野に入れることをおススメします。
日本学生支援機構のHPでは、海外留学のための基礎知識や留学先の情報、留学までのタイムスケジュールなど参考になる内容が分かりやすくまとめられているので、チェックしてみてください。(執筆者:FP2級 藤 なつき)
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